6 / 92
高校入学 6
しおりを挟む
体力測定の次の日、健康診断の日だ。男女別々になるので近くに坂本はいない。
美津子たち3人が近づいてきた。昨日はそういうことはなかったが、この日は私が一人だったから話しかけてきたのだろう。
「さくらさん、あなた坂本君に気があるの?」
「この前、かばってくれたから好きになったかな? でも、あなたみたいなおばさん顔、不釣り合いよ。諦めなさい」
「坂本君、イケメンだし、入試でも成績は上位だったそうじゃない。あなたにはふさわしくないわ」
3人が好き勝手なことを言っている。
「坂本君は私がみんなから笑われていたところを助けてくれた。昨日のことだって親切でタオルを持ってきてくれただけ。それだけよ」
私は3人をしっかり見ていった。坂本のことを気になっていないわけではないが今、好きとかいう感情はない。気持ちの優しい人という認識だけだ。でも、心強い味方のような気持ちになっているのは事実だ。だからここはしっかり言い返すことができた。
「そう、ならば今後親しく話さないことね。きっと坂本君だって本気であなたのことを思って助けたんじゃない。たぶん同情。坂本君があなたに気があるなんてことはないんだから」
私が落ち込むのではなく、言い返したことが気に障ったのか、美津子は先ほどよりも強い口調で言ってきた。他の2人も同調する様な表情になっている。
1対3の口論は不利だ。私が悪いわけではないのに、複数から言われると心が凹む。だんだん反論が少なくなっていった。
その雰囲気を感じた保健の先生が中に入り、口論を止めた。
「あなたたち、何をやっているの。1対3でやり込めようとすること、良くない。何かこの子が悪いことしたの?」
「・・・いいえ。でも、この人、男子に変な色目を使っていたんです。それを注意しただけです」
美津子がそう言った。保健の先生は私のほうを見たが、首を横に振って否定した。
「あなたたちの年頃だと恋愛に興味があるのは分かる。だけどそれは当人同士のこと。周りが何か言うことではないわ。それに今日は健康診断の日。みんながいる前で騒がないこと。良いわね」
保健の先生が中に入ってくれたことで美津子たちは私のそばから離れ、校医の先生のところに行った。先生は資料を見ながら私に言った。
「今、何か身体に不調は感じていませんか? 例えば疲れやすいとか」
「はい、それは中学時代よりは感じています。昨日の体力測定も以前よりも数字が落ちていました」
「そうですか。ちょっと白い髪の毛もあるようですが・・・」
「あぁ、はい。中学3年くらいからちょっと気にはなっていたのですが、勉強で忙しかったし、体調の悪さを感じていたわけではありませんでしたので・・・」
「なるほど。でも、体力が無くなっていることは感じているんですね。では一度、病院で検査をしてもらってください。受験勉強でストレスを感じてのことかもしれませんが、何事もきちんとしたほうが良いですからね。後で保健の先生にお話ししておきますから、お尋ねになってください」
「分かりました。ありがとうございます」
保健の先生が私の味方になってくれたことは嬉しかった。
でも、学校での私への風当たりが気になる。
そんなことを思いながら自宅に戻った。そしてすぐに自分の部屋に入った。そこにはもう家族になったミーちゃんがいた。私は自分の部屋でミーちゃんの世話をしていたのだ。もちろん、私が学校に行っている時は母に頼むこともあるが、私はミーちゃんを妹のような気持ちで育てている。同時に友達であり、時々口もこぼす。この日も学校で天田たちから言われたことをミーちゃんに話していた。
≪日記≫
『今日は健康診断の日。身体に問題は感じていないけれど、私のことを目の敵にしているような言い方をしてきた人たちがいた。
私が坂本君と話していたことが気に入らないようだ。もとはと言えば、その人たちが自己紹介の時に私を笑いものにしようとしたことがきっかけだったはずなのに・・・。
でも、家に帰ればミーちゃんがいる。無邪気な様子を見ていると嫌なことも全部忘れられる。家族に迎えて本当に良かった』
美津子たち3人が近づいてきた。昨日はそういうことはなかったが、この日は私が一人だったから話しかけてきたのだろう。
「さくらさん、あなた坂本君に気があるの?」
「この前、かばってくれたから好きになったかな? でも、あなたみたいなおばさん顔、不釣り合いよ。諦めなさい」
「坂本君、イケメンだし、入試でも成績は上位だったそうじゃない。あなたにはふさわしくないわ」
3人が好き勝手なことを言っている。
