183 / 702
分岐・黒田健
中学編エピローグ【続きは高校編へ】
しおりを挟む
「わたし振られたの」
桜の花びら越しの日が眩しいそんな日、いつものカフェで、ひよりちゃんは私と千晶ちゃんに、あっけらかんと言い放った。
「え、真さんに!?」
私は千晶ちゃんと顔を見合わせた。い、いつのまに!?
「ほかに誰がいるの~」
ぷう、と頬を膨らませるひよりちゃん。
「本気で好きになりそうな人がいるから、女遊びやめるって」
千晶ちゃんが「ぎゃあ」って顔でわたしを見て、私はぶんぶんと首を振った。なにそれ知らない。きっと別の人! 絶対。
「でもま、わたしも受験だし」
いーの、忘れて受験に専念するの、とひよりちゃんはショートケーキをぱくりと食べながら言った。
「だねー」
答えながら、ちょっと気が重くなる。前世も合わせて2度目の高校受験。前世では胃を悪くしたんだっけな。
「ひよりちゃんは音楽科受けるのは決定なの?」
「うん、音大行ってピアノの先生になりたいからねぇ」
「受験ってどんなことするの?」
私が聞くと、ひよりちゃんはカバンから楽譜を取り出してくれた。
「ばーん」
「うっわ、難しそう」
「結局月光ソナタは先生に却下されちゃったー」
千晶ちゃんが意外そうな顔をした。
「え、"月光"を?」
「うん。今度はモーツァルト。多分これで受験する」
楽譜を覗き込むと、やっぱり難しそう……。なんだこれ、数学の記号みたいなのたくさんだ。
「ほんと凄いよ、こんなの弾けるんだもんひよりちゃん!」
「あは、ありがと! これ暗譜して弾かなきゃなの。あと面接と英語の試験だよ」
「英語もあるのかぁ」
「凄い子は留学とかもあるからね。あ、ごめん、わたしもう行かなきゃだ」
慌てて席を立つひよりちゃん。
「あ、部活か」
今日は日曜だけど、午後練だけあるらしい。午前中はピアノ、午後はテニスと相変わらずひよりちゃんは大忙しだ。
またね、と手を振るひよりちゃんに手を振り返しながら、ふと私はさっきの疑問を千晶ちゃんにぶつけた。
「ね、千晶ちゃん」
「ん?」
「さっきなんで不思議そうな顔してたの?」
「ああ」
千晶ちゃんは上品な猫のような目をくるりとさせて、少し難しい顔をした。
「あのね、ひよりちゃんが悪役するはずだった"ブルームーン"では"月光"が重要なファクターだったの。ひよりちゃんも思い入れがあって、ゲームでも、確か受験でも弾いたみたいな話が出てた、はず」
千晶ちゃんは「もしかしたら」と話をつなげた。
「もう、"ゲームのシナリオ"とは全然違う世界になってるのかもね、少なくともひよりちゃんにとって」
"ゲーム"とは違う世界。そんな風になっているのではないか、というのは私も感じていたけど……。
(それがハッキリ現れてきたかんじ?)
そんな風に考えながら、頷いた。
それからしばらくお喋りして、私はカフェを出た。目指すは駅前のお花屋さん。「お墓まいり」とは言わず、華やかな感じの花束にしてもらう。きっとあの子は菊よりバラとかのが好きそうな気がするし。
(何も知らないけれど)
知っているのは、ただひたすらに自らの正義を信奉していたということだけーー。
お店を出て、バスに乗る。しばらく揺られていると、一年ぶりの霊園が見えた。
バス停のベンチに、その子はちょこんと腰掛けていた。
「石宮さん」
「あ。し、設楽さん。やほ」
「久しぶりだね」
そう言うと、石宮さんは控えめに笑った。
「何時くらいまで大丈夫なの?」
「夕方までに帰れば大丈夫、だよ」
「……保護観察処分、って、聞いたけど」
「う、うん、そうなの。レポートみたいの書いたりしてる。生活のこととか」
あと、と石宮さんは小さく言った。
「る、瑠璃……、じゃない、わたし、が騙しちゃった女の子たちに、謝って回ってるの。行ける範囲は直接で、遠い人には手紙で……も、もちろんその内直接謝りたいとは思ってるんだけど」
石宮さんは軽く目を伏せた。
「わたしのせいで、辛い目にあわせちゃった」
桜の下、ずらりと続く御影石の間を、そう話しながら歩く。そうして見つけた、やっぱりまだ新しい「松影」の名前が彫られたお墓。
石宮さんは自分の持ってきた花束を供えて、静かに目を閉じた。
しばらくそうしていただろうか。ふ、と顔を上げて振り向く。
「つ、付き合ってくれてありがと。ちゃんと……謝れた」
「謝る?」
「か、勝手に……わたし、ルナちゃんの敵討、みたいに思って突っ走ったから。勝手に利用して、ごめんなさいって」
「あー」
「それと、……設楽さんたちのこと、悪い子だって思い込んで、自分のことしか見えてないくせに、周りをまきこんで」
石宮さんはふと真剣な目になる。
「ごめんなさい」
「え」
勢いよく頭を下げられて、私は戸惑った。
「鍋島さんのところにも、近々謝りにいくつもりなの。お兄さんがなかなか会わせてくれない、んだけど」
真さんセキュリティ。私は苦笑した。
「じゃ、ま、またね」
「え?」
「お邪魔はしませんよう。てっとにまた怒られる、からっ」
ぱっ、と体を翻して走り出す石宮さん。
石宮さんが駆けていく方向から、見慣れた少年が歩いてくる。黒田くんだ。花束を持っている。
「おう」
すれ違う石宮さんに軽く手を挙げた。
石宮さんはぺこりと頭を下げて、また小走りに駆けて行った。
「黒田くん、なんで?」
「いや、来てるかなって」
「言ってくれたら良かったのに」
黒田くんは少し笑って「まぁな」と肩をすくめた。
それからお花を供えて、軽く手を合わせていた。
(松影ルナさん)
私もお花を供える。何を祈ればいいのかまだ分からないけれど、それでもやっと、手を合わせることができた。
黒田くんと並んで、出口の方に歩き出す。
「設楽」
黒田くんが私の髪から、桜の花びらをつまみ上げた。それからついでみたいに、髪の毛をサラリとすくう。
「髪、伸びたな」
「ん? あー、そろそろ切らなきゃ」
「似合うけどな」
「……長い方が好き?」
私が言うと、黒田くんは笑った。
「設楽はどっちが好きなんだよ」
「短い方」
「じゃー俺もそっち」
「む、適当?」
「ちげぇよ」
黒田くんは私の手を握る。
「素の設楽が好きなだけ」
「素?」
「俺あんまゴイリョクねーからなぁ」
黒田くんは少し考えるようにして、それから「まぁいいや」と私の手を引いた。
「長かろうが短かろうが設楽は設楽ってこと」
「まぁその通りなんだけど」
バス停で、バスを並んで待つ。手は繋いだまま。あったかい手。
「ひよりちゃんは青百合受けるみたいだよ」
「あー、なんか母さんが言ってたな」
私はほんの少しだけ、不安になる。きっとシナリオ通りに、黒田くんは青百合へ行くのだろうし……私はきっと別の高校へ進むから。私の知らないところで、2人に何かある、とか思ってるわけじゃない。わけじゃないけど、なんとなく、ヤキモチ。
(あーやっぱ私ワガママ)
頭では分かってるのにね。
「何シブい顔してんだ」
「し、しぶい」
そんな顔してましたか?
