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竜将軍大会第一回戦:至上最強の素人クルシュ VS 棒術王バース
・第一回戦:VS棒術王バース・マルティネス - 二刀流ってそういう意味じゃねーよ -
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大闘技場の舞台から見えるものは、何もかもが圧巻の一言だった。
24000席に及ぶ観客席の全てが人という人で埋め尽くされ、それがあらゆる方角から私を見下ろしていた。
いよいよ始まる試合に人々は興奮し、絶え間なくざわめき、あふれんばかりに叫んでいる。
あまりにも発言者が多いので言葉は言葉のていをなさず、私には『バース』と『クルシュ』という2つの単語しか聞き取れない。
私はローマ時代コロッセオの剣闘士になったかのような気分で、満員大入りの舞台を見上げ、立ち尽くした。
仮に聖帝が転生者であろうとも、こんなとてつもない円形闘技場を築いた時点で、もはや聖帝は歴史上の偉人すらもかすむほどの大偉人、いや神として見る他になかった。
「皆様長らくお待たせしちゃいましたーっ! これより本日第三試合っ! 裏ヤキュウ流棒術使いバース・マルティネス!! VS!!」
ともかくその舞台のど真ん中で、私は大歓声と注目の視線に貫かれた。
「25歳、武人歴0年!! ド素人・オブ・ド素人!! 千竜将軍イーラジュの弟子っっ、クルシュの対戦を執り行うわよーっっ!!」
大歓声は笑い声に変わり、賛否両論な私の存在が遅れて会場をざわつかせた。
それは大穴も大穴の新参者が、あのイーラジュの弟子であったと、今さらになって知ることになったからだろう。
「いよぅ、あんちゃん! 初々しいねぇ!」
見上げてばかりいると、対戦相手バースに声をかけられた。
「あ、ああ、こんな沢山の人に注目されたのは、これが初め――って?! な、なんだその格好っっ?!!」
「これか? これが戦に挑む時の、真のベースボーラーの出で立ちよっ!!」
バースはキャッチャープロテクターと、キャッチャーヘルメットにキャッチャーマスクを身に付けていた。
さらに左の肘には一塁ベース、右の肘には三塁ベース、股間には二塁ベースを装着していた。
「いや出で立ちっつーか、全部盛りっつーか、なんか、すげーな……」
そんな変質者極まりない男が、さらに両手に金属バットを持って自分の前に立っていたら、君はどうするだろうか?
私は一歩後ずさって、どん引きした。
「同じヤキュウファンだけどよぉっ、勝負は勝負! 手加減はしねぇぜ、あんちゃんっ!」
「お、おう……でも、なんで、二刀流……? いや二棒流?」
バットを2つ持って試合に挑む時点で、それは即退場もののルール違反なのではないだろうか?
「知りてぇか!」
「いや別に……」
「かつてヤキュウ界と呼ばれた天上世界には!!」
赤ら顔のヤキュウオヤジは私の返答を無視して、それはもう気持ちよさそうに語り出した。
「オオヤサン!! オオヤサンと呼ばれる、伝説の二刀流使いがいたそうだ!!」
「お、おう……?」
オオヤ、さん?
オオヤさんも、こっちに異世界転生していたのだろうか……?
「オオヤサンは海を渡り、当時邪道の二刀流・異端棒術を用いて、異国の鬼どもを悪鬼羅刹のごとく!! 討ち取っていったという……!!」
「いやおっさん、それ打ち取ったの意味ちげーと思うぞ……」
「ゆえに俺は鬼神オオヤサンにあやかり! 二刀流を志したのだーっ!!」
「二刀流ってそういう意味じゃねーよ……」
存在そのものが野球への冒涜みたいなオヤジだった。
「うるせぇっっ、間違っていようと合っていようと、これが俺の中のオオヤサンなんだよっっ!!」
「コイツ、1ミリも野球を理解してねぇ……」
しかしこの全身勘違いの塊のオヤジは、武人としては本物の実力者であるという。
イーラジュ様いわく、道を誤りさえしなければ、今頃はどこかの将軍の右腕になっていた、と。
「さあご両雄! 盛り上がってきたところでーっ、試合開始と参りましょー!! 準備はよろしいですか!? よろしいですね!?」
私は問いかけに『おう』とだけ答え、いつでも居合い抜きで迎撃できるように身を低くして構えた。
「悪く思うなよ、あんちゃん。俺はよ、ヤツカハギにはびこる田舎ルールを廃止にしてもらうために、この大会に出場した!!!」
「は……?」
「クルシュよっっ、その魂をヤキュウ界の礎としてくれるっっ!!!」
以上のバースの発言はモーリーさんのマイクに拾われ、大闘技場中にとどろいた。
バースの野望は野球に血と闘争をもたらすことだった。
「 お前ぶざけんなよ、バース!!! 」
「 このアホーッ!! 野球は殺し合いじゃねーよ!! 」
「 がんばれクルシュ!! そいつをぶちのめせーーっっ!! 」
私の野球感は正常だった。
観客たちはかねてよりこの狂人に思うところがあったのか、様々な罵声をバースに投げ付けてくれた。
野球はやはり恐ろしいスポーツだ。
異世界であっても野球の話題は極力避けべきであると、私は賛否両論の観客席から学んだ。
「それじゃぁ……そろそろいくわよーん、ご両雄!! これより一回戦……試合っ、開始よーっっ!!」
