A Man Out Of Time ~時代おくれの男~

酉之家幕乃宮

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A Man Out Of Time

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年齢が20歳離れた彼と私は、文通でやりとりをして、心を交わしていた。2人とも傷付いた心を抱えながらお互いの向上心を育てていた。

2人の共通の話題は英語学習だった。
いつも彼は上から目線で、私に講釈をした。

彼はパソコンも使わなければスマートフォンも使わない自称原始人だった。
私はどんどん新しいテクノロジーの中で生活しているのに、彼は本ばかり読んでいて、
彼の中での最新のテクノロジーは、コンパクトディスク、いわゆるCDだった。

彼は事あるごとに私にプレゼントを送ってくれた。彼の青春時代に流行っていたシティポップスのCDをたくさん贈ってくれた。私はすぐに夢中になって聴き入っていた。

でも、離島に住む彼とは簡単に会えないので、その手を握りたくても、抱き締めたくても、それは夢の中の切なさだった。

それに同じ歩幅で歩こうとしても、彼は80年代に取り残された時代遅れの男でしかなかった。

僕の愛を台無しにするのは罪だよ
でも時代遅れの男を愛してくれると言うのかい?

エルビスコステロの懐かしい歌が心に溢れた。
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