194 / 702
分岐・相良仁
キャンプ
しおりを挟む
虫が苦手だ。日差しも相性が良くなくて、なにより、暗闇は怖い。そんなわけで私はとても。
「キャンプ向いてない」
「わたしもー」
9月半ば、きっと今の時期は本当はキャンプ日和ってやつなんだろう。
湖で糸を垂れながら、並んで私と千晶ちゃんはやる気なく座っている。
バスでみんなでやってきた、キャンプ場の、すこしだけ山奥。釣りか川遊びか選べて、消去法で釣りにした、私たち。
ただ、千晶ちゃんは釣竿を持っていない。針が怖いのだ。誰かを傷つけそうだから。だから一緒に話してるだけだったりする。
ここでは、ニジマスだかなんだかが釣れるらしくて、釣れたら晩御飯のカレーにプラスして、魚の塩焼きでもなんでもしていいらしい。
「そりゃさ、すっごい食べたいよ? 食べたいけどさぁ、捌かなきゃなの?」
前世でも何回かしたことがあるかな、くらい。魚の内臓。
「わたしなんて、包丁すら持てないからね」
千晶ちゃんはぽつりと言う。
「前世、わたし、ヒト殺しちゃってて」
私はぽかんと千晶ちゃんを見た。
「ん?」
「ヒト刺して」
「……嘘でしょ?」
「ほんと」
千晶ちゃんは眉を下げる。
「わざとじゃないの。トラブルに巻き込まれて、でも、それで」
「そ、だったんだ」
「だからねぇ、多分それでなんだろうね、誰かを傷つけちゃうのが、病的に怖いのは。記憶が戻る前から、きっと無意識的にだと思うんだけど」
千晶ちゃんは遠い目をした。
私は黙って湖面をみつめた。生きてるといろいろある。その辛さはきっと千晶ちゃんにしか分からないものだっただろうから。
「……釣れないねぇ」
「ねぇ」
太公望気取っても仕方ないんだけど。
「釣れてるか?」
ふと、後ろから話しかけられて振り向くと、黒田くんだった。
「釣れてない」
そう言うと黒田くんは不思議そうに私のバケツを覗き込んだ。
「場所が悪ぃんじゃねーの」
「そうかなぁ」
「ま、釣れなかったら俺のやるよ」
ふたりとも、といって片頬で笑いながらバケツを見せてくれた。
「たいっりょう」
思わずそう言う。
ぱっと見で10匹はいる……! しかもけっこう大きい。
どう違うんだろ。場所?
「えー、悔しいな、釣りたい」
「場所と、あとは見てて思ったんだけどな、あんま竿動かすなよ」
「いや、釣れてないかなって」
「釣れてたら分かるから」
黒田くんは少し呆れたように笑って、「釣れるといいな」とぽん、と私の頭を叩いて行ってしまった。
「場所変える?」
千晶ちゃんに聞くと「んー」と首を傾げた。
「どうせわたし、釣れないし。黒田くんからもらおうよ」
「そんな消極的な……」
千晶ちゃん省エネモード。
「秋とかだめなんだよね」
「そうなの?」
「元々神経質なのもあるけどね、日照時間が減ってくるとダメなの、冬季うつのケがあるんだよねわたし」
ふう、と千晶ちゃんは湖面に目をやる。
「あんにゅーい」
「よーし」
わたしは気合を入れる。
「千晶ちゃんのために、デカイ魚釣るっ」
「えー」
千晶ちゃんは苦笑いする。
「いーよ、もらえば」
「私が釣りたいのっ」
目の前ででっかい魚釣り上げたら、さすがに千晶ちゃんのテンションも上がるのではないでしょうか!?
