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分岐・鹿王院樹
拗ねる許婚(side樹)
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優勝して、さすがに翌日は休みになった。夜まで友人の家で騒いだせいで、まだ少し眠い午前9時頃、遅めの朝食を食べていると祖母が苦笑いしながら俺に言った。
「あなた、華ちゃんに何したの」
「……は?」
「昨日あなたの試合観に行って、帰ってきてから部屋から出てこないそうよ。食事も食べずに」
「は!?」
俺は箸を落とした。
「華が、食事も?」
「華ちゃんが、食事も」
俺の中で不安が急速に大きくなる。
(何があった?)
もしかして、応援の生徒たちのバスに、無理矢理乗せたのがマズかったか? あそこで何か嫌なことでもあったのだろうか?
「……とりあえず、あなた行って来なさい」
祖母の言葉にすぐ立ち上がる。無論、最初からそのつもりだった。
華の家に着くと、お手伝いの八重子さんが苦笑いしていた。
「鍵までは閉まってないんだけど、敦子が何言っても出てこなくて、圭くんの泣き落としでもダメだったの」
「圭の?」
それはかなり、いや非常に、深刻なのではないだろうか。華は圭を異常に可愛がっているので、圭のお願いは大抵何でも聞くのだが。
「圭は?」
「イツキ来るならシャーナシで譲ったげる、と言って部活に」
「しゃーなし」
どこでそんな日本語を覚えてくるんだろうか、あいつは。
八重子さんがリビングに消え、俺はとりあえず華の部屋のドアをノックする。
「華」
部屋の中で何か物音がしたが、返事はない。
「華?」
「……、帰って」
掠れた声。
「何があった?」
返答は無し。
「それだけでも教えてくれないか」
やはり、無言。
俺は眉を寄せた。気がつくとドアを開けていた。怒られようと構わん。やや乱暴にドアを閉める。
華はベッドにいた。俺の顔を見て布団に潜り込む。
「乙女の部屋に! 勝手に入ってくるなんて!」
「……乙女」
華が自分をそう形容するのを初めて聞いたせいで、ちょっと面白くなる。
ベッドサイドに座り込み、布団越しに華に触れた。
「何かされたのか」
「……」
布団の中で、ぴくりと華が動いた。
「……、何があった」
知らず、声が低くなる。
「誰に、何をされた?」
「……樹くんが黙ってた」
返ってきた返答に、俺は一瞬ぽかんとする。俺?
(俺が、何を?)
必死で考える。まさか華がこうなっている理由が自分だと思わなかった。しかも、「黙っていた」から怒っている。布団から出てこないくらいに。食事も摂らないくらいに。
「……すまない」
自分でも、情けない声が出たと思う。
「教えてくれ、華。言ってもらわなくては分からない」
「留学」
華のつっけんどんな声。その声は涙で滲んでいた。
「そんな大事なこと、なんで言ってくれなかったの」
「留学」
俺は思わず繰り返す。そのことか!
(昨日誰かから聞いたのか?)
思わず動きを止めた俺に、華は言う。
「そりゃ、私、ただのお飾りの許婚、かもしれない、けどっ、り、留学とかっ、そういうことは言って欲しかったっ」
泣きながら、彼女は言う。
俺は申し訳なさと、切なさと、そして何より……泣いている華には本当に申し訳ないのだが、嬉しくて仕方ない。
華が、そんな風に俺のことで泣いてくれるのが、嬉しくて仕方ない。自分でも人間的にどうかとは思う。
夏の薄い布団越しに、上半身だけで華を抱きしめる。
「華?」
自分でも驚くほど甘い声が出た。友人達が聞いたら卒倒するかもしれない。
「……ん」
華が布団越しにもぞりと動くのが分かった。
「まだ本決まりじゃないんだ、小学校の頃に練習に参加したクラブチームから、短期留学プログラムに参加しないか、と打診があっただけで」
短期とはいえ、世界的なクラブの正式なプログラム。かなりの狭き門で、まだ決定ではない。名前を挙げてもらっているだけだ。
「……短期?」
「2週間だ」
ふと、華から力が抜けた。
「も、もう、なかなか会えなくなるんじゃないかって、さみしく、て」
くぐもった声で言って、安心したように泣き出す。素直に愛しいと思うし、心配させたことを申し訳なく思う。
「すまない、次からは最初に華に話そう」
「……しぶしぶなら、いい」
まだ少し拗ねている。俺は笑う。
