150 / 702
分岐・山ノ内瑛
行方不明(一部共通)
しおりを挟む
「千晶、来てないよね?」
真さんがそう言ってウチを訪ねてきたのは、石宮瑠璃が転校してきてしばらく経ってからのことだった。
クリスマス直前のその日は、朝から冷たい冬の雨が降り続いていた。時折それは霙になったり、雪がちらついたりもしていた。そんな、寒い日。
もはや深夜になりそうな、そんな時間にインターフォンが鳴り、敦子さんが私を叩き起こしたのだ。
「ね、華、鍋島さんところのお嬢さん知らないわよね?」
「千晶ちゃん? どうしたの?」
「学校から帰ってないんですって」
「ええっ!?」
私は飛び起きた。千晶ちゃんが!?
そして玄関に向かうと、制服を着たままの真さん。さすがにその表情は渋く、焦燥の色が浮かんでいた。
(……このひと、こんな顔するんだ)
一瞬、そう思う。
「……ごめんね、夜遅くに」
「い、いいえっ、大丈夫です。それより、千晶ちゃん」
「……千晶の希望でね、送迎の車使ってなかったんだけど」
千晶ちゃんは特別扱いを恐れていた。だから、家のことは極力隠していたし、お迎えの車(運転手付き)も断っていたんだ。
「夕方になっても帰ってこなくて」
「連絡はとれないんですか?」
「駅のトイレでスマホが見つかったよ。防犯カメラはチェックさせてるけど、千晶は映ってない。多分、捜査を撹乱させるために何者かが置いたんだ」
千晶の意思にしろ、そうでないにしろ、ね、と真さんは呟く。
「ねぇ、君、何も聞いてない? 千晶が何か悩んでいたとか、どこかへ行きたがっていた、とか。誰かとトラブルになっていたとか」
「トラブル……」
私の脳裏に浮かんだのは、もちろん石宮瑠璃だった。
私の表情を見て、真さんは言う。
「関係なさそうでも構わない、教えて」
その必死な声に、私は口を開く。
「関係ない、かもなんですけど…….転校生の石宮さんが」
「ああ、千晶も言っていた」
真さんはうなずく。
「やたらとキミと千晶に絡んでくるんだって?」
「そうなんです、……でも、その子が千晶ちゃんをさらったりできるかな、とは」
「何か上手いことを言って、どこかへ呼び出すくらいはできるかもしれない」
真さんは目を細める。
「調べてみるよ、ありがとう」
「あ、あのっ」
「なぁに」
「やれることがあれば、私」
その言葉に、真さんはフッと笑う。
「ありがと」
その初めて見る類の笑顔に、私は数瞬、動くことを忘れたのだった。
翌日学校へ行っても、千晶ちゃんは来ていなかった。
まだ学校のみんなは千晶ちゃんが行方不明になっている、なんて知らない。体調不良かな? くらいの認識だろう。
不安がじわじわと大きくなる。
(確か)
女子中学生の集団失踪。九州と、山口から始まり、大阪、三重、岐阜。秋口には神奈川でも同じように忽然と消えた子がいる、らしい。
ただ、警察では、千晶ちゃんを彼女たちと同じように扱っていいものか方針が決まっていないらしい。
千晶ちゃんは大物政治家の孫娘。営利目的でも、政治目的でも、誘拐があり得る。
私は朝のホームルーム中、それから授業中、それについて考えていた。
(ううっ、集中できないっ)
よし、と決めた。
(学校にいても、なにも始まらない)
私は午前の授業が終わるや否や、大急ぎで給食を食べて(腹が減っては戦はできぬ)職員室の相良先生のところへ行く。
「体調不良なので帰ります」
「……急だね?」
「持病の癪が」
「時代的だね」
相良先生は「うーん」と首を傾げて、それから言った。
「鍋島さん?」
「……そ、です」
「君に何ができるの?」
先生のまっすぐな目。
「警察も、ご家族の方も動いていて」
「でも」
私は、プリーツスカートをぎゅうっと握りしめる。
「何もしないでただ待ってるっていうの、私、無理です」
私はじっと先生の目を見つめた。
「友達が、ピンチかもなのに」
「……変わらないねぇ、そういうとこ」
「え?」
「ううん、ひとりごと……分かりました、ただし危険なことはしないと約束できますか?」
「は、はいっ」
先生から許可をもらい、職員室を出ようとすると名前を呼ばれた。
「なんですか?」
「お迎え、頼まなくていいの」
「……そうでした」
まぁどうせ見張られてるから、外フラフラ歩いてたら島津さんお迎え来る気もするんだけど、……変に波風立てない方がいいか。
一つ、ため息をついて先生の机の上の電話を借りた。
