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第十一章 なりきり、やりきり、これっきり
なんてこったい…
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アリスティリアが男女の双子を無事に出産したことは、その日のうちに各国に伝えられた。
長男はエヴァンと同じ髪色と瞳で、アルヴィン・リオール・ステッド・グランディバルカス。
長女はアリスティリア譲りの髪色にグランディバルカス家の紫水晶の瞳で、フィルディア・マディア・グランディバルカスと名付けられた。
「若様!お子様達の世話は私共でしますから!!」
子供達が泣くと、エヴァンがいそいそと近寄り、抱きあげようとする。
乳児用スライムを使用しているため、オムツ換えの必要は無く、子供が泣くのはたいてい空腹時である。
「いや、私の子供だし、ラフィンもお腹が大きいのだから…」
「若様は、若奥様の側にいてくださいっ!明後日からはまた仕事に戻るんですよ!あと、私の心配は無用です!三人目ですから…」
ラフィンの言葉にエヴァンは、ステリナに抱き上げていたフィルディアを渡し、肩を落としてアリスティリアの元へととぼとぼ歩いていく。
「さすがです、母様…」
「くだらない事に感心してないで、さっさと覚えなさい!産まれたら、私はしばらく手伝えないんだから…」
そんな母娘のやり取りに、
ーー若様の扱い方をくだらない事って……。
息子は母の発言に冷汗を流すのであった。
※※※※※※※※
出産の翌日には、魔王国からバスティンがマテロスと共にやって来た。
「おおっ!これはまたライリーナによく似た娘だの…」
バスティンはフィルディアを抱きながら、そう口にした。
「確かに。リーナ姉上に似ておりますね…」
後ろから覗き込んだマテロスも同意する。
「そうなのですか?」
アリスティリアが首を傾げると、二人はこくりと頷いた。
「しかもしっかりと不死鳥の【加護】が付いておるの…」
バスティンの言葉にホッとするアリスティリアとエヴァン。
「?ティリアは子供達の《鑑定》はしていないのですか?」
首を傾げるマテロスに、アリスティリアが頷いた。
「明日には聖王様がお祝いに来て下さるそうなので、その時に《鑑定》してもらうと良いと、カフィル様に言われたので…」
「なるほど。聖王様ならもっとハッキリ分かりますからね…」
マテロスの言葉に、アリスティリアは黙り込んだ。
神界で御影に言われた言葉を思い出したのだ。
すでに【加護】スキルも【祝福】スキルも決まっていると言われた。
レベルだけが分からないと言われた。
エヴァンの子なのだから、どちらもレベルがMAXでもおかしくないと思ってはいるのだが…。
翌日。やって来た聖王は、両親である二人以外を人払いしてから《鑑定》を行った。
「うむ……。二人とも【ギフト】も得ているのだが…」
「【ギフト】…ですか…」
フィルディアの《鑑定》も終え、聖王が何とも言えない顔で言う。
「娘の方は、【加護】は《瞬間記憶》レベルMAX。【ギフト】は《(神々の)祝福》と、《空間収納》…」
「「ん?」」
聖王の言葉に、エヴァンと二人、首を傾げる。
「息子の方は。【加護】は《守護》レベルMAX。【ギフト】は同じく《(神々の)祝福》と……」
「「……と?」」
聖王は一旦言葉を切ると、呼吸を落ち着けた。
「《ストーカー》を持っている……」
「…《ストーカー》…ですか…」
聖王の言葉に、繰り返すアリスティリア。だが、別のことに気づいた。
「え?聖王様。【ギフト】って、二つもあるものですか?」
そう、【ギフト】が二人とも、二つもあるのだ。
「……聞いたことは無い……。が、この子らはアリスと共に神界に行っている。同じようにラフィンの子が【ギフト】を二つ得ていると、それが原因と言えるだろうな……」
【ギフト】が二つ。さらに、息子には《ストーカー》。