「華を不安にさせたくないからだ。俺の意思だ」
「じゃあ、うん……そうして、もらう」
落ち着き始めた華を布団越しにもう一度ぎゅうっと抱きしめて、そこで俺ははたと気づく。
(これは、……マズいな)
何がマズいって、色々マズい。
離れようとすると、布団の隙間から華の手が少し出て、俺の服をつかむ。
「樹くん?」
可愛い声で呼ぶから。
(……華が悪い)
これは誰に聞いても俺のせいじゃないと言うのではないか、と無理矢理自己を正当化した時ーードアが勢いよく開く。
「落ち着いた?」
「八重子さん」
華が布団から顔を出す。髪はぼさぼさだし、目が少し腫れている。それすらも可愛らしいと思う。
「うん」
申し訳なさそうな声で言うと、八重子さんは笑った。
「じゃあご飯にしましょう。早めのお昼ご飯。着替えておいで。あ、そうだ、樹くんちょっと手伝って」
「? はい」
そう言われて、八重子さんに続いて部屋を出る。ぱたりとドアが閉まって、八重子さんはニヤリと笑った。
「敦子から伝言」
「はい」
「キスまでは許す」
「……は!?」
「以上でーす。ついでに食器並べて」
いたずらっぽく八重子さんは言ってさっさとリビングにはいる。
(釘をさされてしまった……いやそんな、そんなつもりでは)
頭の中で言い訳するが、それを聞いてくれる人はここにいない。
はぁ、とため息をついて廊下に座り込む。
(まだまだ子供だ、俺は)
ブラックコーヒーも飲めないし、大人は行動を先回りして釘を刺してくる。
少しだけ落ち込んでいると、華の部屋のドアが少しだけ開いた。
「ごめん、樹くん、八重子さん呼んでくれる……?」
少し心細そうな声。
「? どうした」
「えーと、大丈夫なので、とりあえず八重子さん」
言われた通りに呼ぶと、八重子さんは部屋の入り口で二言三言会話した後、「あらあら」と笑いながら部屋に入っていってしまった。
手持ち無沙汰になって、食器を並べる。まだ2人は来ない。キッチンで途中まで準備されていた緑茶を淹れることにした。
淹れ終わったころに、2人はリビングに入ってきた。八重子さんはなんだかニコニコしていて、華は少しバツの悪そうな顔をしていた。
「あら、お茶淹れてくれたの~」
「見様見真似ですが」
「いーのいーの、こんなの味と色がついてりゃそれで。この家でこだわるの敦子くらいよ」
八重子さんはそう言って笑う。
「そうだ樹くん晩御飯食べていく? お赤飯炊かなきゃで」
「やっえっこさんっ」
華が本気でムッとした顔をする。珍しい。
「はいはいごめんなさい、ほらデザート、メロンクリームソーダにするから許して」
華はむう、と考えて「それならいい」と答えた。
「? どうした?」
「なんっでもない、ご飯食べよっ」
華はさっさとテーブルについてしまう。俺も首を傾げながら横に座って、手を合わせる。いただきます。
華はよく食べた。いつもより。それはそうだ、食べるのが何より好きなくせにハンガーストライキなんかするから。そうさせたのは俺の浅慮のせいなのだが。
幸せそうに食べるので、俺まで幸せになる。
食後、庭の日陰に椅子を出して、タライに水をはって足だけつけた。
「はーい、お待たせ」
「ありがとうっ」
サクランボが乗ったバニラアイスが浮かぶ、メロンクリームソーダ。華の好きな食べ物……いや、飲み物だろうか?
「美味しいよねぇ、これに乗ってるサクランボはやっぱり缶詰がいいの」
「そういうものか」
「分かってないなぁ~」
華はやっぱり幸せそうに食べる。
さっきの、辛そうな華を思い返して苦しくなる。あの瞬間には、たしかに嬉しくもあったが、……もう、あんな思いはさせてはいけない。させたくない。
「そういえば、何かお祝い事でもあったのか?」
「え?」
「赤飯がどうのと」
ばしゃり! と水が飛んできた。華が足でタライの水を俺にかけてきたのだ。
「デリカシー!」
「え、いや、すまん、話が見えん」
「もー! 秘密!」
華は口を尖らせて俺を睨む。でもすぐにふっと笑う。華には笑顔が似合うと思う。俺はそれを見て幸せな気持ちになるし、華もまたそうであって欲しいと思う。心から思う。
「あなた、華ちゃんに何したの」
「……は?」
「昨日あなたの試合観に行って、帰ってきてから部屋から出てこないそうよ。食事も食べずに」
「は!?」
俺は箸を落とした。
「華が、食事も?」
「華ちゃんが、食事も」
俺の中で不安が急速に大きくなる。
(何があった?)