場所を何回か変えて試してみる。
今度こそ今度こそ。
そう思ったけど、気がつけば撤収時刻が近い。
「くそー」
「あは、いいよ華ちゃん、ありがと」
もう戻ろう、と千晶ちゃんは笑ってくれるけど、すごく悔しい。意地になってるなぁもう。
「あ」
キャンプ場(泊まるのは宿舎だけど)へ千晶ちゃんと戻りつつ、私はふと、もう一つ木立の向こうに小さな湖(……池?)があったことに気がつく。
(あっちなら、まだたくさんお魚いるかも)
ちらり、と千晶ちゃんをみる。よし。
「千晶ちゃん、ちょっと先戻ってて」
「え?」
「釣り針忘れたかも」
「一緒行こうか」
「大丈夫!」
そう言って、来た道を戻るふりをして木立に立ち入る。ふっふっふ、集合時刻までには戻るけど、それまでになんとか釣り上げてみせる!
そう思ってさくさく歩いていたつもりが、ふと辺りがシンとしていることに気がつく。
「あれ?」
ま、迷った?
「あれ? じゃねーよバカ華」
ぱしん、と背後から頭をはたかれた。
「あれ、仁」
なにしてんの、と仁を見上げる。
「バカな生徒が道それてたから、連れ戻しに」
「まだ集合時刻まであるでしょ!」
「林道から逸れるなってくちすっぱぁく言ってんだろ、なんで中学生が守れることがお前できねーの」
「む、だって釣れてないんだもん、釣りたかったんだもん」
釣竿片手に仁を睨む。
「ダメなものはダメ」
「けち」
つん、とそっぽをむいて、明後日の方向に歩き出す。
「こら、戻るぞ」
「しーらない」
振り向いて、べえっとしながら前に足を進める。
「あ、ばか、そっちは」
そっちはなに、と言いかけて私は言えなかった。
(あれ?)
思ったところに地面はなくて、というか急に崖(と言っても2メートルくらい?)になっていたみたいで、ざざざと落ち葉とともに滑り落ちてしまった。したたかに頭を打つ。痛い、と思う間も無く視界に星が瞬いてぐるぐると回る。
「華っ」
仁の声だけがする。崖を滑り降りる音。仁の手が私の頬に触れて、もう一度名前を呼ばれた。
「華!」
目を開けるのがおっくうだったけど、……あまりにも悲痛な声だったから。
仕方なく目を開けると、仁は泣きそうな顔をしていた。
「すまん、そっち危ないって先に言えば良かった」
「や、ごめん」
私は起き上がる。仁が支えてくれた。くらくらする。
「ほんとごめん、迷惑を」
「そんなもんはどーでもいい。大丈夫か、ちょっと、目見せろ」
仁は正面から私を真剣な目で見ている。少し照れる、だってこんな顔珍しいんだもん。
「吐き気とかしたら教えろ」
「うん」
「……とりあえずは大丈夫そうだな」
ふう、と息をついて、仁は私を抱きしめた。
「え、じ、仁?」
「また、うしなうのか、と」
仁が震えていて、私は本当に申し訳ない気持ちになる。
「あの、ごめん、ほんと」
「今度は絶対俺より先に死ぬな」
「仁?」
「1秒でいいから、俺より長生きしてくれ、マジで」
「それは分かんないけど」
「頼むから」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられる。強く、強く。
私は戸惑いながら、小さくうなずいた。
仁はゆっくりと私から離れる。少し怒った顔をしているので、私はしゅんとなる。
「……立てるか?」
言われてやっと、右足の違和感に気づく。眉をしかめた私に、仁は「どっちだ?」と聞いた。
「右、えっと。足首」
仁は何ら遠慮なく、でもそっと、ダサいと評判の学校ジャージをふくらはぎまで上げる。
「った」
「ごめん」
言いながら、仁は足首に手をそっと触れる。
「折れてはなさそーだけど」
「捻挫かなぁ」
「おんぶとお姫様抱っこと担がれんのと、どれがいい?」
「はぁ?」
「いや、あるけねーだろ」
呆れたような仁の声に、私は悩む。
「……どれが一番痛くない?」
「キャンプ向いてない」
