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・惑星監視官、魔王軍にレーザー兵器を授ける
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玉座の裏には秘密がある。古来よりそういうものだ。そのお約束に従ってそこに秘密兵器をため込んでおいた。
「タン!」
「おうさっ、兄貴! ん、なんだこりゃ?」
「ヴィオレッタ!」
「む……?」
「デス!」
「はっ、貴方様からの賜り物ならば、たとえ石ころでも喜んで!」
俺は秘密兵器を仲間たちに投げ渡した。
「あとお前らっ、こん中から好きに持ってけ! デュラスチール製の武器一式だ!」
「おい兄貴っ、俺はこんな変な棒切れでそいつらが業物ってよぉ、不公平だろが!」
「バカ言ってんじゃねぇ、タン! お前のそれは、惑星ファンタジア最強の斧! レーザーアックスだ!」
「れ、れーざぁだぁ? ……なっ、なんじゃぁぁぁーっっ?!」
タンの巨体に寄ると、レーザーアックスを起動してエネルギーで作られた斧を発生させた。
「いいか、この部分、絶対に触んじゃねぇぞ? こうなるからよ」
用意しておいた太い薪をレーザーアックスに当てた。触れた部分は瞬時に塵となって、残った薪を熱く燃え上がらせましたとさ。
「こ、これが星の世界の力……っっ!? な、ならば某のこれは……っ!?」
「おう、それはレーザースピアだ。ヴィオレッタちゃんなら使いこなせると思ってな、用意しておいた」
ヴィオレッタに寄ってレーザースピアを起動させてやった。
「フ……これでのぞき魔も魔王も、一突きの下に屠れるということか」
「悪い冗談はよせよ、ヴィオレッタちゃん」
「ヨアヒム、某はまだそなたを許したわけではない。変態……変態め……」
「ハハハハッ、言われてやんのーっ!! 兄貴の自業自得だぜぇーっ!!」
「ホントにねー……。こういうところがなければ最高の魔王様なのにねー……」
そんな困った魔王をデスは無条件で受け止めてくれるやつだ。俺はカボチャ頭のカカシの前に寄って、レーザーシールドを起動してやった。
「このデス、主に剣を持たされ、魔剣である自身の存在価値を試されるかと冷や汗をかいておりましたが、これはいい相棒になりそうでございます、魔王様」
「なぁデス……魔王がスケベで何が悪いんだぁ……?」
「それは貴方の温かいその人望ゆえのことでございましょう。『スケベなところ以外は完璧なのに』と、そう思わずにはいられないのでございましょう」
「俺っちはあの時覗きたかったんだよ、どうしてもな……っ」
武器の支給が終わると、デスが皆を取りまとめてくれた。彼らの進軍先は映像にあった都市【ヘズンの牙】だ。
【ヘズンの牙】には強力な軍隊がいるとは聞いてはいるが、いくらなんでも相手が悪い。急いだ方がいいだろう。
「んじゃ、救援よろしく頼むぜ」
「はっ、この命にかけてゼノなんたらとやらを駆除して参りましょう」
「んじゃ、俺っちはちょっと行ってくるから、あとよろしく」
「はっ! ……は、はぁっ!? あ、あの、魔王様っ、いったいどちらへ……!?」
俺は玉座の間を出ようとした。するとデスに続いてタン、ヴィオレッタ、ステラにパイアまで俺の前を阻んだ。
「なんのつもりだ、ヨアヒム」
「アンタ、バックレるつもりじゃないでしょうねーっ!?」
「みんなと一緒に、動いた方がいいと思います……」
「兄貴、アンタまさかぁ……一人で決着付けるつもりじゃねぇべなぁ……? そりゃつれねぇだろがよぉっ!?」
「偉大なる我が主よ、策をうかがってもよろしいでしょうか?」
いい歳して俺は感動してしまった。慕われたり、無条件で信じてもらえたり、スケベと言われてぶん殴られるのも悪かねぇ。
「俺ぁずっと前から、やつらがくることを知っていた。罠を張り巡らせて待っていたんだ。予定よりずっとはええが、やつらを倒す奥の手を見せてやるよ。……後で、映像でな」
「ちょ、ちょっとっ、一人で行くとか無謀だよーっ!?」
「いやぁそれがよ、俺の奥の手は俺っち一人じゃねぇと危なくて使えたもんじゃねぇんだよなぁ……。ははは、また後でな、パイア、ステラ!!」
「ま、待って、お兄ちゃん……っ、あ……っ」
やつらの誤算は俺の身に秘められた魔王の力だ。俺は最近やっと覚えられた浮遊の魔法を使って、神殿から魔界の空へと飛び上がった。
それから人間の領域のある東へと飛ぶ。飛びながら俺はある男に通信を送った。
――――――――――――――――――――
ヨアヒム:
よう、アークトゥルスから星の海を越えて、はるばるご苦労なこったな、ゴードン。
ちょいとツラ貸せや、旧交を温めようじゃねぇの。
ゴードン:
き、貴様っっ、貴様ヨアヒムゥゥッッ!! 貴様のせいで私は研究部門長を罷免されたのだぞ!!
どこにいる、殺してやる、早く居場所を教えろっ、惨たらしく殺した後に拷問してやる!!
ヨアヒム:
そうなのか? ああそりゃ悪ぃことしたなぁ……?
そっち側に着いたらビーコーンを発信するから、まあ現地で落ち着いて話し合おうや。
ゴードン:
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す貴様を殺す!!!! 殺しに行くから待っていろ!!!!
ヨアヒム:
勘弁してくれよ、アンタが罷免されるなんてこっちは想像もしてなかったんだからよぉ……。
――――――――――――――――――――
「なんでアイツがいんだ……? ああ、相手すんのもめんどくせぇ……」
俺はヴィオレッタと出会った砦を越え、その先の不毛の山岳を越え、数他の魔族の都市を横目に決戦場を鷹となって目指した。
帰ったらヴィオレッタに謝ろう。どうしてもお前さんの水浴びをする姿を見たかったんだと、正直に伝えよう。
サイボーグ部隊とおまけのゴードンをさっさと片付けて、そうすることにした。
「タン!」
「おうさっ、兄貴! ん、なんだこりゃ?」
「ヴィオレッタ!」
「む……?」
「デス!」
「はっ、貴方様からの賜り物ならば、たとえ石ころでも喜んで!」
俺は秘密兵器を仲間たちに投げ渡した。
「あとお前らっ、こん中から好きに持ってけ! デュラスチール製の武器一式だ!」
「おい兄貴っ、俺はこんな変な棒切れでそいつらが業物ってよぉ、不公平だろが!」
「バカ言ってんじゃねぇ、タン! お前のそれは、惑星ファンタジア最強の斧! レーザーアックスだ!」
「れ、れーざぁだぁ? ……なっ、なんじゃぁぁぁーっっ?!」
タンの巨体に寄ると、レーザーアックスを起動してエネルギーで作られた斧を発生させた。
「いいか、この部分、絶対に触んじゃねぇぞ? こうなるからよ」
用意しておいた太い薪をレーザーアックスに当てた。触れた部分は瞬時に塵となって、残った薪を熱く燃え上がらせましたとさ。
「こ、これが星の世界の力……っっ!? な、ならば某のこれは……っ!?」
「おう、それはレーザースピアだ。ヴィオレッタちゃんなら使いこなせると思ってな、用意しておいた」
ヴィオレッタに寄ってレーザースピアを起動させてやった。
「フ……これでのぞき魔も魔王も、一突きの下に屠れるということか」
「悪い冗談はよせよ、ヴィオレッタちゃん」
「ヨアヒム、某はまだそなたを許したわけではない。変態……変態め……」
「ハハハハッ、言われてやんのーっ!! 兄貴の自業自得だぜぇーっ!!」
「ホントにねー……。こういうところがなければ最高の魔王様なのにねー……」
そんな困った魔王をデスは無条件で受け止めてくれるやつだ。俺はカボチャ頭のカカシの前に寄って、レーザーシールドを起動してやった。
「このデス、主に剣を持たされ、魔剣である自身の存在価値を試されるかと冷や汗をかいておりましたが、これはいい相棒になりそうでございます、魔王様」
「なぁデス……魔王がスケベで何が悪いんだぁ……?」
「それは貴方の温かいその人望ゆえのことでございましょう。『スケベなところ以外は完璧なのに』と、そう思わずにはいられないのでございましょう」
「俺っちはあの時覗きたかったんだよ、どうしてもな……っ」
武器の支給が終わると、デスが皆を取りまとめてくれた。彼らの進軍先は映像にあった都市【ヘズンの牙】だ。
【ヘズンの牙】には強力な軍隊がいるとは聞いてはいるが、いくらなんでも相手が悪い。急いだ方がいいだろう。
「んじゃ、救援よろしく頼むぜ」
「はっ、この命にかけてゼノなんたらとやらを駆除して参りましょう」
「んじゃ、俺っちはちょっと行ってくるから、あとよろしく」
「はっ! ……は、はぁっ!? あ、あの、魔王様っ、いったいどちらへ……!?」
俺は玉座の間を出ようとした。するとデスに続いてタン、ヴィオレッタ、ステラにパイアまで俺の前を阻んだ。
「なんのつもりだ、ヨアヒム」
「アンタ、バックレるつもりじゃないでしょうねーっ!?」
「みんなと一緒に、動いた方がいいと思います……」
「兄貴、アンタまさかぁ……一人で決着付けるつもりじゃねぇべなぁ……? そりゃつれねぇだろがよぉっ!?」
「偉大なる我が主よ、策をうかがってもよろしいでしょうか?」
いい歳して俺は感動してしまった。慕われたり、無条件で信じてもらえたり、スケベと言われてぶん殴られるのも悪かねぇ。
「俺ぁずっと前から、やつらがくることを知っていた。罠を張り巡らせて待っていたんだ。予定よりずっとはええが、やつらを倒す奥の手を見せてやるよ。……後で、映像でな」
「ちょ、ちょっとっ、一人で行くとか無謀だよーっ!?」
「いやぁそれがよ、俺の奥の手は俺っち一人じゃねぇと危なくて使えたもんじゃねぇんだよなぁ……。ははは、また後でな、パイア、ステラ!!」
「ま、待って、お兄ちゃん……っ、あ……っ」
やつらの誤算は俺の身に秘められた魔王の力だ。俺は最近やっと覚えられた浮遊の魔法を使って、神殿から魔界の空へと飛び上がった。
それから人間の領域のある東へと飛ぶ。飛びながら俺はある男に通信を送った。
――――――――――――――――――――
ヨアヒム:
よう、アークトゥルスから星の海を越えて、はるばるご苦労なこったな、ゴードン。
ちょいとツラ貸せや、旧交を温めようじゃねぇの。
ゴードン:
き、貴様っっ、貴様ヨアヒムゥゥッッ!! 貴様のせいで私は研究部門長を罷免されたのだぞ!!
どこにいる、殺してやる、早く居場所を教えろっ、惨たらしく殺した後に拷問してやる!!
ヨアヒム:
そうなのか? ああそりゃ悪ぃことしたなぁ……?
そっち側に着いたらビーコーンを発信するから、まあ現地で落ち着いて話し合おうや。
ゴードン:
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す貴様を殺す!!!! 殺しに行くから待っていろ!!!!
ヨアヒム:
勘弁してくれよ、アンタが罷免されるなんてこっちは想像もしてなかったんだからよぉ……。
――――――――――――――――――――
「なんでアイツがいんだ……? ああ、相手すんのもめんどくせぇ……」
俺はヴィオレッタと出会った砦を越え、その先の不毛の山岳を越え、数他の魔族の都市を横目に決戦場を鷹となって目指した。
帰ったらヴィオレッタに謝ろう。どうしてもお前さんの水浴びをする姿を見たかったんだと、正直に伝えよう。
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