もしかして、応援の生徒たちのバスに、無理矢理乗せたのがマズかったか? あそこで何か嫌なことでもあったのだろうか?
「……とりあえず、あなた行って来なさい」
祖母の言葉にすぐ立ち上がる。無論、最初からそのつもりだった。
華の家に着くと、お手伝いの八重子さんが苦笑いしていた。
「鍵までは閉まってないんだけど、敦子が何言っても出てこなくて、圭くんの泣き落としでもダメだったの」
「圭の?」
それはかなり、いや非常に、深刻なのではないだろうか。華は圭を異常に可愛がっているので、圭のお願いは大抵何でも聞くのだが。
「圭は?」
「イツキ来るならシャーナシで譲ったげる、と言って部活に」
「しゃーなし」
どこでそんな日本語を覚えてくるんだろうか、あいつは。
八重子さんがリビングに消え、俺はとりあえず華の部屋のドアをノックする。
「華」
部屋の中で何か物音がしたが、返事はない。
「華?」
「……、帰って」
掠れた声。
「何があった?」
返答は無し。
「それだけでも教えてくれないか」
やはり、無言。
俺は眉を寄せた。気がつくとドアを開けていた。怒られようと構わん。やや乱暴にドアを閉める。
華はベッドにいた。俺の顔を見て布団に潜り込む。
「乙女の部屋に! 勝手に入ってくるなんて!」
「……乙女」
華が自分をそう形容するのを初めて聞いたせいで、ちょっと面白くなる。
ベッドサイドに座り込み、布団越しに華に触れた。
「何かされたのか」
「……」
布団の中で、ぴくりと華が動いた。
「……、何があった」
知らず、声が低くなる。
「誰に、何をされた?」
「……樹くんが黙ってた」
返ってきた返答に、俺は一瞬ぽかんとする。俺?
(俺が、何を?)
必死で考える。まさか華がこうなっている理由が自分だと思わなかった。しかも、「黙っていた」から怒っている。布団から出てこないくらいに。食事も摂らないくらいに。
「……すまない」
自分でも、情けない声が出たと思う。
「教えてくれ、華。言ってもらわなくては分からない」
「留学」
華のつっけんどんな声。その声は涙で滲んでいた。
「そんな大事なこと、なんで言ってくれなかったの」
「留学」
俺は思わず繰り返す。そのことか!
(昨日誰かから聞いたのか?)
思わず動きを止めた俺に、華は言う。
「そりゃ、私、ただのお飾りの許婚、かもしれない、けどっ、り、留学とかっ、そういうことは言って欲しかったっ」
泣きながら、彼女は言う。
俺は申し訳なさと、切なさと、そして何より……泣いている華には本当に申し訳ないのだが、嬉しくて仕方ない。
華が、そんな風に俺のことで泣いてくれるのが、嬉しくて仕方ない。自分でも人間的にどうかとは思う。
夏の薄い布団越しに、上半身だけで華を抱きしめる。
「華?」
自分でも驚くほど甘い声が出た。友人達が聞いたら卒倒するかもしれない。
「……ん」
華が布団越しにもぞりと動くのが分かった。
「まだ本決まりじゃないんだ、小学校の頃に練習に参加したクラブチームから、短期留学プログラムに参加しないか、と打診があっただけで」
短期とはいえ、世界的なクラブの正式なプログラム。かなりの狭き門で、まだ決定ではない。名前を挙げてもらっているだけだ。
「……短期?」
「2週間だ」
ふと、華から力が抜けた。
「も、もう、なかなか会えなくなるんじゃないかって、さみしく、て」
くぐもった声で言って、安心したように泣き出す。素直に愛しいと思うし、心配させたことを申し訳なく思う。
「すまない、次からは最初に華に話そう」
「……しぶしぶなら、いい」
まだ少し拗ねている。俺は笑う。
「華を不安にさせたくないからだ。俺の意思だ」
「じゃあ、うん……そうして、もらう」
落ち着き始めた華を布団越しにもう一度ぎゅうっと抱きしめて、そこで俺ははたと気づく。
(これは、……マズいな)
何がマズいって、色々マズい。
離れようとすると、布団の隙間から華の手が少し出て、俺の服をつかむ。
「樹くん?」
可愛い声で呼ぶから。
(……華が悪い)
これは誰に聞いても俺のせいじゃないと言うのではないか、と無理矢理自己を正当化した時ーードアが勢いよく開く。
「落ち着いた?」
「八重子さん」
華が布団から顔を出す。髪はぼさぼさだし、目が少し腫れている。それすらも可愛らしいと思う。
「うん」
申し訳なさそうな声で言うと、八重子さんは笑った。
「じゃあご飯にしましょう。早めのお昼ご飯。着替えておいで。あ、そうだ、樹くんちょっと手伝って」
「? はい」
そう言われて、八重子さんに続いて部屋を出る。ぱたりとドアが閉まって、八重子さんはニヤリと笑った。
「敦子から伝言」
「はい」
「キスまでは許す」
「……は!?」
「以上でーす。ついでに食器並べて」
いたずらっぽく八重子さんは言ってさっさとリビングにはいる。
(釘をさされてしまった……いやそんな、そんなつもりでは)
頭の中で言い訳するが、それを聞いてくれる人はここにいない。
はぁ、とため息をついて廊下に座り込む。
(まだまだ子供だ、俺は)
ブラックコーヒーも飲めないし、大人は行動を先回りして釘を刺してくる。
少しだけ落ち込んでいると、華の部屋のドアが少しだけ開いた。
「ごめん、樹くん、八重子さん呼んでくれる……?」
少し心細そうな声。
「? どうした」
「えーと、大丈夫なので、とりあえず八重子さん」
言われた通りに呼ぶと、八重子さんは部屋の入り口で二言三言会話した後、「あらあら」と笑いながら部屋に入っていってしまった。
手持ち無沙汰になって、食器を並べる。まだ2人は来ない。キッチンで途中まで準備されていた緑茶を淹れることにした。
淹れ終わったころに、2人はリビングに入ってきた。八重子さんはなんだかニコニコしていて、華は少しバツの悪そうな顔をしていた。
「あら、お茶淹れてくれたの~」
「見様見真似ですが」
「いーのいーの、こんなの味と色がついてりゃそれで。この家でこだわるの敦子くらいよ」
八重子さんはそう言って笑う。
「そうだ樹くん晩御飯食べていく? お赤飯炊かなきゃで」
「やっえっこさんっ」
華が本気でムッとした顔をする。珍しい。
「はいはいごめんなさい、ほらデザート、メロンクリームソーダにするから許して」
華はむう、と考えて「それならいい」と答えた。
「? どうした?」
「なんっでもない、ご飯食べよっ」
華はさっさとテーブルについてしまう。俺も首を傾げながら横に座って、手を合わせる。いただきます。
華はよく食べた。いつもより。それはそうだ、食べるのが何より好きなくせにハンガーストライキなんかするから。そうさせたのは俺の浅慮のせいなのだが。
幸せそうに食べるので、俺まで幸せになる。
食後、庭の日陰に椅子を出して、タライに水をはって足だけつけた。
「はーい、お待たせ」
「ありがとうっ」
サクランボが乗ったバニラアイスが浮かぶ、メロンクリームソーダ。華の好きな食べ物……いや、飲み物だろうか?
「美味しいよねぇ、これに乗ってるサクランボはやっぱり缶詰がいいの」
「そういうものか」
「分かってないなぁ~」
華はやっぱり幸せそうに食べる。
さっきの、辛そうな華を思い返して苦しくなる。あの瞬間には、たしかに嬉しくもあったが、……もう、あんな思いはさせてはいけない。させたくない。
「そういえば、何かお祝い事でもあったのか?」
「え?」
「赤飯がどうのと」
ばしゃり! と水が飛んできた。華が足でタライの水を俺にかけてきたのだ。
「デリカシー!」
「え、いや、すまん、話が見えん」
「もー! 秘密!」
華は口を尖らせて俺を睨む。でもすぐにふっと笑う。華には笑顔が似合うと思う。俺はそれを見て幸せな気持ちになるし、華もまたそうであって欲しいと思う。心から思う。
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