その事に喜ぶエヴァンと対照的に、アリスティリアはとんでもない事になったと頭を抱えるのであったーーーー。
長男はエヴァンと同じ髪色と瞳で、アルヴィン・リオール・ステッド・グランディバルカス。
長女はアリスティリア譲りの髪色にグランディバルカス家の紫水晶の瞳で、フィルディア・マディア・グランディバルカスと名付けられた。
「若様!お子様達の世話は私共でしますから!!」
子供達が泣くと、エヴァンがいそいそと近寄り、抱きあげようとする。
乳児用スライムを使用しているため、オムツ換えの必要は無く、子供が泣くのはたいてい空腹時である。
「いや、私の子供だし、ラフィンもお腹が大きいのだから…」
「若様は、若奥様の側にいてくださいっ!明後日からはまた仕事に戻るんですよ!あと、私の心配は無用です!三人目ですから…」
ラフィンの言葉にエヴァンは、ステリナに抱き上げていたフィルディアを渡し、肩を落としてアリスティリアの元へととぼとぼ歩いていく。
「さすがです、母様…」
「くだらない事に感心してないで、さっさと覚えなさい!産まれたら、私はしばらく手伝えないんだから…」
そんな母娘のやり取りに、
ーー若様の扱い方をくだらない事って……。
息子は母の発言に冷汗を流すのであった。
※※※※※※※※
出産の翌日には、魔王国からバスティンがマテロスと共にやって来た。
「おおっ!これはまたライリーナによく似た娘だの…」
バスティンはフィルディアを抱きながら、そう口にした。
「確かに。リーナ姉上に似ておりますね…」
後ろから覗き込んだマテロスも同意する。
「そうなのですか?」
アリスティリアが首を傾げると、二人はこくりと頷いた。
「しかもしっかりと不死鳥の【加護】が付いておるの…」
バスティンの言葉にホッとするアリスティリアとエヴァン。
「?ティリアは子供達の《鑑定》はしていないのですか?」
首を傾げるマテロスに、アリスティリアが頷いた。
「明日には聖王様がお祝いに来て下さるそうなので、その時に《鑑定》してもらうと良いと、カフィル様に言われたので…」
「なるほど。聖王様ならもっとハッキリ分かりますからね…」
マテロスの言葉に、アリスティリアは黙り込んだ。
神界で御影に言われた言葉を思い出したのだ。
すでに【加護】スキルも【祝福】スキルも決まっていると言われた。
レベルだけが分からないと言われた。
エヴァンの子なのだから、どちらもレベルがMAXでもおかしくないと思ってはいるのだが…。
翌日。やって来た聖王は、両親である二人以外を人払いしてから《鑑定》を行った。
「うむ……。二人とも【ギフト】も得ているのだが…」
「【ギフト】…ですか…」
フィルディアの《鑑定》も終え、聖王が何とも言えない顔で言う。
「娘の方は、【加護】は《瞬間記憶》レベルMAX。【ギフト】は《(神々の)祝福》と、《空間収納》…」
「「ん?」」
聖王の言葉に、エヴァンと二人、首を傾げる。
「息子の方は。【加護】は《守護》レベルMAX。【ギフト】は同じく《(神々の)祝福》と……」
「「……と?」」
聖王は一旦言葉を切ると、呼吸を落ち着けた。
「《ストーカー》を持っている……」
「…《ストーカー》…ですか…」
聖王の言葉に、繰り返すアリスティリア。だが、別のことに気づいた。
「え?聖王様。【ギフト】って、二つもあるものですか?」
そう、【ギフト】が二人とも、二つもあるのだ。
「……聞いたことは無い……。が、この子らはアリスと共に神界に行っている。同じようにラフィンの子が【ギフト】を二つ得ていると、それが原因と言えるだろうな……」
【ギフト】が二つ。さらに、息子には《ストーカー》。
その事に喜ぶエヴァンと対照的に、アリスティリアはとんでもない事になったと頭を抱えるのであったーーーー。
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