Between the Life and the Death

かみつ

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何かを僕に伝えようとするスズちゃん

スズちゃんの人生

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スズちゃんが言う。
「凛ちゃん、
人はね、乗り越えられない壁ってないのよ。

乗り越えられなかったら、
壁をぶち壊すの。

それが出来るのは人だけなの。

私は80年生きた。

何度も何度も大切な人を亡くしたよ。

何度も全てを失った。

どんなに悲しかったか。

どんなに寂しく、苦しかったか。

でも、私はそれで良かったと思ってる。

もう私を知ってる人はいないもの。

誰も、私が居なくなっても悲しまない。

私のために苦しむ人を
残して逝きたくなかったの。

入院していた病院の
先生や看護士さんたちには申し訳ないけど、
みんなには温かいものを残したつもり。

だから希望を持って
仕事に励んでくれるといいなと思う。

心残りは凛ちゃんだよ。」

スズちゃんはそこまでゆっくり話すと
少し黙った。
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