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許嫁殿は膝枕がお好き
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その日の夜遅く、樹くんが訪ねてきた。
「夜に悪いと思ったのだが、報告だけでもしておこうと思ってな」
「うん、大丈夫。まだ寝る時間じゃないし」
「樹くん、いらっしゃい。なんだか良く分からないんだけど、ゴタゴタしていたんですって?」
敦子さんは「お紅茶淹れて来るわね」とキッチンへ向かった。
私と樹くんは、リビングのソファに並んで座る。
「で、ごめん、なんで樹くんあそこにいたの?」
「ああ、それだがな……そもそも、あの塾は俺の叔父が経営している会社の、系列の系列なんだ」
「系列の系列ぅ?」
結構遠い気がする。
「それでだな、1週間ほど前のことか。祖母に叔父が訪ねて来てな、一気に退塾者が出た、と。何やらトラブルが起きているようだが様子が掴めない、と、そう部下から相談があったそうなんだ」
ダジャレじゃないぞ、と真剣な顔で言う樹くん。
「そうなんだ」
「うむ……それでな」
渾身のダジャレが流されてしまった。
「その話をたまたま近くで聞いていたんだが、祖母が急に"樹さん、ちょっと解決してらっしゃい"とのたまったわけだ」
(……乗り気ではなかったのね)
しかし、小学生にそんなトラブルを任そうとは。
(なんでだろ?)
「あは"剃刀静子"らしいわね」
紅茶を持った敦子さんが、快活に笑う。
「カミソリ?」
「静子さんはね、若い頃そう呼ばれてたのよ。早くにご主人亡くされてから、男社会で、細腕一本でいくつも会社切り盛りして。切れ者で冷徹だって、いつのまにかそう呼ばれてたの。剃刀静子。古い言い方だけどね」
「へぇ~」
どちらかというと、暖かい雰囲気で、いかにもお金持ちの奥様然とした今の静子さんからはあまり想像できない姿だった。
「静子さん、そろそろ"樹さんにも社会経験積ませて行かなきゃね~"と仰ってたから」
「たまたま上手くいったから良かったものの」
樹くんは眉をしかめた。
「どうにもならなかったら、どうするつもりだったんですかね、あのバアさんは」
「貴方ならどうにかする、と考えてたんでしょ。ま、二の手三の手は打ってたでしょう、あの人なら」
敦子さんの言葉に、うっと黙り込む樹くん。
「さ、お紅茶でも飲んで」
ローテーブル向かいのソファに座る敦子さん。
「いただきます」
2人揃って、暖かい紅茶に口をつける。
「あ、おいしい。イチゴジャム」
イチゴジャムが入った、甘い紅茶だった。茶葉は相変わらず、良く分からない。
「ローカフェインのお紅茶よ。もうすぐ子供は寝る時間だからね」
微笑む敦子さん。
「ところで華、なぜ華はあそこに?」
「ええとね」
私はかいつまんで状況を説明した。
「なるほどな」
「……あの子、松影ルナはどうなったの?」
「とりあえず退塾処分、らしい。俺が決めたんじゃないぞ、俺にはなんの権限もないからな。単なるトラブルシューターだ」
「お疲れさまでした」
「うむ……しかし、すごい女だった」
「……うん」
ルナの、あの目を思い出して、少し身がすくむ。
「将来は稀代の詐欺師か、エセ宗教家といったところか」
「は?」
「ポイントは、罪悪感と肯定感と、それから集団心理、といったところか」
「……どういうこと?」
樹くんは、紅茶を一口飲んだ後、続けた。
「まず松影ルナは、入塾初日にあのクラスの中心格の男子に近づいたんだ。ペンを貸すか何かしたらしいんだが……この男子はペンを壊してしまったらしいんだな」
「……それって」
「十中八九、壊れるように細工していたんだと思う。それで、まぁその男子の証言によると"いいよいいよ、という悲しそうな笑顔に、どうしようもなくなった"のだそうだ」
「はぁ」
「それで、すぐに休み時間にコンビニで新しいものを買って返したらしい。すると"ものすごく喜んでくれて、こんなに優しくしてもらえたの初めて"と」
(出たっ、初めて系女子っ! こんなに美味しいご飯初めて、こんなに綺麗な夜景初めて、こんなに楽しい男の人初めて)
前世の怨念が溢れ出しそうになるのを、ぐっと堪え、話の続きを聞く。
「とまぁ、アレは見目だけは麗しいからな、その男子もコロッといってしまったんだろう。あとはなし崩し的に、その周りの男子も味方につけていって……その過程で、女子に嫌がらせをされている、という妄言が出てきた訳だが」
「でも、なんで男子は女子のことが信じられなかったんだろう? 中には付き合ってたカップルもいたんだよ」
「……それがな、またあの女の恐ろしいところだ。どうやら、お互いがお互いを見張るように誘導していたらしい」
「え?」
「つまり、あの取り巻きたちはルナを中心に団結しているようでいて、実際はお互いを見張りあってた訳だ」
「どういうこと?」
「つまり、集団心理というかな。ひとりが、少しでもルナに対して穿った見方をすれば、ほかのメンバーに責められる、そういう雰囲気を作り出していっていたんだ」
「……うわぁ」
(じゃあ、心の中ではルナをどう思っていようと、少なくとも態度には出せない、ルナをチヤホヤするしかない、そういう状況だった訳だ)
ルナの言う"運命的に愛される"力、というものが果たして本当にあるのかどうかは分からないが、しかしルナは人工的にその状況を作り出すことには成功していた、ということか。
(それで"実験は上手くいった"と……そういうわけね)
しかし、本当にえげつないと思う。
(もし、またルナが動いて、私の周りの誰かを傷つけようとするなら……、私は絶対にそんなことを許さない)
私は、何度でも、ルナの前に立ちはだかるーーそう、心に誓った。
「まぁそれで、俺はクラスの雰囲気が変わったという1ヶ月前に目をつけ、ちょうどその頃入塾した松影ルナを調査してだな、ふあ」
私は目を疑った。
(い、樹くんがあくび!?)
初めて見た。
「すまん、ここ一週間ほとんど寝ていないんだ」
「え、ほんと、大丈夫!?」
私は慌てて樹くんの顔を見る。
まだ若いので薄いが、しかし確かにある目の下のクマ。
「ご、ごめん、気がつかなかった。そんなに疲れていたんだね」
「いや、大丈夫だ。ただ」
樹くんは、ころん、とそのままソファに横になった。
私の太ももを枕にして。
「すこし、眠らせて欲しい」
「う、うん」
私の返事を聞くか聞かないか、で樹くんは寝息を立て始めた。
「よっぽど、疲れていたんだね」
私は微笑んで、樹くんの髪を撫でた。
「お疲れさま」
「げふん」
敦子さんの咳払いだった。
「どうしたの、敦子さん、風邪?」
「違うわよ、まぁ見せつけてくれちゃって。あたしがいるの忘れてない?」
「???」
「まぁいいわ、静子さんに連絡して、樹くんは泊まってもらいましょう。あたし、樹くんとこの運転手さんに帰るよう伝えてくるわ」
そう言って、敦子さんはリビングを出ていってしまった。
「へんなの」
そうひとりごちて、私は気持ちよさそうに眠る、樹くんの髪をもういちど、撫でる。可愛らしい寝顔。
「こうして見ると、本当にまだ小学生って感じなのにな」
普段、しっかりしているので忘れそうになるけれど。
(たまには、こうやって甘えてくれていいんだよ、これでも私、中身はアラサーなんだから)
全然、しっかりしてないけど。
そんなことを考えている内に、太ももにある、暖かな体温に、私まで眠くなってきてしまう。
