Between the Life and the Death

かみつ

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妖艶な微笑み

119番繋がってくれ!

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意識のなくなったスズちゃんを
僕はおんぶして家へ走る。

とりあえず布団に寝かせ、
呼吸を確認し、脈を診る。

生きている。

この家には昔の黒電話がある。

一か八か、119番を回してみるが、
コール音はする。
誰も出ない。

「くそ!」
受話器を置くと、ガチャンと音がした。

僕は危篤状態のスズちゃんを
ただ見ているしかないのか!

「凛ちゃん…?」

振り返る。

スズちゃんが意識を取り戻したんだ。

横に座って、スズちゃんの頬に手をあてる。

冷たい。

「凛ちゃんの手、あったかい。」


「スズちゃん。気分は?大丈夫?」

スズちゃん
「うん、そろそろみたい…。

凛ちゃん、ごめんね…。」


「そろそろってどういうこと?
死んだりしないよね?

スズちゃんいなくなったら
僕は、僕は、…生きていけないよ!」

スズちゃんはまだ妖艶さが抜けないまま
微笑んだ。
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