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緊急事態宣言解除 9
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私と矢島はほぼ同時に店に着いた。
「おはようございます」
矢島が先に挨拶した。私も返したが、その時の表情がこれまでよりも明るいということを矢島は感じていた。
「店長、今朝は何か明るいですね。何か良いことでもありましたか?」
「今朝のニュース、見た?」
私のその言葉で何か気付いたような感じの表情になった。矢島が気付いたことが分かった私は、すかさず話を重ねた。
「そう、多分頭に浮かんだと思うけれど、緊急事態宣言の解除のことだよ。東京はまだ先になるけれど、一部でも解除になり、感染者数が落ち着いてくればやがていつもの日常が戻ってくる。そうなると、売り上げのほうも戻ってくるだろうし、これまでのマイナス分も取り戻せるようになるはずだ。この前みんなで話したことがそこでスタートできる。みんなで話し合ったこと、俺は大変評価しているし、期待している。だから今は、それに向けていろいろ詰めておきたいんだ。あれから具体的な導入について何か考えた?」
突然ではあったが、矢島に訊ねてみた。
「すみません、組み合わせについてはいろいろ考えていたんですが、他のことについては新しいアイデアはありません」
ちょっと申し訳なさそうな表情だったが、先日の話から特別な進展がなかったので仕方ない。
ということで、私の方から一つのアイデアを提案した。
「ランチ企画導入の時は事前の告知はあったものの、いきなり昼間にスタートした。夜とは営業時間が異なるので違和感はなかっただろうし、お客様にも抵抗なく受け入れていただいたように思っている。でも、今度は違う。それまでやっていたことに新しい企画が加わることになる。そして実際、お支払いいただく金額がアップすることになる。ただ、それでも満足に繋がればというところで理解していただければと思っている。そこで考えたんだけど、新企画スタートから1週間、無料で複数のサイドメニューから好きなものを一つ選んでいただく、というのはどうだろう。それによってメインのメニューにプラス1品、しかも好きなものをチョイスできる、ということでランチの質を上げる、という感じになる。よくある小鉢付きという場合、こちらで選ぶことになるし、毎回決まったものになる可能性があるし、そういう店も知っている。でも、それでは飽きが来ると思うし、せっかくメインの料理はお客様の好みで選んでいただいているのに、サイドメニューでその雰囲気を壊して良いのか、といったことを考えたんだ。食事にそれぞれ好みがあるし、味を意識しているこの店にとっては、好きなものを召し上がっていただく、というコンセプトをサイドメニューの場合にも広げる、ということではどうだろうと思っている」
私は先日のミーティングから考えていたことを矢島に問うてみた。この企画は無料というところがポイントの一つになるが、こういうことは原価率とも関係することであり、たとえチーフといってもなかなか踏み込めない領域の一つになる。だからこそオーナーである私からの提案だったわけだが、導入企画としてはサイドメニュー付のイメージ定着に繋がると思われるので、矢島も何の迷いもなく賛意を示した。
ただ、これは今初めて話したことだし、2号店でも同意を得、一緒にやれるようにしなければならない。事前に美津子や中村にも話しておいたほうが良かったかもしれないが、いずれにしても話は前後することになる。
しかし、少なくとも1号店では全く問題はないことが分かったので、夜、美津子にも話した。
「おはようございます」
矢島が先に挨拶した。私も返したが、その時の表情がこれまでよりも明るいということを矢島は感じていた。
「店長、今朝は何か明るいですね。何か良いことでもありましたか?」
「今朝のニュース、見た?」
私のその言葉で何か気付いたような感じの表情になった。矢島が気付いたことが分かった私は、すかさず話を重ねた。
「そう、多分頭に浮かんだと思うけれど、緊急事態宣言の解除のことだよ。東京はまだ先になるけれど、一部でも解除になり、感染者数が落ち着いてくればやがていつもの日常が戻ってくる。そうなると、売り上げのほうも戻ってくるだろうし、これまでのマイナス分も取り戻せるようになるはずだ。この前みんなで話したことがそこでスタートできる。みんなで話し合ったこと、俺は大変評価しているし、期待している。だから今は、それに向けていろいろ詰めておきたいんだ。あれから具体的な導入について何か考えた?」
突然ではあったが、矢島に訊ねてみた。
「すみません、組み合わせについてはいろいろ考えていたんですが、他のことについては新しいアイデアはありません」
ちょっと申し訳なさそうな表情だったが、先日の話から特別な進展がなかったので仕方ない。
ということで、私の方から一つのアイデアを提案した。
「ランチ企画導入の時は事前の告知はあったものの、いきなり昼間にスタートした。夜とは営業時間が異なるので違和感はなかっただろうし、お客様にも抵抗なく受け入れていただいたように思っている。でも、今度は違う。それまでやっていたことに新しい企画が加わることになる。そして実際、お支払いいただく金額がアップすることになる。ただ、それでも満足に繋がればというところで理解していただければと思っている。そこで考えたんだけど、新企画スタートから1週間、無料で複数のサイドメニューから好きなものを一つ選んでいただく、というのはどうだろう。それによってメインのメニューにプラス1品、しかも好きなものをチョイスできる、ということでランチの質を上げる、という感じになる。よくある小鉢付きという場合、こちらで選ぶことになるし、毎回決まったものになる可能性があるし、そういう店も知っている。でも、それでは飽きが来ると思うし、せっかくメインの料理はお客様の好みで選んでいただいているのに、サイドメニューでその雰囲気を壊して良いのか、といったことを考えたんだ。食事にそれぞれ好みがあるし、味を意識しているこの店にとっては、好きなものを召し上がっていただく、というコンセプトをサイドメニューの場合にも広げる、ということではどうだろうと思っている」
私は先日のミーティングから考えていたことを矢島に問うてみた。この企画は無料というところがポイントの一つになるが、こういうことは原価率とも関係することであり、たとえチーフといってもなかなか踏み込めない領域の一つになる。だからこそオーナーである私からの提案だったわけだが、導入企画としてはサイドメニュー付のイメージ定着に繋がると思われるので、矢島も何の迷いもなく賛意を示した。
ただ、これは今初めて話したことだし、2号店でも同意を得、一緒にやれるようにしなければならない。事前に美津子や中村にも話しておいたほうが良かったかもしれないが、いずれにしても話は前後することになる。
しかし、少なくとも1号店では全く問題はないことが分かったので、夜、美津子にも話した。
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