「わたしもー」
9月半ば、きっと今の時期は本当はキャンプ日和ってやつなんだろう。
湖で糸を垂れながら、並んで私と千晶ちゃんはやる気なく座っている。
バスでみんなでやってきた、キャンプ場の、すこしだけ山奥。釣りか川遊びか選べて、消去法で釣りにした、私たち。
ただ、千晶ちゃんは釣竿を持っていない。針が怖いのだ。誰かを傷つけそうだから。だから一緒に話してるだけだったりする。
ここでは、ニジマスだかなんだかが釣れるらしくて、釣れたら晩御飯のカレーにプラスして、魚の塩焼きでもなんでもしていいらしい。
「そりゃさ、すっごい食べたいよ? 食べたいけどさぁ、捌かなきゃなの?」
前世でも何回かしたことがあるかな、くらい。魚の内臓。
「わたしなんて、包丁すら持てないからね」
千晶ちゃんはぽつりと言う。
「前世、わたし、ヒト殺しちゃってて」
私はぽかんと千晶ちゃんを見た。
「ん?」
「ヒト刺して」
「……嘘でしょ?」
「ほんと」
千晶ちゃんは眉を下げる。
「わざとじゃないの。トラブルに巻き込まれて、でも、それで」
「そ、だったんだ」
「だからねぇ、多分それでなんだろうね、誰かを傷つけちゃうのが、病的に怖いのは。記憶が戻る前から、きっと無意識的にだと思うんだけど」
千晶ちゃんは遠い目をした。
私は黙って湖面をみつめた。生きてるといろいろある。その辛さはきっと千晶ちゃんにしか分からないものだっただろうから。
「……釣れないねぇ」
「ねぇ」
太公望気取っても仕方ないんだけど。
「釣れてるか?」
ふと、後ろから話しかけられて振り向くと、黒田くんだった。
「釣れてない」
そう言うと黒田くんは不思議そうに私のバケツを覗き込んだ。
「場所が悪ぃんじゃねーの」
「そうかなぁ」
「ま、釣れなかったら俺のやるよ」
ふたりとも、といって片頬で笑いながらバケツを見せてくれた。
「たいっりょう」
思わずそう言う。
ぱっと見で10匹はいる……! しかもけっこう大きい。
どう違うんだろ。場所?
「えー、悔しいな、釣りたい」
「場所と、あとは見てて思ったんだけどな、あんま竿動かすなよ」
「いや、釣れてないかなって」
「釣れてたら分かるから」
黒田くんは少し呆れたように笑って、「釣れるといいな」とぽん、と私の頭を叩いて行ってしまった。
「場所変える?」
千晶ちゃんに聞くと「んー」と首を傾げた。
「どうせわたし、釣れないし。黒田くんからもらおうよ」
「そんな消極的な……」
千晶ちゃん省エネモード。
「秋とかだめなんだよね」
「そうなの?」
「元々神経質なのもあるけどね、日照時間が減ってくるとダメなの、冬季うつのケがあるんだよねわたし」
ふう、と千晶ちゃんは湖面に目をやる。
「あんにゅーい」
「よーし」
わたしは気合を入れる。
「千晶ちゃんのために、デカイ魚釣るっ」
「えー」
千晶ちゃんは苦笑いする。
「いーよ、もらえば」
「私が釣りたいのっ」
目の前ででっかい魚釣り上げたら、さすがに千晶ちゃんのテンションも上がるのではないでしょうか!?
場所を何回か変えて試してみる。
今度こそ今度こそ。
そう思ったけど、気がつけば撤収時刻が近い。
「くそー」
「あは、いいよ華ちゃん、ありがと」
もう戻ろう、と千晶ちゃんは笑ってくれるけど、すごく悔しい。意地になってるなぁもう。
「あ」
キャンプ場(泊まるのは宿舎だけど)へ千晶ちゃんと戻りつつ、私はふと、もう一つ木立の向こうに小さな湖(……池?)があったことに気がつく。
(あっちなら、まだたくさんお魚いるかも)
ちらり、と千晶ちゃんをみる。よし。
「千晶ちゃん、ちょっと先戻ってて」
「え?」
「釣り針忘れたかも」
「一緒行こうか」
「大丈夫!」
そう言って、来た道を戻るふりをして木立に立ち入る。ふっふっふ、集合時刻までには戻るけど、それまでになんとか釣り上げてみせる!
