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両親の恋バナ 1
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まさか入院中の身でありながら、親の恋の話が聞けるとは思っていなかった。私は言ってみるものだなと改めて実感した。もしかすると私が入院していなかったら、あるいは坂本のことを話さなかったらこういう展開にならなかったかもしれない。
でも、私が今ここに存在するということは、お父さんとお母さんの恋が実ってのことなのだから、一種のルーツ探しのようなものである。そういう意味では大変興味深い。人の一生はドラマだが、両親の実話であれば感じるレベルが違うであろうことは想像できた。
「じゃあ、どこから話そうか」
「出会いからお願い」
「分かった。私もさくらと同じころから気になる人はいたけれど、あくまでもクラスの中で仲が良かった、という程度ね。だから在学中はいろいろ話したし、クラスの友達同士で遊園地なんかも行った。集団デートね。でも、1対1でデートしたことはなかった。それは大学時代も同じ。だから学生時代には恋人という感じの人はいなかった。でも、私の友達の中には高校時代からお付き合いをして、そのまま結婚したという人もいた」
「うらやましかった?」
「そりゃそうね。私にも恋する乙女時代があったからね。でも私は臆病なところがあり、なかなか1歩を踏み出せなかった。お父さんと出会ったのは社会人になってから。友達が紹介してくれてね。でも、最初はあまり乗り気じゃなかった。学生時代と違い、会ってからの時間が短いわけだからすぐに心を許せるわけじゃない。さくらの場合、学校という場があって坂本君の性格なんかも分かっているでしょう。社会人で出会った場合、そんな時間はないもの。そして年齢的には結婚を意識しなければならないでしょう。親の奨めで見合いの話も来ていたし、そういう現実的なこともあった」
「そうか、私の年齢では見合いのことなんか考えないものね。でも、お父さんと出会った時はそういう感じだったんだ。じゃあ、恋人時代を楽しむといったことはなかったの?」
「ううん、そうでもなかった。お父さんも両親から結婚話を進められていたようだし、その一環で私とも会ったと思うの。もっとも、友達の紹介なので、正式なお見合いという感じではなく、そこではまずお友達から、といったノリだったのかもしれないわね」
「へぇー、意外。今でも一緒に買い物に行くくらいだから、てっきりずっとラブラブだと思ってた」
「さくらにはそう見えていたんだ。話してみるもんだね」
そういうことを話していると、看護師の人が検温にやってきた。
「あら、楽しそうね。何を話していたの?」
「お母さんの恋バナ。なかなか聞けない話を聞いてたんだ」
「私も興味あるわね、お母さんの話。優しいお母さんだから、きっと素敵な恋だったんでしょうね」
「でもまだそこまで聞いていないんだ」
「邪魔してしまったかな。ごめんね」
看護師はそう言いながら私に体温計を渡した。脇の下に挟み、看護師に渡した。
「どう?」
「うん、気にするほどではないけれど昨日よりは少し高いかな。きっとお母さんの恋バナに興奮したんだね。大丈夫だよ」
同室の他の人の体温も確認し、看護師は部屋を出た。
母はお手洗いに行ってくると言って、看護師と一緒に部屋を出た。
看護師に私の様子を話し、主治医と打ち合わせをした内容を確認し、いつきちんと話した方が良いのかを確認したのだ。看護師は先生の判断だからということで回答しなかったが、私の気分が良いであろうことは先ほどの様子から分かったようで、主治医に報告しておくということだった。
でも、私が今ここに存在するということは、お父さんとお母さんの恋が実ってのことなのだから、一種のルーツ探しのようなものである。そういう意味では大変興味深い。人の一生はドラマだが、両親の実話であれば感じるレベルが違うであろうことは想像できた。
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そういうことを話していると、看護師の人が検温にやってきた。
「あら、楽しそうね。何を話していたの?」
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「私も興味あるわね、お母さんの話。優しいお母さんだから、きっと素敵な恋だったんでしょうね」
「でもまだそこまで聞いていないんだ」
「邪魔してしまったかな。ごめんね」
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