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第一章 『供物』の姫は食べられない
7.
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五日目の夜。開いた門から現れたのは、白銀の体毛に覆われた巨大な狼でした。この方が狼王様なのでしょう。
「……綺麗…」
恐怖よりも先に、その姿に感動して自然と呟いていました。
「……っ!?お前……」
狼王様は私に目を向け、金色の瞳を見開くと、その全身がポウッと淡い光に包まれました。
「????」
ゆっくりと小さくなるその光は、大人の男性くらいの大きさになり、光が消えた場所には、男の方が立っていました。
その頭には獣の耳が。背後にはフサフサのしっぽがありました。
「お前、名は?」
「…エリシアと申します……」
**********
一目見て、その娘こそが探していた己の半身であると確信した。
我が半身はその身を檻の中に入れられ、鎖で繋がれていた。
見るだけで不愉快である。
さらに事前に他の連中から聞いていたが、あまりにも痩せている。いや、痩せすぎていた。
我が半身を蔑ろにした連中を八つ裂きにしに行きたい衝動を抑えながら、目の前の半身を急ぎ連れ帰りたい想いが湧き上がる。
「我が名はアーヴ!人狼一族を治める狼王だ。エリシア。お前は今から我の物だ……
」
「……あ、はい。どうぞお好きになさって下さいませ」
我の言葉に、エリシアは深々と頭を下げる。
何か違和感を覚えるのだが、とりあえず連れ戻り、太らせねばならない。
このような体つきでは、我が安心できない!
連れ帰ろうとしたものの、檻を開けるための鍵が見当たらない。
「……面倒な…」
「え?」
両手で鉄格子を掴み、思いっきり左右に引けば、グニャリと曲がった。
「ふむ。戻るぞ、エリシア…」
「ひゃっ!?」
「…………」
抱き上げたエリシアの体は、指で摘んでも持ち上げられそうな程に軽かった。
「…お前。我が城に着いたら、しっかりと飯を食え!いいな。これは命令だ!」
「……」
コクコクと頷くエリシアを腕にしたまま、配下の者達にあとを任せて城に戻る。
「陛下!」
戻った我を出迎えた城の者達は、我の腕の中にいたエリシアに目を向けている。
「ヴェーネ!」
「はい、陛下!」
我は世話役の女の名を呼んだ。
「これに風呂と着替えをさせて連れてこい!共に食事を摂る…」
「畏まりました…」
ヴェーネの腕にエリシアを託し、我はさっさと自室へと向かっていった。
**********
「お前はもっと太れ!そのザマでは、すぐにこちらでは死んでしまうぞ…」
連れてこられてから毎日。私はアーヴ様と必ず食事をするようになっていた。
そしてなぜか、彼の手で直接食べ物を口に運ばれている。
初日は胃が弱っていたせいで、満足に食べれないことに気づき、果物やスープを用意してくれた。
回を重ねる事に、私の体調に合わせた食事が用意され、それを必ず彼が私に食べさせるのだ。反論は許さないと、初日に何度も念押しもされてしまった。
そして周囲の人は、誰もが優しく私に接してくれる。
世話役の代表であるヴェーネさんは、最初に私をお風呂に入れる際に、私の貧相な体を見るなり、泣いてしまった。
……そうだよね。こんな食べがいのない身体を見たら、辛いよね……。
だから、私を美味しく食べるために太らせようとしているのだろう。
私はみんなの期待に応えるために、頑張って食事をし、半年が過ぎる頃には、それなりに健康的な体型になっていたーーーー。
「……綺麗…」
恐怖よりも先に、その姿に感動して自然と呟いていました。
「……っ!?お前……」
狼王様は私に目を向け、金色の瞳を見開くと、その全身がポウッと淡い光に包まれました。
「????」
ゆっくりと小さくなるその光は、大人の男性くらいの大きさになり、光が消えた場所には、男の方が立っていました。
その頭には獣の耳が。背後にはフサフサのしっぽがありました。
「お前、名は?」
「…エリシアと申します……」
**********
一目見て、その娘こそが探していた己の半身であると確信した。
我が半身はその身を檻の中に入れられ、鎖で繋がれていた。
見るだけで不愉快である。
さらに事前に他の連中から聞いていたが、あまりにも痩せている。いや、痩せすぎていた。
我が半身を蔑ろにした連中を八つ裂きにしに行きたい衝動を抑えながら、目の前の半身を急ぎ連れ帰りたい想いが湧き上がる。
「我が名はアーヴ!人狼一族を治める狼王だ。エリシア。お前は今から我の物だ……
」
「……あ、はい。どうぞお好きになさって下さいませ」
我の言葉に、エリシアは深々と頭を下げる。
何か違和感を覚えるのだが、とりあえず連れ戻り、太らせねばならない。
このような体つきでは、我が安心できない!
連れ帰ろうとしたものの、檻を開けるための鍵が見当たらない。
「……面倒な…」
「え?」
両手で鉄格子を掴み、思いっきり左右に引けば、グニャリと曲がった。
「ふむ。戻るぞ、エリシア…」
「ひゃっ!?」
「…………」
抱き上げたエリシアの体は、指で摘んでも持ち上げられそうな程に軽かった。
「…お前。我が城に着いたら、しっかりと飯を食え!いいな。これは命令だ!」
「……」
コクコクと頷くエリシアを腕にしたまま、配下の者達にあとを任せて城に戻る。
「陛下!」
戻った我を出迎えた城の者達は、我の腕の中にいたエリシアに目を向けている。
「ヴェーネ!」
「はい、陛下!」
我は世話役の女の名を呼んだ。
「これに風呂と着替えをさせて連れてこい!共に食事を摂る…」
「畏まりました…」
ヴェーネの腕にエリシアを託し、我はさっさと自室へと向かっていった。
**********
「お前はもっと太れ!そのザマでは、すぐにこちらでは死んでしまうぞ…」
連れてこられてから毎日。私はアーヴ様と必ず食事をするようになっていた。
そしてなぜか、彼の手で直接食べ物を口に運ばれている。
初日は胃が弱っていたせいで、満足に食べれないことに気づき、果物やスープを用意してくれた。
回を重ねる事に、私の体調に合わせた食事が用意され、それを必ず彼が私に食べさせるのだ。反論は許さないと、初日に何度も念押しもされてしまった。
そして周囲の人は、誰もが優しく私に接してくれる。
世話役の代表であるヴェーネさんは、最初に私をお風呂に入れる際に、私の貧相な体を見るなり、泣いてしまった。
……そうだよね。こんな食べがいのない身体を見たら、辛いよね……。
だから、私を美味しく食べるために太らせようとしているのだろう。
私はみんなの期待に応えるために、頑張って食事をし、半年が過ぎる頃には、それなりに健康的な体型になっていたーーーー。
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