(あー、寝ちゃう)
うつらうつらしながら、私は思う。
(樹くんが、良い夢をみられますように)
「夜に悪いと思ったのだが、報告だけでもしておこうと思ってな」
「うん、大丈夫。まだ寝る時間じゃないし」
「樹くん、いらっしゃい。なんだか良く分からないんだけど、ゴタゴタしていたんですって?」
敦子さんは「お紅茶淹れて来るわね」とキッチンへ向かった。
私と樹くんは、リビングのソファに並んで座る。
「で、ごめん、なんで樹くんあそこにいたの?」
「ああ、それだがな……そもそも、あの塾は俺の叔父が経営している会社の、系列の系列なんだ」
「系列の系列ぅ?」
結構遠い気がする。
「それでだな、1週間ほど前のことか。祖母に叔父が訪ねて来てな、一気に退塾者が出た、と。何やらトラブルが起きているようだが様子が掴めない、と、そう部下から相談があったそうなんだ」
ダジャレじゃないぞ、と真剣な顔で言う樹くん。
「そうなんだ」
「うむ……それでな」
渾身のダジャレが流されてしまった。
「その話をたまたま近くで聞いていたんだが、祖母が急に"樹さん、ちょっと解決してらっしゃい"とのたまったわけだ」
(……乗り気ではなかったのね)
しかし、小学生にそんなトラブルを任そうとは。
(なんでだろ?)
「あは"剃刀静子"らしいわね」
紅茶を持った敦子さんが、快活に笑う。
「カミソリ?」
「静子さんはね、若い頃そう呼ばれてたのよ。早くにご主人亡くされてから、男社会で、細腕一本でいくつも会社切り盛りして。切れ者で冷徹だって、いつのまにかそう呼ばれてたの。剃刀静子。古い言い方だけどね」
「へぇ~」
どちらかというと、暖かい雰囲気で、いかにもお金持ちの奥様然とした今の静子さんからはあまり想像できない姿だった。
「静子さん、そろそろ"樹さんにも社会経験積ませて行かなきゃね~"と仰ってたから」
「たまたま上手くいったから良かったものの」
樹くんは眉をしかめた。
「どうにもならなかったら、どうするつもりだったんですかね、あのバアさんは」
「貴方ならどうにかする、と考えてたんでしょ。ま、二の手三の手は打ってたでしょう、あの人なら」
敦子さんの言葉に、うっと黙り込む樹くん。
「さ、お紅茶でも飲んで」
ローテーブル向かいのソファに座る敦子さん。
「いただきます」
2人揃って、暖かい紅茶に口をつける。
「あ、おいしい。イチゴジャム」
イチゴジャムが入った、甘い紅茶だった。茶葉は相変わらず、良く分からない。
「ローカフェインのお紅茶よ。もうすぐ子供は寝る時間だからね」
微笑む敦子さん。
「ところで華、なぜ華はあそこに?」
「ええとね」
私はかいつまんで状況を説明した。
「なるほどな」
「……あの子、松影ルナはどうなったの?」
「とりあえず退塾処分、らしい。俺が決めたんじゃないぞ、俺にはなんの権限もないからな。単なるトラブルシューターだ」
「お疲れさまでした」
「うむ……しかし、すごい女だった」
「……うん」
ルナの、あの目を思い出して、少し身がすくむ。
「将来は稀代の詐欺師か、エセ宗教家といったところか」
「は?」
「ポイントは、罪悪感と肯定感と、それから集団心理、といったところか」
「……どういうこと?」
樹くんは、紅茶を一口飲んだ後、続けた。
「まず松影ルナは、入塾初日にあのクラスの中心格の男子に近づいたんだ。ペンを貸すか何かしたらしいんだが……この男子はペンを壊してしまったらしいんだな」
「……それって」
「十中八九、壊れるように細工していたんだと思う。それで、まぁその男子の証言によると"いいよいいよ、という悲しそうな笑顔に、どうしようもなくなった"のだそうだ」
「はぁ」