それから、少し急いで裏門に向かう。
いつもの場所で、アキラくんは少し寒そうに身体を縮めてスマホを眺めていた。
「アキラくんっ」
「華、……どないしたん?」
「あのね」
私が千晶ちゃんについて説明すると、アキラくんは心配気な顔をした。
「え、大丈夫なん? それ」
「わかんない……心当たり、探してみようと思って」
「手伝うわ」
アキラくんはスマホをコートのポケットにしまった。
「でも、私多分、運転手さんの車で探すし」
「あーそうか、……危ないこと絶対せんでな?」
「うん」
私は眉を下げる。
アキラくんはほんの少し黙って、何か考えているような目をしていた。
「アキラくん?」
「華、気ぃつけて行くんやで」
アキラくんは私の頭をぽんぽん、と撫でてじっと私を見た。私はほんの少し首を傾げて、それから頷く。
それから小走りで昇降口へ向かっていると、ふと名前を呼ばれる。
「華ちゃん」
「ひよりちゃん」
「帰るの? 体調悪い?」
心配そうな目。私は眉を下げて、小さな声で千晶ちゃんのことを話した。
「……ほんとに!?」
「うん、……何ができるってわけじゃないけど心当たりを探してみようと思って」
「わたしも行くっ」
ひよりちゃんは即答した。
「でも」
「千晶ちゃんは友達だもんっ」
ひよりちゃんはまっすぐ言う。
「まってて、わたしも先生に言ってくるっ」
そう言って職員室のほうに行こうとした時、ざわざわと人の声がした。
「あれ、ひよりちゃん、華ちゃん、やっほ」
秋月くんはにこにこと言う。昼休みに体育館で遊ぶつもりなのか、友達何人かと連れ立っていた。
「2人ともなにしてるの?」
「ちょっとね」
ひよりちゃんはぱちりとした目をきょろりと回した。
「ねぇ秋月くん、昨日千晶ちゃん見てない? 学校以外で」
「え、見てないけど」
「そかー」
「なに? 鍋島さんが何?」
秋月くんの友達っぽい子が、ふと横に並んでそう尋ねてきた。
「鍋島さん、見かけなかった? って」
「今日?」
「いや、昨日」
「見たよ?」
私とひよりちゃんはその子に詰め寄る。
「どこで!?」
「校門でたとこ」
「そっかぁ」
私は肩を落とす。学校を出たところまで確認できたから、それはそれで収穫なんだけど。
「ありがとう」
そうお礼を言って、ふとその子を見ると首を傾げて、言葉を続けた。
「あ、確かね、転校生といたよ。3組の」
「……石宮さん!?」
私は目を見開いた。
「華ちゃん?」
不思議そうなひよりちゃんに、私は言う。
「ちょっとね、あの子……その、私と千晶ちゃんとあまり相性良くなくて」
「あ、変な子なんだよね?」
他のクラスでも噂になってるのか、あの子ちょっとエキセントリックだもんな……。
「何か知ってる、かも……」
「聞いてみよっ! 石宮さんは教室!?」
「た、たぶん!」
私たちは走って教室へ向かった。
石宮さんはのんびりと授業の準備をしている。
「石宮さんっ!」
「なぁに?」
「お願い、教えて!」
私は石宮さんの机に両手を置いた。
「千晶ちゃんはどこ!?」
「……し、知らないわ?」
石宮さんは首を振った。
「あは、もしかしてっ、ば、バチが当たったんじゃないかしら」
勝ち誇ったような顔で、彼女は言う。
「……なんの話」
「だって、鍋島さんは悪役令嬢だもの」
石宮さんはは薄く笑って、首を傾げた。
「存在自体が、罪なの。罪は、贖わなくては」
「なにを、言ってるの」
「石宮さんっ」
ひよりちゃんの必死な声。
「昨日の夕方、校門のとこに千晶ちゃんもといたよね!? その後どうしたの!? 見てた人がいるんだよ?」
「ふえ!? み、見てた人っ!? え、えっと、知ぃらないっ」
石宮さんは一瞬慌てたけど、やはり知らない、と繰り返す。
「瑠璃はほんとに知らない」
そう言って、やはり勝ち誇った笑みを浮かべるのだった。
真さんがそう言ってウチを訪ねてきたのは、石宮瑠璃が転校してきてしばらく経ってからのことだった。
クリスマス直前のその日は、朝から冷たい冬の雨が降り続いていた。時折それは霙になったり、雪がちらついたりもしていた。そんな、寒い日。
もはや深夜になりそうな、そんな時間にインターフォンが鳴り、敦子さんが私を叩き起こしたのだ。
「ね、華、鍋島さんところのお嬢さん知らないわよね?」
「千晶ちゃん? どうしたの?」
「学校から帰ってないんですって」
「ええっ!?」
私は飛び起きた。千晶ちゃんが!?
そして玄関に向かうと、制服を着たままの真さん。さすがにその表情は渋く、焦燥の色が浮かんでいた。
(……このひと、こんな顔するんだ)
一瞬、そう思う。
「……ごめんね、夜遅くに」
「い、いいえっ、大丈夫です。それより、千晶ちゃん」
「……千晶の希望でね、送迎の車使ってなかったんだけど」
千晶ちゃんは特別扱いを恐れていた。だから、家のことは極力隠していたし、お迎えの車(運転手付き)も断っていたんだ。
「夕方になっても帰ってこなくて」
「連絡はとれないんですか?」
「駅のトイレでスマホが見つかったよ。防犯カメラはチェックさせてるけど、千晶は映ってない。多分、捜査を撹乱させるために何者かが置いたんだ」
千晶の意思にしろ、そうでないにしろ、ね、と真さんは呟く。
「ねぇ、君、何も聞いてない? 千晶が何か悩んでいたとか、どこかへ行きたがっていた、とか。誰かとトラブルになっていたとか」
「トラブル……」
私の脳裏に浮かんだのは、もちろん石宮瑠璃だった。
私の表情を見て、真さんは言う。
「関係なさそうでも構わない、教えて」
その必死な声に、私は口を開く。
「関係ない、かもなんですけど…….転校生の石宮さんが」
「ああ、千晶も言っていた」
真さんはうなずく。
「やたらとキミと千晶に絡んでくるんだって?」
「そうなんです、……でも、その子が千晶ちゃんをさらったりできるかな、とは」
「何か上手いことを言って、どこかへ呼び出すくらいはできるかもしれない」
真さんは目を細める。
「調べてみるよ、ありがとう」
「あ、あのっ」
「なぁに」
「やれることがあれば、私」
その言葉に、真さんはフッと笑う。
「ありがと」
その初めて見る類の笑顔に、私は数瞬、動くことを忘れたのだった。
翌日学校へ行っても、千晶ちゃんは来ていなかった。
まだ学校のみんなは千晶ちゃんが行方不明になっている、なんて知らない。体調不良かな? くらいの認識だろう。
不安がじわじわと大きくなる。
(確か)
女子中学生の集団失踪。九州と、山口から始まり、大阪、三重、岐阜。秋口には神奈川でも同じように忽然と消えた子がいる、らしい。
ただ、警察では、千晶ちゃんを彼女たちと同じように扱っていいものか方針が決まっていないらしい。
千晶ちゃんは大物政治家の孫娘。営利目的でも、政治目的でも、誘拐があり得る。
私は朝のホームルーム中、それから授業中、それについて考えていた。
(ううっ、集中できないっ)
よし、と決めた。
(学校にいても、なにも始まらない)
私は午前の授業が終わるや否や、大急ぎで給食を食べて(腹が減っては戦はできぬ)職員室の相良先生のところへ行く。
「体調不良なので帰ります」
「……急だね?」
「持病の癪が」
「時代的だね」
相良先生は「うーん」と首を傾げて、それから言った。
「鍋島さん?」
「……そ、です」
「君に何ができるの?」
先生のまっすぐな目。
「警察も、ご家族の方も動いていて」
「でも」
私は、プリーツスカートをぎゅうっと握りしめる。
「何もしないでただ待ってるっていうの、私、無理です」
私はじっと先生の目を見つめた。
「友達が、ピンチかもなのに」
「……変わらないねぇ、そういうとこ」
「え?」
「ううん、ひとりごと……分かりました、ただし危険なことはしないと約束できますか?」
「は、はいっ」
先生から許可をもらい、職員室を出ようとすると名前を呼ばれた。
「なんですか?」
「お迎え、頼まなくていいの」
「……そうでした」
まぁどうせ見張られてるから、外フラフラ歩いてたら島津さんお迎え来る気もするんだけど、……変に波風立てない方がいいか。
一つ、ため息をついて先生の机の上の電話を借りた。
それから、少し急いで裏門に向かう。
いつもの場所で、アキラくんは少し寒そうに身体を縮めてスマホを眺めていた。
「アキラくんっ」
「華、……どないしたん?」
「あのね」
私が千晶ちゃんについて説明すると、アキラくんは心配気な顔をした。
「え、大丈夫なん? それ」
「わかんない……心当たり、探してみようと思って」
「手伝うわ」
アキラくんはスマホをコートのポケットにしまった。
「でも、私多分、運転手さんの車で探すし」
「あーそうか、……危ないこと絶対せんでな?」
「うん」
私は眉を下げる。
アキラくんはほんの少し黙って、何か考えているような目をしていた。
「アキラくん?」
「華、気ぃつけて行くんやで」
アキラくんは私の頭をぽんぽん、と撫でてじっと私を見た。私はほんの少し首を傾げて、それから頷く。
それから小走りで昇降口へ向かっていると、ふと名前を呼ばれる。
「華ちゃん」
「ひよりちゃん」
「帰るの? 体調悪い?」
心配そうな目。私は眉を下げて、小さな声で千晶ちゃんのことを話した。
「……ほんとに!?」
「うん、……何ができるってわけじゃないけど心当たりを探してみようと思って」
「わたしも行くっ」
ひよりちゃんは即答した。
「でも」
「千晶ちゃんは友達だもんっ」
ひよりちゃんはまっすぐ言う。
「まってて、わたしも先生に言ってくるっ」
そう言って職員室のほうに行こうとした時、ざわざわと人の声がした。
「あれ、ひよりちゃん、華ちゃん、やっほ」
秋月くんはにこにこと言う。昼休みに体育館で遊ぶつもりなのか、友達何人かと連れ立っていた。
「2人ともなにしてるの?」
「ちょっとね」
ひよりちゃんはぱちりとした目をきょろりと回した。
「ねぇ秋月くん、昨日千晶ちゃん見てない? 学校以外で」
「え、見てないけど」
「そかー」
「なに? 鍋島さんが何?」
秋月くんの友達っぽい子が、ふと横に並んでそう尋ねてきた。
「鍋島さん、見かけなかった? って」
「今日?」
「いや、昨日」
「見たよ?」
私とひよりちゃんはその子に詰め寄る。
「どこで!?」
「校門でたとこ」
「そっかぁ」
私は肩を落とす。学校を出たところまで確認できたから、それはそれで収穫なんだけど。
「ありがとう」
そうお礼を言って、ふとその子を見ると首を傾げて、言葉を続けた。
「あ、確かね、転校生といたよ。3組の」
「……石宮さん!?」
私は目を見開いた。
「華ちゃん?」
不思議そうなひよりちゃんに、私は言う。
「ちょっとね、あの子……その、私と千晶ちゃんとあまり相性良くなくて」
「あ、変な子なんだよね?」
他のクラスでも噂になってるのか、あの子ちょっとエキセントリックだもんな……。
「何か知ってる、かも……」
「聞いてみよっ! 石宮さんは教室!?」
「た、たぶん!」
私たちは走って教室へ向かった。
石宮さんはのんびりと授業の準備をしている。
「石宮さんっ!」
「なぁに?」
「お願い、教えて!」
私は石宮さんの机に両手を置いた。
「千晶ちゃんはどこ!?」
「……し、知らないわ?」
石宮さんは首を振った。
「あは、もしかしてっ、ば、バチが当たったんじゃないかしら」
勝ち誇ったような顔で、彼女は言う。
「……なんの話」
「だって、鍋島さんは悪役令嬢だもの」
石宮さんはは薄く笑って、首を傾げた。
「存在自体が、罪なの。罪は、贖わなくては」
「なにを、言ってるの」
「石宮さんっ」
ひよりちゃんの必死な声。
「昨日の夕方、校門のとこに千晶ちゃんもといたよね!? その後どうしたの!? 見てた人がいるんだよ?」
「ふえ!? み、見てた人っ!? え、えっと、知ぃらないっ」
石宮さんは一瞬慌てたけど、やはり知らない、と繰り返す。
「瑠璃はほんとに知らない」
そう言って、やはり勝ち誇った笑みを浮かべるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
傷物令嬢は魔法使いの力を借りて婚約者を幸せにしたい
棗
恋愛
ローゼライト=シーラデンの額には傷がある。幼い頃、幼馴染のラルスに負わされた傷で責任を取る為に婚約が結ばれた。
しかしローゼライトは知っている。ラルスには他に愛する人がいると。この婚約はローゼライトの額に傷を負わせてしまったが為の婚約で、ラルスの気持ちが自分にはないと。
そこで、子供の時から交流のある魔法使いダヴィデにラルスとの婚約解消をしたいと依頼をするのであった。
ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する
ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。
皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。
ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。
なんとか成敗してみたい。
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる