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4. 51回目
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「リオンッ! はぐれたかと思った!」
「ね~! 会えて良かった~」
「ご、ごめーん。うっかり、はぐれちゃった!」
作戦失敗!!
アーサーとルーナちゃんと共に旅に出た俺は食料の買い出しに行くと行って、はぐれたふりをし、予定通りバックれたはずだったのですが、何故か無事に合流できました☆
俺たちが泊まっていた宿がある街から、二山も離れた村にいたのに、出会える奇跡に感動です。
「リオン君って、方向音痴なんだね~。私も方向音痴だから、その気持ちはすごく分かるよ」
「ルーナもとんでもない方向音痴で、もう何十回も迷子になった」
「でも、アーサーがいつも迎えに来てくれたからね! リオン君のことも迎えに行くよ!」
感動の再会を喜ぶ二人の姿を見ると、なんだか胸が痛い⋯⋯。こんなはずじゃ無かったんだけど。
⋯⋯次こそはっ!
◇
「リオンッ! 見つけたぞー」
「こんなとこにいたんだね! 探すの大変だったんだよ~!」
「ご、ごめーん! また、はぐれちゃった!」
うーん? デジャヴ?
なんと、二回目のバックれ作戦も失敗。
今度は、宿から山を四つ越えた村にいたのに、またアーサーとルーナちゃんが奇跡的な運命を持って、迎えに来てくれたよ☆
「リオン、今度は迷子になるなよ~」
「今度、買い出しに行く時は私ついて行くね!」
「ごめん~。ありがとね、ルーナちゃん」
でも、俺は諦めない!
次こそは、バックれたい!
◇
ーーだが、その願いが叶うことは無かった。
毎回毎回、アーサーとルーナちゃんは俺を迎えに来てくれる。なんだか、運命を感じ始めて、次が最後と決めた。この次、バックれ作戦が失敗したら、諦めて二人と旅に出ようと思う。
◇
そして運命の五十一回目のバックれ作戦。
「あ、あれ? 二人とも来なくね?」
なんと、二人が迎えに来ないのだ。いつもだったら、十日以内には来るのに、今回は二週間経っても来ない。
「もしかして、作戦成功!?」
リオンは一人、その場でガッツポーズをした。周りから見たら、かなり怪しい人に見えるだろう。
でも、すぐにリオンはガッツポーズしていた腕を下ろした。やっと、バックれられたはずなのに、心にぽっかりと穴が空いてしまったような気持ちなのだ。いつの間にか、気づかない内にリオンにとって、二人は大切な存在になっていたのだ。
「はぁ、探しに行くか⋯⋯」
あんなに逃げたいと思ってた二人をまさか自分が探しに行くだなんて、ちょっと笑ってしまうけど、後悔はしたくなかった。二人の元気そうな姿を見たら、何も言わずに立ち去ろう。リオンはそう決めた。
リオンは宿のテーブルに地図を広げると、先に水晶がついたペンデュラムを取り出し、唱えた。
「ファントム・オブ・ビヨンド。水晶の迷い子」
ペンデュラムは西の方にあるルノー草原を示した。
「あの辺りは、魔獣が出る⋯⋯」
ルノー草原は魔王の支配領域の近くにあり、魔獣に溢れている。俺が魔法使いだった頃ですら、あまり近付きたくないと思っていた危険な場所だ。
あの二人だけじゃ、危ない。
「急がないと、ヤバいっ!」
今から、普通に向かうのでは間に合わない。
覚悟を決めたリオンは、右の親指の先をナイフで切り、溢れ出た血で足元に魔法陣を描き、静かに唱えた。
「ファントム・オブ・ビヨンド。古より伝わりし扉よ、我が願いを聞き届けよ。開け、神の時空扉」
その瞬間にリオンの姿は消えていった。
◇
目を開けると、そこは草木に囲まれた大草原だった。まだ、明るい時間帯だと言うのに、夕方みたいな暗さだ。
「早く二人を⋯⋯」
膝ほどの高さがある草の中をリオンは急いで進む。
しばらくすると、遠くの方に人影が見え、更に足を早めると、狼のような姿をした魔獣とアーサーが対峙していた。アーサーはかなり傷を負っており、立っているのもやっとだろう。ルーナの方は近くで、血を流して倒れている。意識は無さそうだ。
「アーサー!」
「リオン、こっちに来るな! ルーナを連れて逃げろ!」
アーサーはリオンの方をチラリと見て、すぐに魔獣と睨み合う。
リオンが見るに、あの魔獣はかなり強い。溢れ出る魔力は周りの空気をピリピリさせている。
「ヴッー! ヴァオン!」
「ね~! 会えて良かった~」
「ご、ごめーん。うっかり、はぐれちゃった!」
作戦失敗!!
アーサーとルーナちゃんと共に旅に出た俺は食料の買い出しに行くと行って、はぐれたふりをし、予定通りバックれたはずだったのですが、何故か無事に合流できました☆
俺たちが泊まっていた宿がある街から、二山も離れた村にいたのに、出会える奇跡に感動です。
「リオン君って、方向音痴なんだね~。私も方向音痴だから、その気持ちはすごく分かるよ」
「ルーナもとんでもない方向音痴で、もう何十回も迷子になった」
「でも、アーサーがいつも迎えに来てくれたからね! リオン君のことも迎えに行くよ!」
感動の再会を喜ぶ二人の姿を見ると、なんだか胸が痛い⋯⋯。こんなはずじゃ無かったんだけど。
⋯⋯次こそはっ!
◇
「リオンッ! 見つけたぞー」
「こんなとこにいたんだね! 探すの大変だったんだよ~!」
「ご、ごめーん! また、はぐれちゃった!」
うーん? デジャヴ?
なんと、二回目のバックれ作戦も失敗。
今度は、宿から山を四つ越えた村にいたのに、またアーサーとルーナちゃんが奇跡的な運命を持って、迎えに来てくれたよ☆
「リオン、今度は迷子になるなよ~」
「今度、買い出しに行く時は私ついて行くね!」
「ごめん~。ありがとね、ルーナちゃん」
でも、俺は諦めない!
次こそは、バックれたい!
◇
ーーだが、その願いが叶うことは無かった。
毎回毎回、アーサーとルーナちゃんは俺を迎えに来てくれる。なんだか、運命を感じ始めて、次が最後と決めた。この次、バックれ作戦が失敗したら、諦めて二人と旅に出ようと思う。
◇
そして運命の五十一回目のバックれ作戦。
「あ、あれ? 二人とも来なくね?」
なんと、二人が迎えに来ないのだ。いつもだったら、十日以内には来るのに、今回は二週間経っても来ない。
「もしかして、作戦成功!?」
リオンは一人、その場でガッツポーズをした。周りから見たら、かなり怪しい人に見えるだろう。
でも、すぐにリオンはガッツポーズしていた腕を下ろした。やっと、バックれられたはずなのに、心にぽっかりと穴が空いてしまったような気持ちなのだ。いつの間にか、気づかない内にリオンにとって、二人は大切な存在になっていたのだ。
「はぁ、探しに行くか⋯⋯」
あんなに逃げたいと思ってた二人をまさか自分が探しに行くだなんて、ちょっと笑ってしまうけど、後悔はしたくなかった。二人の元気そうな姿を見たら、何も言わずに立ち去ろう。リオンはそう決めた。
リオンは宿のテーブルに地図を広げると、先に水晶がついたペンデュラムを取り出し、唱えた。
「ファントム・オブ・ビヨンド。水晶の迷い子」
ペンデュラムは西の方にあるルノー草原を示した。
「あの辺りは、魔獣が出る⋯⋯」
ルノー草原は魔王の支配領域の近くにあり、魔獣に溢れている。俺が魔法使いだった頃ですら、あまり近付きたくないと思っていた危険な場所だ。
あの二人だけじゃ、危ない。
「急がないと、ヤバいっ!」
今から、普通に向かうのでは間に合わない。
覚悟を決めたリオンは、右の親指の先をナイフで切り、溢れ出た血で足元に魔法陣を描き、静かに唱えた。
「ファントム・オブ・ビヨンド。古より伝わりし扉よ、我が願いを聞き届けよ。開け、神の時空扉」
その瞬間にリオンの姿は消えていった。
◇
目を開けると、そこは草木に囲まれた大草原だった。まだ、明るい時間帯だと言うのに、夕方みたいな暗さだ。
「早く二人を⋯⋯」
膝ほどの高さがある草の中をリオンは急いで進む。
しばらくすると、遠くの方に人影が見え、更に足を早めると、狼のような姿をした魔獣とアーサーが対峙していた。アーサーはかなり傷を負っており、立っているのもやっとだろう。ルーナの方は近くで、血を流して倒れている。意識は無さそうだ。
「アーサー!」
「リオン、こっちに来るな! ルーナを連れて逃げろ!」
アーサーはリオンの方をチラリと見て、すぐに魔獣と睨み合う。
リオンが見るに、あの魔獣はかなり強い。溢れ出る魔力は周りの空気をピリピリさせている。
「ヴッー! ヴァオン!」
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