そう思ってさくさく歩いていたつもりが、ふと辺りがシンとしていることに気がつく。
「あれ?」
ま、迷った?
「あれ? じゃねーよバカ華」
ぱしん、と背後から頭をはたかれた。
「あれ、仁」
なにしてんの、と仁を見上げる。
「バカな生徒が道それてたから、連れ戻しに」
「まだ集合時刻まであるでしょ!」
「林道から逸れるなってくちすっぱぁく言ってんだろ、なんで中学生が守れることがお前できねーの」
「む、だって釣れてないんだもん、釣りたかったんだもん」
釣竿片手に仁を睨む。
「ダメなものはダメ」
「けち」
つん、とそっぽをむいて、明後日の方向に歩き出す。
「こら、戻るぞ」
「しーらない」
振り向いて、べえっとしながら前に足を進める。
「あ、ばか、そっちは」
そっちはなに、と言いかけて私は言えなかった。
(あれ?)
思ったところに地面はなくて、というか急に崖(と言っても2メートルくらい?)になっていたみたいで、ざざざと落ち葉とともに滑り落ちてしまった。したたかに頭を打つ。痛い、と思う間も無く視界に星が瞬いてぐるぐると回る。
「華っ」
仁の声だけがする。崖を滑り降りる音。仁の手が私の頬に触れて、もう一度名前を呼ばれた。
「華!」
目を開けるのがおっくうだったけど、……あまりにも悲痛な声だったから。
仕方なく目を開けると、仁は泣きそうな顔をしていた。
「すまん、そっち危ないって先に言えば良かった」
「や、ごめん」
私は起き上がる。仁が支えてくれた。くらくらする。
「ほんとごめん、迷惑を」
「そんなもんはどーでもいい。大丈夫か、ちょっと、目見せろ」
仁は正面から私を真剣な目で見ている。少し照れる、だってこんな顔珍しいんだもん。
「吐き気とかしたら教えろ」
「うん」
「……とりあえずは大丈夫そうだな」
ふう、と息をついて、仁は私を抱きしめた。
「え、じ、仁?」
「また、うしなうのか、と」
仁が震えていて、私は本当に申し訳ない気持ちになる。
「あの、ごめん、ほんと」
「今度は絶対俺より先に死ぬな」
「仁?」
「1秒でいいから、俺より長生きしてくれ、マジで」
「それは分かんないけど」
「頼むから」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられる。強く、強く。
私は戸惑いながら、小さくうなずいた。
仁はゆっくりと私から離れる。少し怒った顔をしているので、私はしゅんとなる。
「……立てるか?」
言われてやっと、右足の違和感に気づく。眉をしかめた私に、仁は「どっちだ?」と聞いた。
「右、えっと。足首」
仁は何ら遠慮なく、でもそっと、ダサいと評判の学校ジャージをふくらはぎまで上げる。
「った」
「ごめん」
言いながら、仁は足首に手をそっと触れる。
「折れてはなさそーだけど」
「捻挫かなぁ」
「おんぶとお姫様抱っこと担がれんのと、どれがいい?」
「はぁ?」
「いや、あるけねーだろ」
呆れたような仁の声に、私は悩む。
「……どれが一番痛くない?」
20
あなたにおすすめの小説
傷物令嬢は魔法使いの力を借りて婚約者を幸せにしたい
棗
恋愛
ローゼライト=シーラデンの額には傷がある。幼い頃、幼馴染のラルスに負わされた傷で責任を取る為に婚約が結ばれた。
しかしローゼライトは知っている。ラルスには他に愛する人がいると。この婚約はローゼライトの額に傷を負わせてしまったが為の婚約で、ラルスの気持ちが自分にはないと。
そこで、子供の時から交流のある魔法使いダヴィデにラルスとの婚約解消をしたいと依頼をするのであった。
ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する
ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。
皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。
ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。
なんとか成敗してみたい。
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる