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18話
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目の前の穴の存在感に威圧され、全員が黙り込んでいると、カラン、と小石を蹴る音が響いた。
音のした方を見ると、穴をのぞき込む影が見えた。だが、地球にしか見えていないようで、周りの金星達には小石を蹴る音も聞こえなかったようだ。
「キレイだね」
と言う声が聞こえた。だが、この声も地球にしか聞こえてないようだ。聞こえる音に反応する地球を、金星達がまるでどこか異常な人を見るかのような目で見ている。
「なっ」
と言う別の声が響いた。それが冥王星の声だと気付いた地球は、助けないと、と思い、足を踏み出したが、後ろから腕を捕まれた。かなり強い力で。
「……、……」
最初に聞こえてきた声で、何か言われた。なんと言ったのかは分からなかった。だが、言われた意味は分かった。『恨むなら地球を』直接的であれ、間接的であれ、冥王星が消えた理由、それは地球だった。
「……ですか!何をしているのですか!」
月の怒鳴り声に地球はハッと現実に戻った。下を見ると、穴のふちまであと少しの所に自分の足があった。あと少しで落ちるところだった。
地球には何故か他人事だった。あと少しで落ちるところ、つまりあと少しで死ぬところだったのだ。なのに地球にはどうでも良かった。いや、どうでも良いことではなかったのだが、先ほど見た光景と比べれば取るに足らないことだった。
「あっ、下!」
彗星の少しあせった声が響いた。どういうことか、と下を見ると、足下を確認するより先に月に腕を引かれ、後ろ向きに転んだ。
その瞬間、地面から毒々しい赤黒い色のツタが伸びた。皆よけることが出来たようで、捕まらなかった。と思ったところで地面を這ったツタが月の足に絡みついた。
一瞬の動きで抜刀した月がそのツタを切りつけ、自由になったところで飛び退いた。
ツタは、しばらくとらえる物を探すようにうねっていたが、すぐにシュッと地面の中へまた引っ込んだ。
音のした方を見ると、穴をのぞき込む影が見えた。だが、地球にしか見えていないようで、周りの金星達には小石を蹴る音も聞こえなかったようだ。
「キレイだね」
と言う声が聞こえた。だが、この声も地球にしか聞こえてないようだ。聞こえる音に反応する地球を、金星達がまるでどこか異常な人を見るかのような目で見ている。
「なっ」
と言う別の声が響いた。それが冥王星の声だと気付いた地球は、助けないと、と思い、足を踏み出したが、後ろから腕を捕まれた。かなり強い力で。
「……、……」
最初に聞こえてきた声で、何か言われた。なんと言ったのかは分からなかった。だが、言われた意味は分かった。『恨むなら地球を』直接的であれ、間接的であれ、冥王星が消えた理由、それは地球だった。
「……ですか!何をしているのですか!」
月の怒鳴り声に地球はハッと現実に戻った。下を見ると、穴のふちまであと少しの所に自分の足があった。あと少しで落ちるところだった。
地球には何故か他人事だった。あと少しで落ちるところ、つまりあと少しで死ぬところだったのだ。なのに地球にはどうでも良かった。いや、どうでも良いことではなかったのだが、先ほど見た光景と比べれば取るに足らないことだった。
「あっ、下!」
彗星の少しあせった声が響いた。どういうことか、と下を見ると、足下を確認するより先に月に腕を引かれ、後ろ向きに転んだ。
その瞬間、地面から毒々しい赤黒い色のツタが伸びた。皆よけることが出来たようで、捕まらなかった。と思ったところで地面を這ったツタが月の足に絡みついた。
一瞬の動きで抜刀した月がそのツタを切りつけ、自由になったところで飛び退いた。
ツタは、しばらくとらえる物を探すようにうねっていたが、すぐにシュッと地面の中へまた引っ込んだ。
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