「坂本君は私がみんなから笑われていたところを助けてくれた。昨日のことだって親切でタオルを持ってきてくれただけ。それだけよ」
私は3人をしっかり見ていった。坂本のことを気になっていないわけではないが今、好きとかいう感情はない。気持ちの優しい人という認識だけだ。でも、心強い味方のような気持ちになっているのは事実だ。だからここはしっかり言い返すことができた。
「そう、ならば今後親しく話さないことね。きっと坂本君だって本気であなたのことを思って助けたんじゃない。たぶん同情。坂本君があなたに気があるなんてことはないんだから」
私が落ち込むのではなく、言い返したことが気に障ったのか、美津子は先ほどよりも強い口調で言ってきた。他の2人も同調する様な表情になっている。
1対3の口論は不利だ。私が悪いわけではないのに、複数から言われると心が凹む。だんだん反論が少なくなっていった。
その雰囲気を感じた保健の先生が中に入り、口論を止めた。
「あなたたち、何をやっているの。1対3でやり込めようとすること、良くない。何かこの子が悪いことしたの?」
「・・・いいえ。でも、この人、男子に変な色目を使っていたんです。それを注意しただけです」
美津子がそう言った。保健の先生は私のほうを見たが、首を横に振って否定した。
「あなたたちの年頃だと恋愛に興味があるのは分かる。だけどそれは当人同士のこと。周りが何か言うことではないわ。それに今日は健康診断の日。みんながいる前で騒がないこと。良いわね」
保健の先生が中に入ってくれたことで美津子たちは私のそばから離れ、校医の先生のところに行った。先生は資料を見ながら私に言った。
「今、何か身体に不調は感じていませんか? 例えば疲れやすいとか」
「はい、それは中学時代よりは感じています。昨日の体力測定も以前よりも数字が落ちていました」
「そうですか。ちょっと白い髪の毛もあるようですが・・・」
「あぁ、はい。中学3年くらいからちょっと気にはなっていたのですが、勉強で忙しかったし、体調の悪さを感じていたわけではありませんでしたので・・・」
「なるほど。でも、体力が無くなっていることは感じているんですね。では一度、病院で検査をしてもらってください。受験勉強でストレスを感じてのことかもしれませんが、何事もきちんとしたほうが良いですからね。後で保健の先生にお話ししておきますから、お尋ねになってください」
「分かりました。ありがとうございます」
保健の先生が私の味方になってくれたことは嬉しかった。
でも、学校での私への風当たりが気になる。
そんなことを思いながら自宅に戻った。そしてすぐに自分の部屋に入った。そこにはもう家族になったミーちゃんがいた。私は自分の部屋でミーちゃんの世話をしていたのだ。もちろん、私が学校に行っている時は母に頼むこともあるが、私はミーちゃんを妹のような気持ちで育てている。同時に友達であり、時々口もこぼす。この日も学校で天田たちから言われたことをミーちゃんに話していた。
≪日記≫
『今日は健康診断の日。身体に問題は感じていないけれど、私のことを目の敵にしているような言い方をしてきた人たちがいた。
私が坂本君と話していたことが気に入らないようだ。もとはと言えば、その人たちが自己紹介の時に私を笑いものにしようとしたことがきっかけだったはずなのに・・・。
でも、家に帰ればミーちゃんがいる。無邪気な様子を見ていると嫌なことも全部忘れられる。家族に迎えて本当に良かった』
20
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
小さなパン屋の恋物語
あさの紅茶
ライト文芸
住宅地にひっそりと佇む小さなパン屋さん。
毎日美味しいパンを心を込めて焼いている。
一人でお店を切り盛りしてがむしゃらに働いている、そんな毎日に何の疑問も感じていなかった。
いつもの日常。
いつものルーチンワーク。
◆小さなパン屋minamiのオーナー◆
南部琴葉(ナンブコトハ) 25
早瀬設計事務所の御曹司にして若き副社長。
自分の仕事に誇りを持ち、建築士としてもバリバリ働く。
この先もずっと仕事人間なんだろう。
別にそれで構わない。
そんな風に思っていた。
◆早瀬設計事務所 副社長◆
早瀬雄大(ハヤセユウダイ) 27
二人の出会いはたったひとつのパンだった。
**********
作中に出てきます三浦杏奈のスピンオフ【そんな恋もありかなって。】もどうぞよろしくお願い致します。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる