龍皇伝説  壱の章 龍の目覚め

藤堂慎人

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稽古停止、解除 7

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 そこから1週間経った。サキもやっと道場の雰囲気に慣れてきて、最初の頃のぎこちなさは徐々に薄れていった。颯玄は最初の頃、変な雰囲気になって心配していたが、真栄城や城間とも空手についての話であれば気にしないようにしている。もちろん空手の話だけだが、それでもみんなと話すようになったというのは良いことだ。道場内の雰囲気も明るくなっている。

 そのことに祖父も嬉しそうで、新しく入ってきた、しかも初の女性ということもあるのか、これまでよりも丁寧に教えていると感じているのは颯玄だけではなかった。祖父も慣れない女性への指導ということで気を遣っているのかもしれない。

 この日は最初にみんな揃って基本稽古を一通り行なったが、いつもならこことでそれぞれが独自に稽古を行なう。形を稽古する者もいれば約束組手を行なう者、あるいは祖父から教わった形の解釈の復習など様々だ。中には、小屋から畳を出し、地面の上に敷き、投げ技の稽古も行なう。祖父はそれぞれの稽古を見て回り、必要な助言をするという進め具合だ。

 ところがこの日はいつもとは流れが異なった。

 自由組手をやろうということになったのだ。掛け試しと同じ感じで、ということだが、その話にみんなの顔が変わった。ただ、実力は一様ではないので、希望者を募った上で祖父が対戦相手を決める、というカタチで行なうことになり、他の者は見学となる。

 そういう話をした時、最初に組手を希望したのはサキだった。そしてそうなると、対戦を希望する者が次々に手を挙げた。

 サキについての話は全員が知っている。入門のきっかけが颯玄との戦いで負けたからとは知っていても、ここで勝てばもしかすると自分のほうにも振り向いてくれるかも、という期待も含んでいることは表情からも分かる。

 もちろんそういうことはサキも感じている。

 しかし、この1週間、一緒に稽古していて颯玄よりも強そうだと感じたのは外間や真栄田くらいだった。大人で既婚者の2人は他の者のような気持ちはない。ここは大人の対応ということで事の推移を見守っている。

 そんな中、強く戦いたいと訴える者がいた。一緒に帰っている真栄城だった。

 その一所懸命さと、真栄城の実力から祖父はサキとの組手を認めた。

 周囲は颯玄も含め、他の道場生の目が集中している中で始まった。

 両者はきちんと一礼し、構えた。颯玄の道場では変則的な構えをする者はいない。サキもそうなので、特別な違和感はない。

 ただ、真栄城の様子を見ていると、いつもの感じでなく、何となく浮付いているような様子が見える。

 そのことは他の道場生も感じていたようで、「まじめにやれ」といった声も聞こえた。真栄城は「分かっている」といった顔でその声の主のほうを見たが、これで少し心が吹っ切れたようで、顔が真剣になった。

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