龍皇伝説  壱の章 龍の目覚め

藤堂慎人

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稽古再開 7

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「うむ、意味が無ければ怒っているかもしれないな。しかし、わしが昨日見せた時、どういう動きになっていた?」

「1回しか見ていないので正確じゃないかもしれないが、左回りだったように覚えている」

「よく覚えているな。その通りだ。では、さっき説明した天の四神について覚えているか?」

「覚えている。東西南北にそれぞれ神様がいて、青龍、白虎、朱雀、玄武という名前だったよね」

「そうだ。では季節はどういう風に流れる?」

「春を始まりとすると、夏から秋、そして冬になり、また春になるよね」

「その通り。これは毎年の繰り返しだから誰でも知っている。でも、それが方角と重なる、ということは知っているか?」

「知らない」

 颯玄はここで初めてきちんと答えられなかった。当然だ。こういう知識は 東洋の考え方を知らなければ答えられるものではない。

 だが、知らないということが出てきたことで、颯玄の知識欲に火が付いた。

「どういうこと? 教えて」

 今度は颯玄から質問が出た。祖父はそれに答える形で話を進めた。

「うむ、もしかする東西南北と春夏秋冬という言い方をそのまま重ねようとするかもしれないが、重ならない。東は春で良いが、夏は南、秋は西、冬は北となる。季節の特徴と方角が意味するところを考えれば分かるはずだ。春夏秋冬はお前も知っている通り、自然な季節の流れだ。そして、東洋の思想では春夏秋冬を円形に循環させれば春を頂点とした場合、右回りに夏、秋、冬となり、再び春に戻ってくる。そして東洋思想には陰陽論ということがある。これはこの世界の変化の様子を表すが、詳しく説明するとそれだけで今日が終わる。だから、ここでは東は陽の始まりで、西は陰の始まりと理解しなさい。東から西に至る間に南があり、それが陽の極大となる。そして西から東に至る間に北があり、そこは陰の極大だ。四方拝を理解するにはこのような東洋の考え方が基本になる」

 颯玄にとっては難しすぎる説明だった。話としておとなしく聞いていたが、実はあまり頭には入ってこなかった。

 だが、方角と季節の関係や、別に陰陽論というのがあるということぐらいは理解した。

「今、季節の流れは右回り、と言ったよね。でも四方拝は、左回りだったでしょう。何故なの?」

 颯玄としては回り方の相違が気になったのだ。

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