「なぁ設楽」
「なに?」
「何か不安とか心配とかあったら言えよ、なんでもいーよ」
「なんで?」
「俺にとって一番嫌なのが、設楽がなんか1人で抱え込んだりすることだから」
私はぱちぱち、と瞬きをして黒田くんを見た。
「マジで。マジでいやだから」
「そ、そんなに力説しなくても」
私はぎゅう、と手を強く握られて少し赤面する。
(私、バカだな)
こんなに想われてるのに、なに勝手に想像してヤキモチ妬いてるんだろ。
「……あのね、進路分かれるのやだなって」
ちょっとごまかして、そう呟いた。
「設楽女子校だよな。都内の」
「第一志望はね~」
受かるかわかんないけど。
「……俺、横浜の男子校受けようと思ってて」
「ん!? えと、あれ!? 青百合は!?」
「青百合? あれ俺、先輩に青百合誘われてる話してたか?」
「え、う、うんっ」
されてなかったけど、勢いで頷いてしまった。
「いや、青百合も空手強ぇんたけどな。今通ってるとこのコーチの知り合いがそこの男子校で監督されてて」
黒田くんは一回言葉を切ってから、また続けた。
「そこの練習がな、厳しいらしいんだけど……、強くなれそうなんだよ」
黒田くんはまっすぐ私を見た。私の好きな目。芯のある瞳。
「うん」
私は頷きながら、ふと思う。これは随分、ゲームのシナリオから外れた展開だよな、って。
(もしかして、このまま、ゲームの強制力みたいなの、無視して行けちゃう?)
破滅エンド回避確定、だったり、します?
もちろん、2人とも無事に合格できたら、の話なんだけど。
(どうかな)
私は少し不安になる。周りみんなから見捨てられての、破滅エンド……。想像するだけで、ゾッとするけれど。
私は空を見上げる。霞のような桜色の向こうに、水色の空が広がっていて、私は思わず目を細めた。
横には大好きな黒田くんがいて、私の手を握ってくれている。
(大丈夫)
この先の未来が、ゲームの影響力があろうとなかろうと、きっと私は大丈夫。だって私は1人じゃないもの。
私は黒田くんを見上げた。黒田くんは私を見て、それからほんの少し、頬を緩めた。
桜の花びら越しの日が眩しいそんな日、いつものカフェで、ひよりちゃんは私と千晶ちゃんに、あっけらかんと言い放った。
「え、真さんに!?」
私は千晶ちゃんと顔を見合わせた。い、いつのまに!?
「ほかに誰がいるの~」
ぷう、と頬を膨らませるひよりちゃん。
「本気で好きになりそうな人がいるから、女遊びやめるって」
千晶ちゃんが「ぎゃあ」って顔でわたしを見て、私はぶんぶんと首を振った。なにそれ知らない。きっと別の人! 絶対。
「でもま、わたしも受験だし」
いーの、忘れて受験に専念するの、とひよりちゃんはショートケーキをぱくりと食べながら言った。
「だねー」
答えながら、ちょっと気が重くなる。前世も合わせて2度目の高校受験。前世では胃を悪くしたんだっけな。
「ひよりちゃんは音楽科受けるのは決定なの?」
「うん、音大行ってピアノの先生になりたいからねぇ」
「受験ってどんなことするの?」
私が聞くと、ひよりちゃんはカバンから楽譜を取り出してくれた。
「ばーん」
「うっわ、難しそう」
「結局月光ソナタは先生に却下されちゃったー」
千晶ちゃんが意外そうな顔をした。
「え、"月光"を?」
「うん。今度はモーツァルト。多分これで受験する」
楽譜を覗き込むと、やっぱり難しそう……。なんだこれ、数学の記号みたいなのたくさんだ。
「ほんと凄いよ、こんなの弾けるんだもんひよりちゃん!」
「あは、ありがと! これ暗譜して弾かなきゃなの。あと面接と英語の試験だよ」
「英語もあるのかぁ」
「凄い子は留学とかもあるからね。あ、ごめん、わたしもう行かなきゃだ」
慌てて席を立つひよりちゃん。
「あ、部活か」
今日は日曜だけど、午後練だけあるらしい。午前中はピアノ、午後はテニスと相変わらずひよりちゃんは大忙しだ。
またね、と手を振るひよりちゃんに手を振り返しながら、ふと私はさっきの疑問を千晶ちゃんにぶつけた。
「ね、千晶ちゃん」
「ん?」
「さっきなんで不思議そうな顔してたの?」
「ああ」
千晶ちゃんは上品な猫のような目をくるりとさせて、少し難しい顔をした。
「あのね、ひよりちゃんが悪役するはずだった"ブルームーン"では"月光"が重要なファクターだったの。ひよりちゃんも思い入れがあって、ゲームでも、確か受験でも弾いたみたいな話が出てた、はず」
千晶ちゃんは「もしかしたら」と話をつなげた。
「もう、"ゲームのシナリオ"とは全然違う世界になってるのかもね、少なくともひよりちゃんにとって」
"ゲーム"とは違う世界。そんな風になっているのではないか、というのは私も感じていたけど……。
(それがハッキリ現れてきたかんじ?)
