悪役令嬢は婚約破棄した相手を一生許さない！！

3

　む、やはりここはやつが一番嫌いそうなもので嫌がらせをするしかないようだ。そうと決まれば早速準備に取り掛かろうではないか。さすがに今日明日に実行できるものではないから準備期間は必要になるだろうが、それでも一刻も早くこの手で復讐をしてやりたい。
「ふぅ」
「お嬢様？いかがいたしました？」
「なんでもありませんわ」
いけないいけない、思わずため息が出てしまったみたいだ。気を付けないとね。それにしてもあの女、一体どこへ行ってしまったのかしら？まさかとは思うけど、もうこの町から出て行ったなんてことはないでしょうね。そんなことになったらまた探し出さなければならないじゃない。せっかく見つけたというのに本当に手間がかかる人ね。
「あ！そうですわ！」
いいことを思いついたぞ。奴が最も苦手としているものを餌にしておびきよせればいいんだ。それなら確実に釣れるはずだ。そしてあわよくばそのまま仕留めてしまえばよいのだ。我ながら素晴らしい作戦だ。よし、これならいけるはずよ。待っていてくださいませお父様、あなたの娘は必ずあなたの仇を取って差し上げますわ。

～ハルが異世界召喚されてから13日目～
私は今王都にある冒険者ギルドに来ている。目的は当然、依頼を受けるためである。
「ん～どれにしようかなぁ……」
私が依頼書を見比べていると後ろから声をかけられた。