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分岐・山ノ内瑛
雨の車窓
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新幹線の車窓には、酷い雨が打ち付けていた。
私はぼうっとそれを眺めながら、ただ椅子に座っている。通路側の圭くんは、のんびりと漫画雑誌を読んでいた。
「……マンガとか読むんだ」
「ん? あんまり読まないけど、面白そうだったから」
圭くんは雑誌から目を離して、私を見て笑う。
「すごくない、ハナ? 毎週毎週これ描いてるんだよ、マンガ家って」
圭くんがちょっと楽しそうなので、私も少しだけ微笑み返す。
敦子さんにアキラくんに会うのを禁じられた翌々日、お昼ご飯を食べた後圭くんに唐突に連れ出された。
「善は急げだからね」
そういうけれど、善なのかどうかは分からない。
(アキラくんに、お別れ、を言うこと)
そう思うと涙がまた溢れそうになる。だけどここに至って、私はまだお別れなんか言うつもりはなかった。
(何年か待って欲しい)
私があの家を飛び出せるようになるまで待って欲しい、って。
もちろん本当に待ってもらえるとは思っていない。
(アキラくんはステキな人だから)
きっとすぐに、また素敵な恋をする。
ただ、私の心の支えとして、約束が必要なんだ。
それは実質的には「お別れ」と同義なのかもしれないけれど……。
そしてもし"ゲーム"のシナリオ通りの展開になれば、アキラくんは高校は青百合に進学することになる。その時まだアキラくんが私のことを想ってくれていたなら、……それはとても幸せなことだけど、期待はしないでおく。
(でも、それでもアキラくんの姿を見てられるなら)
そのためだけに、あれだけ避けていた青百合への進学を決めちゃいたいくらいなのだ。
そんなことを思い返していると、ふと圭くんは目を伏せた。
「ハナは気づいてないかもなんだけど」
「ん?」
「ハナってね、いつも警備がついてるの。知ってた?」
「え?」
「何人いるかは知らないけど、何人か交代で護衛? そんな感じ」
「……嘘」
「だから、おれと神戸に向かってることもアツコさんは知ってると思う。おれが一緒だから、多分黙認してくれるとは思ったけど」
「な、んで……圭くんは知ってたの?」
「おれ、人の目線とか敏感だから、なんとなく。ハナといるときだけだもん」
「……」
私は黙り込んだ。
(いつから?)
小学校の時の、誘拐事件からだろうか。恐らくそう、だとは思うけど。
黙り込んだ私に、圭くんは気遣わしげに言葉を重ねる。
「アツコさんはハナが心配なんだ」
「……、わかってるけど」
やり方が、はっきり言って、気にくわない。
「……ヒトの人生なんだと思ってるんだろ」
「子供なんて、どこのおウチでもそーなんじゃない?」
圭くんはやけに達観したようなことを言う。
「オヤの敷いたレールが嫌だとか、何でもかんでも口出されてイヤだとか、束縛が多いとか、……まぁそんなの」
「でも普通は、結婚相手までは強制されない。……樹くんは何も悪くないんだけど」
むしろ、決められちゃってる樹くんも同じ立場なんだけど。
「まぁね」
圭くんは少し窓の外を見て遠い目をする。
「特におれたちは……同級生の話とか聞いてると、やっぱり"家"のことがあるぶん、決められてたり、制限されてたりすることが多いよね。進路も恋愛も」
「……大人になれば、逃げ出せるのかな」
「どうだろ。それこそ、ウチのとうさんみたいに外国に逃げるとかしなきゃかもだけど、ま、大人になればそれができるもんね」
「子供ってこんなんだっけなぁ」
「変な言い方だね、ハナ」
圭くんは笑うけど、私は少し目を瞑った。前世で中学生だった頃、私はこんなに閉塞感を感じていたっけ? ドロドロした感情で身体がいっぱいになったりしていたっけ?
「こんなの、青春じゃなーい」
「そんなもんだよ、青春なんか」
圭くんはマンガに目を戻して、そう言った。
「……やけに達観してる」
「まぁテキトーだけど、ね。……華、降りる準備しようか」
新幹線は少しずつ減速を始めていた。
新神戸駅も、酷い雨。
「あのホテルの」
圭くんは新神戸駅直結のホテルを指差した。
「ラウンジでお茶してるから」
「うん」
「できるだけ早くね」
「……うん」
「あまり長引かせると、多分」
そこで圭くんは言いよどんで、それから少し首を振った。
「心配しすぎかも。じゃ、ハナ、気をつけて。傘買うんだよ」
「分かった」
圭くんにお金をもらって(情けない)地下鉄に乗る。
今頃部活だろうけど、知ってるのは学校の名前と、最寄駅だけ。
(電話しても出られないだろうし)
黙って地下鉄に揺られる。
(怒るかな)
怒るだろうな、と思う。嫌われるかな。とても怖い。
でも私はそれでも「ええで」って笑うアキラくんを期待してる。「何年でも待つで」って笑ってくれないかなって期待してる。
最寄駅で降りて、駅の地図で学校の場所を確認する。出口近くのコンビニで傘を買って、キョロキョロしながら歩いた。
「あった」
迷わずに着けたので、ひとつ安心する。少し逡巡して、思い切って校内に入った。グラウンドの向こうに体育館が見えて、グラウンドを突っ切って向かう。ぬかるんでいて、靴がひどく汚れたけれど気にならなかった。
ボールが床をつく音がする。人の声、笛の音、そっと窓から覗き込む。
(……いた)
私はさっと離れて、校門に戻った。練習が終わるのを待とうと決めたのだ。
(邪魔はできないし)
どれくらいで終わるかな? とお子さまケータイを見ると午後3時。
私はたったまま、ビニール傘越しに空を見上げた。鉛色の空。水滴が打ち付けるように落ちてきている。
(寒い)
夏なのに、昨日まで酷暑だったのに。雨ひとつでこうなるものか。
コンビニで何かあったかいもの、とも思うけど、買いに行ってる間に練習が終わってここを通過されちゃったら困る。
ただひたすら、空を見ていた。
どれくらい待っただろう。
人の声がして、そっと覗き込むとジャージ姿の集団がいて、その先頭にいた人がギョッとした顔をした。
「山ノ内の彼女さんやん」
「は?」
その声に、別の人が駆け寄ってくれた。
「どないしたん?」
「あの、アキラくん待ってて」
「ほんま? もう来ると思うけど、てか顔色悪っ」
「思ったより寒くて。大丈夫です」
「大丈夫な顔色ちゃうで。オイ、山ノ内呼んだれや」
その声に別の人が体育館へ戻ってくれた。
「すみません」
「ええねん」
その人は笑って、駅方面に歩いていく。
「華っ」
アキラくんの声がして、安心して涙が出てしまう。ぬかるんだグラウンドを走ってきてくれた。
「え、うそ、まじ? てかどないしたん、つか顔色悪、あかんあかん」
一気にそう言って、私にタオルをかけた。
「きゅ、急に、ごめん」
「そんなんええねん、寒いやろ、どないしよ、えーと」
「部室使ってええで」
後ろから来たマネージャーさんらしい女の人がそう言う。
「そのかわり鍵、職員室戻しといてや。あとイカガワシイこと禁止」
「せえへんっすわ、どんだけ信用ないんすか俺」
「あの、すみません」
私はぺこりとマネージャーさんに謝って、アキラくんに手を引かれて、私はただ無言で歩いた。
私はぼうっとそれを眺めながら、ただ椅子に座っている。通路側の圭くんは、のんびりと漫画雑誌を読んでいた。
「……マンガとか読むんだ」
「ん? あんまり読まないけど、面白そうだったから」
圭くんは雑誌から目を離して、私を見て笑う。
「すごくない、ハナ? 毎週毎週これ描いてるんだよ、マンガ家って」
圭くんがちょっと楽しそうなので、私も少しだけ微笑み返す。
敦子さんにアキラくんに会うのを禁じられた翌々日、お昼ご飯を食べた後圭くんに唐突に連れ出された。
「善は急げだからね」
そういうけれど、善なのかどうかは分からない。
(アキラくんに、お別れ、を言うこと)
そう思うと涙がまた溢れそうになる。だけどここに至って、私はまだお別れなんか言うつもりはなかった。
(何年か待って欲しい)
私があの家を飛び出せるようになるまで待って欲しい、って。
もちろん本当に待ってもらえるとは思っていない。
(アキラくんはステキな人だから)
きっとすぐに、また素敵な恋をする。
ただ、私の心の支えとして、約束が必要なんだ。
それは実質的には「お別れ」と同義なのかもしれないけれど……。
そしてもし"ゲーム"のシナリオ通りの展開になれば、アキラくんは高校は青百合に進学することになる。その時まだアキラくんが私のことを想ってくれていたなら、……それはとても幸せなことだけど、期待はしないでおく。
(でも、それでもアキラくんの姿を見てられるなら)
そのためだけに、あれだけ避けていた青百合への進学を決めちゃいたいくらいなのだ。
そんなことを思い返していると、ふと圭くんは目を伏せた。
「ハナは気づいてないかもなんだけど」
「ん?」
「ハナってね、いつも警備がついてるの。知ってた?」
「え?」
「何人いるかは知らないけど、何人か交代で護衛? そんな感じ」
「……嘘」
「だから、おれと神戸に向かってることもアツコさんは知ってると思う。おれが一緒だから、多分黙認してくれるとは思ったけど」
「な、んで……圭くんは知ってたの?」
「おれ、人の目線とか敏感だから、なんとなく。ハナといるときだけだもん」
「……」
私は黙り込んだ。
(いつから?)
小学校の時の、誘拐事件からだろうか。恐らくそう、だとは思うけど。
黙り込んだ私に、圭くんは気遣わしげに言葉を重ねる。
「アツコさんはハナが心配なんだ」
「……、わかってるけど」
やり方が、はっきり言って、気にくわない。
「……ヒトの人生なんだと思ってるんだろ」
「子供なんて、どこのおウチでもそーなんじゃない?」
圭くんはやけに達観したようなことを言う。
「オヤの敷いたレールが嫌だとか、何でもかんでも口出されてイヤだとか、束縛が多いとか、……まぁそんなの」
「でも普通は、結婚相手までは強制されない。……樹くんは何も悪くないんだけど」
むしろ、決められちゃってる樹くんも同じ立場なんだけど。
「まぁね」
圭くんは少し窓の外を見て遠い目をする。
「特におれたちは……同級生の話とか聞いてると、やっぱり"家"のことがあるぶん、決められてたり、制限されてたりすることが多いよね。進路も恋愛も」
「……大人になれば、逃げ出せるのかな」
「どうだろ。それこそ、ウチのとうさんみたいに外国に逃げるとかしなきゃかもだけど、ま、大人になればそれができるもんね」
「子供ってこんなんだっけなぁ」
「変な言い方だね、ハナ」
圭くんは笑うけど、私は少し目を瞑った。前世で中学生だった頃、私はこんなに閉塞感を感じていたっけ? ドロドロした感情で身体がいっぱいになったりしていたっけ?
「こんなの、青春じゃなーい」
「そんなもんだよ、青春なんか」
圭くんはマンガに目を戻して、そう言った。
「……やけに達観してる」
「まぁテキトーだけど、ね。……華、降りる準備しようか」
新幹線は少しずつ減速を始めていた。
新神戸駅も、酷い雨。
「あのホテルの」
圭くんは新神戸駅直結のホテルを指差した。
「ラウンジでお茶してるから」
「うん」
「できるだけ早くね」
「……うん」
「あまり長引かせると、多分」
そこで圭くんは言いよどんで、それから少し首を振った。
「心配しすぎかも。じゃ、ハナ、気をつけて。傘買うんだよ」
「分かった」
圭くんにお金をもらって(情けない)地下鉄に乗る。
今頃部活だろうけど、知ってるのは学校の名前と、最寄駅だけ。
(電話しても出られないだろうし)
黙って地下鉄に揺られる。
(怒るかな)
怒るだろうな、と思う。嫌われるかな。とても怖い。
でも私はそれでも「ええで」って笑うアキラくんを期待してる。「何年でも待つで」って笑ってくれないかなって期待してる。
最寄駅で降りて、駅の地図で学校の場所を確認する。出口近くのコンビニで傘を買って、キョロキョロしながら歩いた。
「あった」
迷わずに着けたので、ひとつ安心する。少し逡巡して、思い切って校内に入った。グラウンドの向こうに体育館が見えて、グラウンドを突っ切って向かう。ぬかるんでいて、靴がひどく汚れたけれど気にならなかった。
ボールが床をつく音がする。人の声、笛の音、そっと窓から覗き込む。
(……いた)
私はさっと離れて、校門に戻った。練習が終わるのを待とうと決めたのだ。
(邪魔はできないし)
どれくらいで終わるかな? とお子さまケータイを見ると午後3時。
私はたったまま、ビニール傘越しに空を見上げた。鉛色の空。水滴が打ち付けるように落ちてきている。
(寒い)
夏なのに、昨日まで酷暑だったのに。雨ひとつでこうなるものか。
コンビニで何かあったかいもの、とも思うけど、買いに行ってる間に練習が終わってここを通過されちゃったら困る。
ただひたすら、空を見ていた。
どれくらい待っただろう。
人の声がして、そっと覗き込むとジャージ姿の集団がいて、その先頭にいた人がギョッとした顔をした。
「山ノ内の彼女さんやん」
「は?」
その声に、別の人が駆け寄ってくれた。
「どないしたん?」
「あの、アキラくん待ってて」
「ほんま? もう来ると思うけど、てか顔色悪っ」
「思ったより寒くて。大丈夫です」
「大丈夫な顔色ちゃうで。オイ、山ノ内呼んだれや」
その声に別の人が体育館へ戻ってくれた。
「すみません」
「ええねん」
その人は笑って、駅方面に歩いていく。
「華っ」
アキラくんの声がして、安心して涙が出てしまう。ぬかるんだグラウンドを走ってきてくれた。
「え、うそ、まじ? てかどないしたん、つか顔色悪、あかんあかん」
一気にそう言って、私にタオルをかけた。
「きゅ、急に、ごめん」
「そんなんええねん、寒いやろ、どないしよ、えーと」
「部室使ってええで」
後ろから来たマネージャーさんらしい女の人がそう言う。
「そのかわり鍵、職員室戻しといてや。あとイカガワシイこと禁止」
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