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若返り学園長、初日に絡まれる②
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アマリリスは衣を正すとニコライに向き直る。
「ゴメンナサイねニコライ君、ウチの愚弟が。よーく言っておくので」
「あ、あぁ、どうも」
この親しげな感じにサラが不満げにアマリリスへと詰め寄った。
「ちょっとニコ! どういうことなの!?」
「ど、どうと言われましても……」
「何よ親しげに! コイツ私の店を燃やそうとしたヤツよ!」
指をさされアマリリスは何かに気がついた様子だ。
「あら、貴女もしかして」
「サラ=ホワイトマンよ」
「その節はどうも、アマリリス=アマンダラですわ」
優雅にスカートの裾を摘まんで一礼するアマリリスにサラはカチンときたようだ。
「人の店燃やそうとして「その節」ってどういうことよ!?」
――いや、カチンを通り越して困惑している模様である。
アマリリスは弟を殴った拳をハンケチーフで拭きながら平然としている
「でもご安心なさい、私改心しましてよ。魔法学園の首席卒業待った無し、未来が約束されているこのアマンダラの人間でも勉強しましたわ「平民あなどり難し」と」
そういってニコライの方をじっと見やるアマリリス。
そして彼の手をおもむろにガッと掴んだ。
「というわけで、一緒に世界を制圧しましょう」
「はい……はい?」
あまりにも突飛な展開に経験豊富なニコライもこれには困惑だ。
「貴族の中には平民というだけで下に見る連中が多い、恥ずかしながら私もそうでした。しかし有能な人間が存在すると考えれば他の貴族を出し抜く手つかずの人材宝庫ですわ」
「あ、はぁ」
「つい最近までは貴族偏重の考えは当たり前だと思っていましたが認識を改めました。貴族も平民も関係なく有能な人間が国を支配するべきだと」
「……ほう」
「悲しいことに魔法省に就職した主席の貴族は色々やらかしているようで……このままでは貴族の沽券に関わります、逆に貴族が無能という評判が定着してしまいましたら私のような有能な人間が疎外されてしまいます。ハッキリ言って世界の損失になります」
まるで演説のようなアマリリスの宣言。
生返事を返していたニコライだったが、熱弁を聞くにつれ「貴族と平民の差は無い」と考えを改めた彼女を見直していた。
「いきなり世界制圧は驚いたが、なかなか考えているではないか」
ついニコライの口調で感心してしまう。
その傍らでサラは白い目を向けていた。
「話なっが……ほんと貴族だからって偉そうに……」
「ふむ、どうやら勘違いしているようね。今は貴族だから偉そうに振る舞っているわけではないわ」
胸を張るアマリリスにサラは突っかかってみせた。
「じゃあ何よ」
「先輩だからよ。これで文句はないわですわね、後輩さん」
「うぐ」
これにはぐうの音も出ないサラ。ニコライはつい吹き出してしまう。
「ハハハ、これは一本取られましたね」
「ちょ、ニコ!」
バシンと背中を叩かれるニコライ。その様子をアマリリスは楽しそうに笑っていた。
「ウフフ、貴女も逸材かしら? 仲良くしましょうね」
「ぬぅ、その余裕、いつかへし折っちゃる」
変な対抗意識を燃やしているサラを見て「これは良い傾向だな」とニコライは微笑む。
(切磋琢磨できる間柄、それも貴族と平民で……ふふ、もう少しのんびり学生生活を送ろうとしていたが)
教職員魂に火がついた彼は静かに闘志を燃やすのだった。
「粒ぞろいのメンバーだ、下火になった我が校の評判、何とか取り戻してみせるぞ……覚悟するがいい、バルザック君」
ニコライは意識を失いかけたアモンを介抱しながらバルザック排除、そしてリグループ魔法学園の復活を目指すのだった。
「ゴメンナサイねニコライ君、ウチの愚弟が。よーく言っておくので」
「あ、あぁ、どうも」
この親しげな感じにサラが不満げにアマリリスへと詰め寄った。
「ちょっとニコ! どういうことなの!?」
「ど、どうと言われましても……」
「何よ親しげに! コイツ私の店を燃やそうとしたヤツよ!」
指をさされアマリリスは何かに気がついた様子だ。
「あら、貴女もしかして」
「サラ=ホワイトマンよ」
「その節はどうも、アマリリス=アマンダラですわ」
優雅にスカートの裾を摘まんで一礼するアマリリスにサラはカチンときたようだ。
「人の店燃やそうとして「その節」ってどういうことよ!?」
――いや、カチンを通り越して困惑している模様である。
アマリリスは弟を殴った拳をハンケチーフで拭きながら平然としている
「でもご安心なさい、私改心しましてよ。魔法学園の首席卒業待った無し、未来が約束されているこのアマンダラの人間でも勉強しましたわ「平民あなどり難し」と」
そういってニコライの方をじっと見やるアマリリス。
そして彼の手をおもむろにガッと掴んだ。
「というわけで、一緒に世界を制圧しましょう」
「はい……はい?」
あまりにも突飛な展開に経験豊富なニコライもこれには困惑だ。
「貴族の中には平民というだけで下に見る連中が多い、恥ずかしながら私もそうでした。しかし有能な人間が存在すると考えれば他の貴族を出し抜く手つかずの人材宝庫ですわ」
「あ、はぁ」
「つい最近までは貴族偏重の考えは当たり前だと思っていましたが認識を改めました。貴族も平民も関係なく有能な人間が国を支配するべきだと」
「……ほう」
「悲しいことに魔法省に就職した主席の貴族は色々やらかしているようで……このままでは貴族の沽券に関わります、逆に貴族が無能という評判が定着してしまいましたら私のような有能な人間が疎外されてしまいます。ハッキリ言って世界の損失になります」
まるで演説のようなアマリリスの宣言。
生返事を返していたニコライだったが、熱弁を聞くにつれ「貴族と平民の差は無い」と考えを改めた彼女を見直していた。
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ついニコライの口調で感心してしまう。
その傍らでサラは白い目を向けていた。
「話なっが……ほんと貴族だからって偉そうに……」
「ふむ、どうやら勘違いしているようね。今は貴族だから偉そうに振る舞っているわけではないわ」
胸を張るアマリリスにサラは突っかかってみせた。
「じゃあ何よ」
「先輩だからよ。これで文句はないわですわね、後輩さん」
「うぐ」
これにはぐうの音も出ないサラ。ニコライはつい吹き出してしまう。
「ハハハ、これは一本取られましたね」
「ちょ、ニコ!」
バシンと背中を叩かれるニコライ。その様子をアマリリスは楽しそうに笑っていた。
「ウフフ、貴女も逸材かしら? 仲良くしましょうね」
「ぬぅ、その余裕、いつかへし折っちゃる」
変な対抗意識を燃やしているサラを見て「これは良い傾向だな」とニコライは微笑む。
(切磋琢磨できる間柄、それも貴族と平民で……ふふ、もう少しのんびり学生生活を送ろうとしていたが)
教職員魂に火がついた彼は静かに闘志を燃やすのだった。
「粒ぞろいのメンバーだ、下火になった我が校の評判、何とか取り戻してみせるぞ……覚悟するがいい、バルザック君」
ニコライは意識を失いかけたアモンを介抱しながらバルザック排除、そしてリグループ魔法学園の復活を目指すのだった。
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