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祖父の道場に戻る 3
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次の日、颯玄とサキは祖父の道場で久しぶりの稽古を再開した。他の門弟も集まっている。前日は稽古開始時間の前に帰ったので、みんなとは顔を合わせていない。だから、この日が久しぶりの再開になる。全員、2人が戻ったことを歓迎する言葉で迎えた。颯玄たちも頭を下げ、感謝した。
道場が違えば稽古の様子が違う。とは言っても、半年前まではここで稽古していたわけなので、何の問題もない。
ただ、他の門下生も知念の下でどんな稽古をしてきたかには興味がある。颯玄たちは昨日、祖父の前に披露したのでそれで済んだと思っていたが、他の者はまだ見ていないので気になるのだ。
久しぶりに交わす会話の中にもその気持ちが含まれている様子を感じた2人は、みんなの好奇心に贖うことはできなかったが、見せるとしても久米の許可を得なければという気持ちだった。
上手くはぐらかしながら話しているところに、祖父がやってきた。
「先生、2人の上達ぶりを見たいのですが、宜しいでしょうか?」
古参の門下生の1人、宮里が言った。宮里は以前から颯玄とサキの面倒をよく見ていて、成長ぶりを楽しみにしていたのだ。だから、この言葉には他意はなく、純粋な気持ちからのものだった。
「うむ。わしは昨日、2人の成長ぶりを見せてもらった。だが、みんなはその様子を知らない。これからの稽古のことを考え、今の時点の様子を知ってもらうのも良いだろう。昨日はサキさんが仕掛け、颯玄が対応した。だからわしもサキさんの様子を見てみたい。サキさん、良いかい?」
「はい、もちろんです」
そう返事したサキは宮里と道場になっている庭の中央で対峙した。とは言っても、相手を叩きのめすことまで意識した実戦とは異なる。それでもサキの実力を知っている宮里が相手だ。雰囲気は実戦に近い。2人は中段を意識した構えで対峙した。前日に祖父の前で颯玄と共に学んできた成果を見せた時と同じ感じだ。
この時、宮里はどういう技で仕掛けようかと考えていた。宮里も関節技や投げ技を知らないわけではない。知念のところで教わった実力を試したいということだから、サキの反撃については打突系の技はない。この点は両者とも暗黙の了解になっている。
その上で宮里として考えたのは、稽古で基本になるのは、仕掛け技が突きを中心とした攻撃であることを知っているだけに、あえて蹴りで仕掛けようと思っていた。
宮里は仕掛ける機会を狙ってサキとの間合いを考え、呼吸も読んでいた。いくら技を確認したいという気持でも、中途半端な状態では失礼だ。相手が初心者であれば手加減することになるだろうが、祖父の道場の稽古生は全員サキの実力を知っている。だからこそ、あえていろいろ考え、策を練ったのだ。
宮里の気持ちが固まった。空気感が一気に変わり、周囲に緊張が走った。
「来る」
サキは瞬間的に感じた。その時、宮里が奥足で蹴ってきた。
道場が違えば稽古の様子が違う。とは言っても、半年前まではここで稽古していたわけなので、何の問題もない。
ただ、他の門下生も知念の下でどんな稽古をしてきたかには興味がある。颯玄たちは昨日、祖父の前に披露したのでそれで済んだと思っていたが、他の者はまだ見ていないので気になるのだ。
久しぶりに交わす会話の中にもその気持ちが含まれている様子を感じた2人は、みんなの好奇心に贖うことはできなかったが、見せるとしても久米の許可を得なければという気持ちだった。
上手くはぐらかしながら話しているところに、祖父がやってきた。
「先生、2人の上達ぶりを見たいのですが、宜しいでしょうか?」
古参の門下生の1人、宮里が言った。宮里は以前から颯玄とサキの面倒をよく見ていて、成長ぶりを楽しみにしていたのだ。だから、この言葉には他意はなく、純粋な気持ちからのものだった。
「うむ。わしは昨日、2人の成長ぶりを見せてもらった。だが、みんなはその様子を知らない。これからの稽古のことを考え、今の時点の様子を知ってもらうのも良いだろう。昨日はサキさんが仕掛け、颯玄が対応した。だからわしもサキさんの様子を見てみたい。サキさん、良いかい?」
「はい、もちろんです」
そう返事したサキは宮里と道場になっている庭の中央で対峙した。とは言っても、相手を叩きのめすことまで意識した実戦とは異なる。それでもサキの実力を知っている宮里が相手だ。雰囲気は実戦に近い。2人は中段を意識した構えで対峙した。前日に祖父の前で颯玄と共に学んできた成果を見せた時と同じ感じだ。
この時、宮里はどういう技で仕掛けようかと考えていた。宮里も関節技や投げ技を知らないわけではない。知念のところで教わった実力を試したいということだから、サキの反撃については打突系の技はない。この点は両者とも暗黙の了解になっている。
その上で宮里として考えたのは、稽古で基本になるのは、仕掛け技が突きを中心とした攻撃であることを知っているだけに、あえて蹴りで仕掛けようと思っていた。
宮里は仕掛ける機会を狙ってサキとの間合いを考え、呼吸も読んでいた。いくら技を確認したいという気持でも、中途半端な状態では失礼だ。相手が初心者であれば手加減することになるだろうが、祖父の道場の稽古生は全員サキの実力を知っている。だからこそ、あえていろいろ考え、策を練ったのだ。
宮里の気持ちが固まった。空気感が一気に変わり、周囲に緊張が走った。
「来る」
サキは瞬間的に感じた。その時、宮里が奥足で蹴ってきた。
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