そんな風に考えながら、頷いた。
それからしばらくお喋りして、私はカフェを出た。目指すは駅前のお花屋さん。「お墓まいり」とは言わず、華やかな感じの花束にしてもらう。きっとあの子は菊よりバラとかのが好きそうな気がするし。
(何も知らないけれど)
知っているのは、ただひたすらに自らの正義を信奉していたということだけーー。
お店を出て、バスに乗る。しばらく揺られていると、一年ぶりの霊園が見えた。
バス停のベンチに、その子はちょこんと腰掛けていた。
「石宮さん」
「あ。し、設楽さん。やほ」
「久しぶりだね」
そう言うと、石宮さんは控えめに笑った。
「何時くらいまで大丈夫なの?」
「夕方までに帰れば大丈夫、だよ」
「……保護観察処分、って、聞いたけど」
「う、うん、そうなの。レポートみたいの書いたりしてる。生活のこととか」
あと、と石宮さんは小さく言った。
「る、瑠璃……、じゃない、わたし、が騙しちゃった女の子たちに、謝って回ってるの。行ける範囲は直接で、遠い人には手紙で……も、もちろんその内直接謝りたいとは思ってるんだけど」
石宮さんは軽く目を伏せた。
「わたしのせいで、辛い目にあわせちゃった」
桜の下、ずらりと続く御影石の間を、そう話しながら歩く。そうして見つけた、やっぱりまだ新しい「松影」の名前が彫られたお墓。
石宮さんは自分の持ってきた花束を供えて、静かに目を閉じた。
しばらくそうしていただろうか。ふ、と顔を上げて振り向く。
「つ、付き合ってくれてありがと。ちゃんと……謝れた」
「謝る?」
「か、勝手に……わたし、ルナちゃんの敵討、みたいに思って突っ走ったから。勝手に利用して、ごめんなさいって」
「あー」
「それと、……設楽さんたちのこと、悪い子だって思い込んで、自分のことしか見えてないくせに、周りをまきこんで」
石宮さんはふと真剣な目になる。
「ごめんなさい」
「え」
勢いよく頭を下げられて、私は戸惑った。
「鍋島さんのところにも、近々謝りにいくつもりなの。お兄さんがなかなか会わせてくれない、んだけど」
真さんセキュリティ。私は苦笑した。
「じゃ、ま、またね」
「え?」
「お邪魔はしませんよう。てっとにまた怒られる、からっ」
ぱっ、と体を翻して走り出す石宮さん。
石宮さんが駆けていく方向から、見慣れた少年が歩いてくる。黒田くんだ。花束を持っている。
「おう」
すれ違う石宮さんに軽く手を挙げた。
石宮さんはぺこりと頭を下げて、また小走りに駆けて行った。
「黒田くん、なんで?」
「いや、来てるかなって」
「言ってくれたら良かったのに」
黒田くんは少し笑って「まぁな」と肩をすくめた。
それからお花を供えて、軽く手を合わせていた。
(松影ルナさん)
私もお花を供える。何を祈ればいいのかまだ分からないけれど、それでもやっと、手を合わせることができた。
黒田くんと並んで、出口の方に歩き出す。
「設楽」
黒田くんが私の髪から、桜の花びらをつまみ上げた。それからついでみたいに、髪の毛をサラリとすくう。
「髪、伸びたな」
「ん? あー、そろそろ切らなきゃ」
「似合うけどな」
「……長い方が好き?」
私が言うと、黒田くんは笑った。
「設楽はどっちが好きなんだよ」
「短い方」
「じゃー俺もそっち」
「む、適当?」
「ちげぇよ」
黒田くんは私の手を握る。
「素の設楽が好きなだけ」
「素?」
「俺あんまゴイリョクねーからなぁ」
黒田くんは少し考えるようにして、それから「まぁいいや」と私の手を引いた。
「長かろうが短かろうが設楽は設楽ってこと」
「まぁその通りなんだけど」
バス停で、バスを並んで待つ。手は繋いだまま。あったかい手。
「ひよりちゃんは青百合受けるみたいだよ」
「あー、なんか母さんが言ってたな」
私はほんの少しだけ、不安になる。きっとシナリオ通りに、黒田くんは青百合へ行くのだろうし……私はきっと別の高校へ進むから。私の知らないところで、2人に何かある、とか思ってるわけじゃない。わけじゃないけど、なんとなく、ヤキモチ。
(あーやっぱ私ワガママ)
頭では分かってるのにね。
「何シブい顔してんだ」
「し、しぶい」
そんな顔してましたか?
