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19話
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「ルナ達はあのツタに捕まったのかしら」
赤黒いツタが伸びていた名残である、地面のひび割れを見ながら水星が呟いた。
「でしょうね。闇の属性に従う物でしたから、木星には操れません。それにこれは天王星の光の術程度で相殺できるものでもありません」
パチンと音を立てて刀を鞘に収めた月が、地面に転がっているツタの欠片を見ながら言った。
「ルナさんには相殺出来なかったんですか?確か光の力を持ってましたよね?」
火星が聴くと、月と水星の2人が、何言ってんだこいつ、とでも言いたげな目を火星に向けた。
「ルミナスの力は浄化です。光ではありません」
教師ぶった口調で月が言うと、「分かりました!」と、火星が元気の良い返事を返した。
「そんなことも知らなかったのか?」と、自分も知らなかったことを棚に上げて馬鹿にするのは金星だ。だが、「はい!知りませんでした」と、元気の良く無知を認められ、「そういえば」とつぶやきながら目をそらした。火星に皮肉は通じない。
カラン、と小石を蹴る音がした。地球はまた幻聴が聞こえたと思ったのだが、これは全員に聞こえたようだ。座り込んでいた金星も音の聞こえてきた方を見ている。
全員の視線が集中する中、うつむいてゆっくり歩いて来るのは、亜麻色のフワフワした髪の、そして、肩の周りに様々な色の水晶を浮かべている少年、土星だった。
うつむいていた少年は、ゆっくりとその顔を上げた。その瞳は髪と同じ色だったが、その白いはずの部分は、
毒々しい赤黒い色に染まっていた。
赤黒いツタが伸びていた名残である、地面のひび割れを見ながら水星が呟いた。
「でしょうね。闇の属性に従う物でしたから、木星には操れません。それにこれは天王星の光の術程度で相殺できるものでもありません」
パチンと音を立てて刀を鞘に収めた月が、地面に転がっているツタの欠片を見ながら言った。
「ルナさんには相殺出来なかったんですか?確か光の力を持ってましたよね?」
火星が聴くと、月と水星の2人が、何言ってんだこいつ、とでも言いたげな目を火星に向けた。
「ルミナスの力は浄化です。光ではありません」
教師ぶった口調で月が言うと、「分かりました!」と、火星が元気の良い返事を返した。
「そんなことも知らなかったのか?」と、自分も知らなかったことを棚に上げて馬鹿にするのは金星だ。だが、「はい!知りませんでした」と、元気の良く無知を認められ、「そういえば」とつぶやきながら目をそらした。火星に皮肉は通じない。
カラン、と小石を蹴る音がした。地球はまた幻聴が聞こえたと思ったのだが、これは全員に聞こえたようだ。座り込んでいた金星も音の聞こえてきた方を見ている。
全員の視線が集中する中、うつむいてゆっくり歩いて来るのは、亜麻色のフワフワした髪の、そして、肩の周りに様々な色の水晶を浮かべている少年、土星だった。
うつむいていた少年は、ゆっくりとその顔を上げた。その瞳は髪と同じ色だったが、その白いはずの部分は、
毒々しい赤黒い色に染まっていた。
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