騎士団長はスキル《ストーカー》を極めたい!

ミアキス

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第十一章 なりきり、やりきり、これっきり

災難は忘れた頃にやってくる

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「……………無理」

「………………パス」

「…………………諦めよう」

次々とプリンターから出されてくる用紙を手に、三人は座っていたソファに沈みこんだ。

「これ、もう人間辞めてね?」

チュンタが天井を仰ぎながら呟く。

「こっちが対策取る前に、どんどん増えてくんだよ?どのタイミングで抑え込んだらいいわけ?」

夢乃も半泣きで叫んだ。

「そろそろ御影も戻ってくんだろ?あいつに判断任せるしかねえだろ…」

頭を振りながら、アッキーがそう言うと、他の二人も頷いた。

「今、ディーの創った世界って幾つだっけ?」

ボーッと背もたれに凭れて夢乃が聞く。

「オレらんとこ、ヒナちゃんとこ。んで、今やってるとこと…」

指を折りながらチュンタが数える。

「『今度こそ、絶対に大丈夫!』って、宣言した途端に、崩壊しかけたとこ入れて、四つだな…」

「あー、あれね…」

「御影が喋んなくなったヤツなぁ…」

アッキーの言葉に当時を振り返る。

ーーあれはホントに怖かった……。

世界観に矛盾を与えすぎていた結果、世界を保つことが出来なくて、崩壊寸前のその世界の矛盾を潰していくために、説明する間も惜しんで、ひたすら御影が無言で、世界構成を確認しながらやってのけた。
その背後で処理が終わるまで、ディアルが土下座していたのもお約束であった。
自分達も余りにも鬼気迫る御影の姿に、声をかけれず怯えていた。

「ごめん、戻った」

ぶるりと体を震わせたタイミングで、御影が戻ってきた。

「……何かあった?」

目の死んでいる三人に気づき、御影が恐る恐る尋ねた。

「例の人物……。スキルが未だに増えてくんだ…」

「は?スキルが付かないように、残りのやば気なのロックしてったよね?漏れてた?」

アッキーの差し出した用紙を手に取り、素早く視線を動かしていく。

「…《千里眼》?《魔法の指》?何、これ?こんなのあったっけ?」

ひくりと口の端を引き攣らせながら、未だに用紙を吐き出すプリンターに目を向ける。

「ねえ、あの動いてるの……」

「うん、まだ増えてんだよ…」

チュンタが遠い目で続ける。

「こっちがスキル把握してる間に。次から次へと新しいスキル・・・・・・発生・・してんだよ……」

「………何て?」

アッキーの言葉に、御影はどんどん表情を無くしていく。

「ナナちゃん。これ見てよ。《感覚同調シンクロ》ってあるでしょ?これ、他の人達が使えるようになるとヤバくない?」

夢乃から渡されたスキル内容を確認すると、無言で顔を覆った。

「「「…………」」」

三人の視線が御影に集まった。
そうする間にも、プリンターは無常にも打ち出した内容を吐き出していく。

「……しよう……」

ポツリと御影が呟いた言葉に、三人は耳を済ませた。

「…今後、ディーが創造をする時は、計画書を書かせて、チェックしてからにしよう!」

拳を握りしめ、そう言いきった御影に、うんうんと三人も頷く。

「とりあえずは…。ヤバそうなのだけは、これっきり・・・・・になるように制限かけよう…」

御影の話す側で、新たに打ち出された用紙を手にしたアッキーの視線が泳ぐ。

「……御影……。遅かったわ……」

「「「?」」」

テーブルの上に置かれた用紙を全員で見つめる。

「「「ーっ!!」」」

そこに記された情報に、三人は声無き悲鳴を上げた。

「な、何で?何がどーして、こーなんだよ!」

チュンタが頭を抱えて叫んだ。

「ハハ…。ゆーの努力が霧散してく…。死んでからの方がブラック過ぎる…」

夢乃は目の焦点が合わなくなっている。

「これ、絶対にディーがなんかしてっだろ!?絶対にディーだろっ!?」

アッキーが拳を握って力説する。

「…しょ、初期設定!世界の初期設定、確認するよ!!」

御影は書類棚から、『アグローシア』とラベルの付いたバインダーを取り出した。
読み耽ること数時間。

「………あった……」

御影の言葉に全員でそこを見た。

『《祝福》を産まれる前に取得した人物は、同時に望むスキルを【ギフト】として両親から継承できることとする。』

「「「「あんの残念神ーーーーっ!!」」」」

例え留守にしていても、何処までも残念要素の消えないディアル・マディルなのであったーーーー。






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