「なぁ設楽」
「なに?」
「何か不安とか心配とかあったら言えよ、なんでもいーよ」
「なんで?」
「俺にとって一番嫌なのが、設楽がなんか1人で抱え込んだりすることだから」
私はぱちぱち、と瞬きをして黒田くんを見た。
「マジで。マジでいやだから」
「そ、そんなに力説しなくても」
私はぎゅう、と手を強く握られて少し赤面する。
(私、バカだな)
こんなに想われてるのに、なに勝手に想像してヤキモチ妬いてるんだろ。
「……あのね、進路分かれるのやだなって」
ちょっとごまかして、そう呟いた。
「設楽女子校だよな。都内の」
「第一志望はね~」
受かるかわかんないけど。
「……俺、横浜の男子校受けようと思ってて」
「ん!? えと、あれ!? 青百合は!?」
「青百合? あれ俺、先輩に青百合誘われてる話してたか?」
「え、う、うんっ」
されてなかったけど、勢いで頷いてしまった。
「いや、青百合も空手強ぇんたけどな。今通ってるとこのコーチの知り合いがそこの男子校で監督されてて」
黒田くんは一回言葉を切ってから、また続けた。
「そこの練習がな、厳しいらしいんだけど……、強くなれそうなんだよ」
黒田くんはまっすぐ私を見た。私の好きな目。芯のある瞳。
「うん」
私は頷きながら、ふと思う。これは随分、ゲームのシナリオから外れた展開だよな、って。
(もしかして、このまま、ゲームの強制力みたいなの、無視して行けちゃう?)
破滅エンド回避確定、だったり、します?
もちろん、2人とも無事に合格できたら、の話なんだけど。
(どうかな)
私は少し不安になる。周りみんなから見捨てられての、破滅エンド……。想像するだけで、ゾッとするけれど。
私は空を見上げる。霞のような桜色の向こうに、水色の空が広がっていて、私は思わず目を細めた。
横には大好きな黒田くんがいて、私の手を握ってくれている。
(大丈夫)
この先の未来が、ゲームの影響力があろうとなかろうと、きっと私は大丈夫。だって私は1人じゃないもの。
私は黒田くんを見上げた。黒田くんは私を見て、それからほんの少し、頬を緩めた。
0
あなたにおすすめの小説
傷物令嬢は魔法使いの力を借りて婚約者を幸せにしたい
棗
恋愛
ローゼライト=シーラデンの額には傷がある。幼い頃、幼馴染のラルスに負わされた傷で責任を取る為に婚約が結ばれた。
しかしローゼライトは知っている。ラルスには他に愛する人がいると。この婚約はローゼライトの額に傷を負わせてしまったが為の婚約で、ラルスの気持ちが自分にはないと。
そこで、子供の時から交流のある魔法使いダヴィデにラルスとの婚約解消をしたいと依頼をするのであった。
ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する
ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。
皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。
ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。
なんとか成敗してみたい。
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる