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緊急事態宣言発出 40
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4月30日、当初予定されていた緊急事態宣言が延長されそうだというニュースを夜のテレビで耳にした。そこでは全国を対象としたまま1ヵ月ほどと考えられているようだ。
「せっかくこれまで頑張ってきたのに1ヵ月延長・・・」
私は思わず小さくつぶやいた。思わず美津子のほうに目線を向けたが、同じく無言だ。最初に宣言が出た時もショックだったが、延長というのはその上塗りになる。
ただ、最近の感染者数を見ていてもなかなか安心できる数字でないことはテレビでの解説でよく分かる。
このような話は頭では理解するけれど、心では納得できない、というところが自分の中でぶつかり合う。自分たちだけじゃない、ということも分かる。もっと厳しい業種があるというところも分かっている。
だが私は聖人君子ではないし、現実に生活していかなければならない。そこにさらに1ヵ月延長となれば、経営の悪化は免れない。
「美津子、今月の収支はどうなっている?」
私は会社としての経理は美津子に任せている。最終的には税理士にお願いするが、ざっくりとしたところは美津子が担当している。だから、今月の収支については美津子に尋ねればおおよそは分かる。
「そうね、細かなところはまだ分からないけれど、少なくとも黒字とは言えないわ。8時以降が仕事できないから当然だけど、もともと原価率や人件費もギリギリで頑張っているから、諸経費を引いたら小遣い程度でも浮いたらラッキーというところじゃないかな」
「今、人件費を引いたらと言ったけど、それは俺たちの給料分も入っているのか?」
「満額は無理ね。ここは経営者として身銭を切るつもりでいないと、みんなの給料や材料費などに回らないわ。でも、これまで私たちはそれぞれ給料のカタチでお金が入っていたけれど、それが合計して1人分になったとしても、他の人のことを考えれば良いと思うわ。これまでは経営者ということで2人分の収入があったけれど、あなたのお金だけで生活すると考えれば何とかなるわよ。家計の切り盛りは任せて」
美津子は力強く言った。私は会社の社長であると同時に、雨宮家の家長でもある。生活に関しての責任もあるのだ。私が心の重荷になっていた理由の一つがここにあったのだが、今月の様子を聞いて、また、美津子と話していて、少しホッとする自分がいた。
このところ、時短営業に関係もあり、美津子と交互に奥田のところでお世話になっている。ちょっと前であれば経営的な話になると結構重く受け止めていたけれど、最近は何とかなるとか、焦っても仕方がないといった変な開き直りができるようになっている。ストレスに対する耐性も少しついているのかもしれないが、もしそうなら、大変ありがたいことだ。感染症の問題が仕事に影響が出るようになり、これまでこんなにストレスを感じたことは無いと思って落ち込んだこともあるが、何かの折にふり返ると、気持ちが前向きになっているというケースが増えている。
本当は大変なはずなのに、何故と思うところはあるが、この環境に慣れてきたところあるかもしれない。心身不可分という話を奥田から聞いているので癒しの効果かもという思いもある。今、これまではたまにしかやっていなかった身体を整えるということを改めて考えると、最近はもし通っていなかったらと思うことがある。施術後の心身の爽快感を改めて思い出す時、癒しの効果を感じていたのだった。
だからこそ、美津子と話している中で、1ヵ月の延長があっても、乗り越えられそうな気持が心の中で大きくなっていたのかもしれない。現実問題として売り上げ減となり、苦しい経営を強いられるかもしれないが、好きでやっている居酒屋という仕事をきちんとやり抜こうという気持ちが改めて湧いている自分を感じていた。
「せっかくこれまで頑張ってきたのに1ヵ月延長・・・」
私は思わず小さくつぶやいた。思わず美津子のほうに目線を向けたが、同じく無言だ。最初に宣言が出た時もショックだったが、延長というのはその上塗りになる。
ただ、最近の感染者数を見ていてもなかなか安心できる数字でないことはテレビでの解説でよく分かる。
このような話は頭では理解するけれど、心では納得できない、というところが自分の中でぶつかり合う。自分たちだけじゃない、ということも分かる。もっと厳しい業種があるというところも分かっている。
だが私は聖人君子ではないし、現実に生活していかなければならない。そこにさらに1ヵ月延長となれば、経営の悪化は免れない。
「美津子、今月の収支はどうなっている?」
私は会社としての経理は美津子に任せている。最終的には税理士にお願いするが、ざっくりとしたところは美津子が担当している。だから、今月の収支については美津子に尋ねればおおよそは分かる。
「そうね、細かなところはまだ分からないけれど、少なくとも黒字とは言えないわ。8時以降が仕事できないから当然だけど、もともと原価率や人件費もギリギリで頑張っているから、諸経費を引いたら小遣い程度でも浮いたらラッキーというところじゃないかな」
「今、人件費を引いたらと言ったけど、それは俺たちの給料分も入っているのか?」
「満額は無理ね。ここは経営者として身銭を切るつもりでいないと、みんなの給料や材料費などに回らないわ。でも、これまで私たちはそれぞれ給料のカタチでお金が入っていたけれど、それが合計して1人分になったとしても、他の人のことを考えれば良いと思うわ。これまでは経営者ということで2人分の収入があったけれど、あなたのお金だけで生活すると考えれば何とかなるわよ。家計の切り盛りは任せて」
美津子は力強く言った。私は会社の社長であると同時に、雨宮家の家長でもある。生活に関しての責任もあるのだ。私が心の重荷になっていた理由の一つがここにあったのだが、今月の様子を聞いて、また、美津子と話していて、少しホッとする自分がいた。
このところ、時短営業に関係もあり、美津子と交互に奥田のところでお世話になっている。ちょっと前であれば経営的な話になると結構重く受け止めていたけれど、最近は何とかなるとか、焦っても仕方がないといった変な開き直りができるようになっている。ストレスに対する耐性も少しついているのかもしれないが、もしそうなら、大変ありがたいことだ。感染症の問題が仕事に影響が出るようになり、これまでこんなにストレスを感じたことは無いと思って落ち込んだこともあるが、何かの折にふり返ると、気持ちが前向きになっているというケースが増えている。
本当は大変なはずなのに、何故と思うところはあるが、この環境に慣れてきたところあるかもしれない。心身不可分という話を奥田から聞いているので癒しの効果かもという思いもある。今、これまではたまにしかやっていなかった身体を整えるということを改めて考えると、最近はもし通っていなかったらと思うことがある。施術後の心身の爽快感を改めて思い出す時、癒しの効果を感じていたのだった。
だからこそ、美津子と話している中で、1ヵ月の延長があっても、乗り越えられそうな気持が心の中で大きくなっていたのかもしれない。現実問題として売り上げ減となり、苦しい経営を強いられるかもしれないが、好きでやっている居酒屋という仕事をきちんとやり抜こうという気持ちが改めて湧いている自分を感じていた。
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