試合開始の号令に合わせて大きな銅鑼が打ち鳴らされた。
バースから好意が消えた。
ヤツは鬼そのものとなって、強烈な殺意を全身からほとばしらせた。
24000席に及ぶ観客席の全てが人という人で埋め尽くされ、それがあらゆる方角から私を見下ろしていた。
いよいよ始まる試合に人々は興奮し、絶え間なくざわめき、あふれんばかりに叫んでいる。
あまりにも発言者が多いので言葉は言葉のていをなさず、私には『バース』と『クルシュ』という2つの単語しか聞き取れない。
私はローマ時代コロッセオの剣闘士になったかのような気分で、満員大入りの舞台を見上げ、立ち尽くした。
仮に聖帝が転生者であろうとも、こんなとてつもない円形闘技場を築いた時点で、もはや聖帝は歴史上の偉人すらもかすむほどの大偉人、いや神として見る他になかった。
「皆様長らくお待たせしちゃいましたーっ! これより本日第三試合っ! 裏ヤキュウ流棒術使いバース・マルティネス!! VS!!」
ともかくその舞台のど真ん中で、私は大歓声と注目の視線に貫かれた。
「25歳、武人歴0年!! ド素人・オブ・ド素人!! 千竜将軍イーラジュの弟子っっ、クルシュの対戦を執り行うわよーっっ!!」
大歓声は笑い声に変わり、賛否両論な私の存在が遅れて会場をざわつかせた。
それは大穴も大穴の新参者が、あのイーラジュの弟子であったと、今さらになって知ることになったからだろう。
「いよぅ、あんちゃん! 初々しいねぇ!」
見上げてばかりいると、対戦相手バースに声をかけられた。
「あ、ああ、こんな沢山の人に注目されたのは、これが初め――って?! な、なんだその格好っっ?!!」
「これか? これが戦に挑む時の、真のベースボーラーの出で立ちよっ!!」
バースはキャッチャープロテクターと、キャッチャーヘルメットにキャッチャーマスクを身に付けていた。
さらに左の肘には一塁ベース、右の肘には三塁ベース、股間には二塁ベースを装着していた。
「いや出で立ちっつーか、全部盛りっつーか、なんか、すげーな……」
そんな変質者極まりない男が、さらに両手に金属バットを持って自分の前に立っていたら、君はどうするだろうか?
私は一歩後ずさって、どん引きした。
「同じヤキュウファンだけどよぉっ、勝負は勝負! 手加減はしねぇぜ、あんちゃんっ!」
「お、おう……でも、なんで、二刀流……? いや二棒流?」
バットを2つ持って試合に挑む時点で、それは即退場もののルール違反なのではないだろうか?
「知りてぇか!」
「いや別に……」
「かつてヤキュウ界と呼ばれた天上世界には!!」
赤ら顔のヤキュウオヤジは私の返答を無視して、それはもう気持ちよさそうに語り出した。
「オオヤサン!! オオヤサンと呼ばれる、伝説の二刀流使いがいたそうだ!!」
「お、おう……?」
オオヤ、さん?
オオヤさんも、こっちに異世界転生していたのだろうか……?
「オオヤサンは海を渡り、当時邪道の二刀流・異端棒術を用いて、異国の鬼どもを悪鬼羅刹のごとく!! 討ち取っていったという……!!」
「いやおっさん、それ打ち取ったの意味ちげーと思うぞ……」
「ゆえに俺は鬼神オオヤサンにあやかり! 二刀流を志したのだーっ!!」
「二刀流ってそういう意味じゃねーよ……」
存在そのものが野球への冒涜みたいなオヤジだった。
「うるせぇっっ、間違っていようと合っていようと、これが俺の中のオオヤサンなんだよっっ!!」
「コイツ、1ミリも野球を理解してねぇ……」
しかしこの全身勘違いの塊のオヤジは、武人としては本物の実力者であるという。
イーラジュ様いわく、道を誤りさえしなければ、今頃はどこかの将軍の右腕になっていた、と。
「さあご両雄! 盛り上がってきたところでーっ、試合開始と参りましょー!! 準備はよろしいですか!? よろしいですね!?」
私は問いかけに『おう』とだけ答え、いつでも居合い抜きで迎撃できるように身を低くして構えた。
「悪く思うなよ、あんちゃん。俺はよ、ヤツカハギにはびこる田舎ルールを廃止にしてもらうために、この大会に出場した!!!」
「は……?」
「クルシュよっっ、その魂をヤキュウ界の礎としてくれるっっ!!!」
以上のバースの発言はモーリーさんのマイクに拾われ、大闘技場中にとどろいた。
バースの野望は野球に血と闘争をもたらすことだった。
「 お前ぶざけんなよ、バース!!! 」
「 このアホーッ!! 野球は殺し合いじゃねーよ!! 」
「 がんばれクルシュ!! そいつをぶちのめせーーっっ!! 」
私の野球感は正常だった。
観客たちはかねてよりこの狂人に思うところがあったのか、様々な罵声をバースに投げ付けてくれた。
野球はやはり恐ろしいスポーツだ。
異世界であっても野球の話題は極力避けべきであると、私は賛否両論の観客席から学んだ。
「それじゃぁ……そろそろいくわよーん、ご両雄!! これより一回戦……試合っ、開始よーっっ!!」
試合開始の号令に合わせて大きな銅鑼が打ち鳴らされた。
バースから好意が消えた。
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