「それで、すぐに休み時間にコンビニで新しいものを買って返したらしい。すると"ものすごく喜んでくれて、こんなに優しくしてもらえたの初めて"と」
(出たっ、初めて系女子っ! こんなに美味しいご飯初めて、こんなに綺麗な夜景初めて、こんなに楽しい男の人初めて)
前世の怨念が溢れ出しそうになるのを、ぐっと堪え、話の続きを聞く。
「とまぁ、アレは見目だけは麗しいからな、その男子もコロッといってしまったんだろう。あとはなし崩し的に、その周りの男子も味方につけていって……その過程で、女子に嫌がらせをされている、という妄言が出てきた訳だが」
「でも、なんで男子は女子のことが信じられなかったんだろう? 中には付き合ってたカップルもいたんだよ」
「……それがな、またあの女の恐ろしいところだ。どうやら、お互いがお互いを見張るように誘導していたらしい」
「え?」
「つまり、あの取り巻きたちはルナを中心に団結しているようでいて、実際はお互いを見張りあってた訳だ」
「どういうこと?」
「つまり、集団心理というかな。ひとりが、少しでもルナに対して穿った見方をすれば、ほかのメンバーに責められる、そういう雰囲気を作り出していっていたんだ」
「……うわぁ」
(じゃあ、心の中ではルナをどう思っていようと、少なくとも態度には出せない、ルナをチヤホヤするしかない、そういう状況だった訳だ)
ルナの言う"運命的に愛される"力、というものが果たして本当にあるのかどうかは分からないが、しかしルナは人工的にその状況を作り出すことには成功していた、ということか。
(それで"実験は上手くいった"と……そういうわけね)
しかし、本当にえげつないと思う。
(もし、またルナが動いて、私の周りの誰かを傷つけようとするなら……、私は絶対にそんなことを許さない)
私は、何度でも、ルナの前に立ちはだかるーーそう、心に誓った。
「まぁそれで、俺はクラスの雰囲気が変わったという1ヶ月前に目をつけ、ちょうどその頃入塾した松影ルナを調査してだな、ふあ」
私は目を疑った。
(い、樹くんがあくび!?)
初めて見た。
「すまん、ここ一週間ほとんど寝ていないんだ」
「え、ほんと、大丈夫!?」
私は慌てて樹くんの顔を見る。
まだ若いので薄いが、しかし確かにある目の下のクマ。
「ご、ごめん、気がつかなかった。そんなに疲れていたんだね」
「いや、大丈夫だ。ただ」
樹くんは、ころん、とそのままソファに横になった。
私の太ももを枕にして。
「すこし、眠らせて欲しい」
「う、うん」
私の返事を聞くか聞かないか、で樹くんは寝息を立て始めた。
「よっぽど、疲れていたんだね」
私は微笑んで、樹くんの髪を撫でた。
「お疲れさま」
「げふん」
敦子さんの咳払いだった。
「どうしたの、敦子さん、風邪?」
「違うわよ、まぁ見せつけてくれちゃって。あたしがいるの忘れてない?」
「???」
「まぁいいわ、静子さんに連絡して、樹くんは泊まってもらいましょう。あたし、樹くんとこの運転手さんに帰るよう伝えてくるわ」
そう言って、敦子さんはリビングを出ていってしまった。
「へんなの」
そうひとりごちて、私は気持ちよさそうに眠る、樹くんの髪をもういちど、撫でる。可愛らしい寝顔。
「こうして見ると、本当にまだ小学生って感じなのにな」
普段、しっかりしているので忘れそうになるけれど。
(たまには、こうやって甘えてくれていいんだよ、これでも私、中身はアラサーなんだから)
全然、しっかりしてないけど。
そんなことを考えている内に、太ももにある、暖かな体温に、私まで眠くなってきてしまう。
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