598 / 702
【高校編】分岐・鹿王院樹
Shall we dance?
しおりを挟む
「だーめだよハナ、買ってもらわなきゃ」
「え、なんで」
桜もすっかり散ったとある土曜日、圭くんとイースターの話になった。ドレスは借りるって話をすると、圭くんに怒られた。
庭の四阿だ。鯉のいる池が見える。圭くんが写生しているのを見つけて、オヤツ片手に寄っていったのだ。
「ていうか、イツキもそろそろ買いに行こうって言うとおもうよ。ハナが借りるつもりなんて思ってない」
「でももったいなくない?」
ドレスなんか滅多に着ないし。てか何でもいいや、その場から浮いてなきゃ、なんて思っちゃう。
「これからは着る機会増えるとおもう」
「なんで?」
なんで、ばっかりだなぁ。
圭くんは私の鼻をつまんだ。
「そもそもハナがドレスなんか借りたら、鹿王院は許婚にドレスも買ってやらないのか、って言われちゃう」
「え」
そうなのか……。
私はぱちくりと圭くんを見つめた。
「それにハナ、そろそろイツキがお仕事で出かけてるパーティ、一緒にって誘われると思うよ。その、」
圭くんはほんの少し言い淀んだ。
「パートナーとして」
「……パートナー」
私は何度か瞬きをする。パートナー。将来の、伴侶。
(少なくとも、今の時点では、私はそう扱われるということ)
目を伏せた私に、圭くんは不思議そうに手を重ねた。
「ハナ?」
「あ、ごめん」
微笑んで圭くんを見あげた。…….そう、「見上げた」。圭くんは私の背を越してしまった。
(ほんと、一瞬だったよなぁ)
苦笑してしまう。可愛い可愛い弟だっていうのは変わらないんだけど。
「ねぇハナ、なにが不安なの?」
「なにが、って」
「イツキ、何か不安にさせてるの? ハナのこと?」
「そんなことないよ」
私はかぶりを振った。
「大事にされてるな、って思うよ」
「じゃあなんでそんな顔するの?」
「……、例えば」
私は口を開いた。
「例えば、樹くんに好きな人ができたらどうしよ、とかは思うかな。身の振り方とか」
「そんなこと心配してたの」
圭くんは呆れたように言った。
「そんなこと心配しなくて大丈夫、ハナ。ありえないから」
「そんなこと分からない」
私はむ、と口を尖らせた。
「ヒトの感情なんか一番分からない」
中でも恋なんか一瞬で落ちちゃうと思う。
「そうかも、だけど……でもハナ、仮に例えそうなったとしても、ハナが不安になることは何もないんだよ。ハナが思ってる以上に、ハナの立場は軽んじられるものじゃない」
圭くんは淡々と言う。
「それに、もしそうなったら」
「なったら?」
「……秘密」
まだね、と言って圭くんは微笑んだ。綺麗な翡翠の瞳。
私は首を傾げた。
しばらく圭くんが絵を描くのを眺めながらカリントウを食べた。銀座の老舗のカリントウ。最近のお気に入りです。銀座でしか買えないから買いだめしてしまう……。甘すぎないからいくらでも食べられちゃう。
「食べ過ぎじゃない?」
圭くんはスケッチ帳から目を離さずに言った。
「湿気たら美味しくないもーん」
言い訳と一緒に立ち上がった。怒られる前に退散だ。カリントウの袋を抱えて家に入る。部屋で宿題をしつつ、(カリントウも食べつつ)つい考えるのはドレスのこと。
(今月末の月曜かあ)
そんなに時間はない。
でも、樹くんが買ってくれようとくれまいと、どっちにしろレンタルはダメっぽい。周りから樹くんがそう見られるのはイヤだし。
(……なんでもいいって訳じゃないみたいだからなぁ)
セミアフタヌーンドレス準拠、らしい。厳密ではないみたいだけど、袖アリで、丈は膝からミモレくらい。
(私一人で決めるのは危険だなぁ)
レンタルならその中から選べば無難なのになぁ……。
(まぁゼータクな悩みだなぁ)
まぁ場から浮かなきゃいいよね。とりあえずデパートのお姉さんにでも聞けばいっか、と思っているとドアがノックされた。
「はい?」
「華」
樹くんの声がして、私は「どーぞ」と椅子から立ち上がった。朝から部活に行っていたけど、今日は半日練習だったみたいです。
「どうしたの?」
「今から大丈夫か?」
「なにが?」
「遅くなったがイースターのドレスをそろそろ買いにいこう」
樹くんは笑った。
「すまない、新学期と部活でバタバタしていてなかなか時間が」
「ええと、うん、大丈夫」
やっぱり買う前提だったのか、ていうか。
(パーティーのパートナーはもしかして、私、選んでもらえてるのでしょうか)
じっと樹くんを見上げた。樹くんは不思議そうに私を見た。
(うーん、もう決まってたりしたら恥ずかしいな、聞くの)
ダメ元だ。うん。
「樹くん、パーティーの、ね」
樹くんは不思議そうに瞬きをして、それから「はっ」という顔をした。
「済まない、その、」
(あ、他にいるんだ)
中等部から毎回ペアの子とかいるのかもだし。
「あ、いいの分かってる、単に一応聞こうかなって思っただけで」
「そうか」
樹くんは微笑んだ。
「華はダンスは」
「踊れるわけないじゃん」
見る専で行くつもり、っていうかこのままならサボる気満々だ。
「少し練習しよう」
「え、いいよう。私多分足踏むし」
ていうか、エスカレーター組は皆踊れるらしいので驚愕だ。
「スローワルツくらいなら大丈夫」
「えー」
「10くらいステップ覚えたらなんとか」
「じゅうっ!」
無理だー。いや、できるかもなんだけど(悪役令嬢スペック)やる気がない。だってダンスパーティーなんか参加して、樹くんが別の人とキャッキャしてるの見てどうすんの私。
暗い顔をしたのが気になったのか、樹くんは私の頬に手を当てた。
「華?」
「私、サボる」
「む」
「相手もいないし」
「?」
「? どうしたの?」
「華は俺のパートナーだろう」
「ん?」
首を傾げた。どっかから話がズレてたっぽいぞ、どうやら。
「ごめん樹くん、樹くん私とパートナー?」
「そのつもりだ、最初から」
不思議そうな樹くん。
「や、ごめん、その」
私は赤面しちゃうのを感じた。
「……樹くん、他にダンスのパートナーの人、いるのかなって」
樹くんはほんの少し眉を寄せて、それから「ふう、」と息をついた。
(あ、呆れられた?)
私は俯いた。許婚だから当然なのかな、一緒なの。
「華」
樹くんが両手で私の頬を包み込む。
「すまない、俺は本当に言葉が足りない」
「樹くん」
「配慮も足りない」
「や、ごめん、私」
「はっきり言おう。俺は華と参加したい。最初に謝ったのも、誘っていなかったことに、初めて気づいただけで」
樹くんは「華がパートナーなのは、当たり前だと思っていたから」とほんの少し小さい声で言う。ちょっと申し訳なさそう。
「それに、さっきのため息も自分に対して呆れているだけだ」
「?」
「俺は本当に成長しないなぁ」
「そんなこと、」
「華」
樹くんは片膝をついて、私の手を取った。
「俺のパートナーで参加してもらえないだろうか」
「え、と、その」
「俺と踊ってください」
私は取られた手を赤くなりながら見つめる。なんだろこの展開!
「は、い」
樹くんはじっと私を見つめて、何も言わず立ち上がった。それから少しためらった後に、私を抱きしめた。
「不安にさせて、済まなかった」
「……うん」
「久々にちゃんと参加するからな、楽しみだ」
「久々?」
私は樹くんを見上げた。
「うむ。中等部は全部サボった」
部活のやつらと、と樹くんは淡々と言う。
「え、さぼり?」
「幼稚園から毎年やっているからな、卵探し」
卵探して。言い方。
「さすがに飽きた」
「今年はいいの?」
樹くんは、ふ、と笑う。
「華と一緒だから」
「え」
「楽しみになってきた」
さらり、と髪を梳かれた。
「そもそもあれはなぁ、中等部まではともかく、一昔前まで高等部では半分お見合いの要素があったんだ」
「お見合いぃ?」
「今でこそその色は薄まったがな、昔の話だ」
樹くんはそう言って私の手を取った。
「何色のドレスがいい、華」
どんな色でもデザインでも似合うだろうが、なんて言って微笑んでくれる。
「ええと」
私は答えに詰まった。
(どうしよう)
急に楽しみになってきてしまった。自分でも単純だなぁと思うけど、急に色々迷いが出てくる。
(釣り合ってない、って周りの人に思われるのも嫌だし)
いや、もちろん釣り合ってないんだけどね。それでも、少しでもちゃんとしてみせたいってこと。
でもそれより何より、だ。
(私、樹くんに綺麗だなって思ってもらいたい)
うん、恋する乙女(?)はいつだってバカみたいなんです。
「え、なんで」
桜もすっかり散ったとある土曜日、圭くんとイースターの話になった。ドレスは借りるって話をすると、圭くんに怒られた。
庭の四阿だ。鯉のいる池が見える。圭くんが写生しているのを見つけて、オヤツ片手に寄っていったのだ。
「ていうか、イツキもそろそろ買いに行こうって言うとおもうよ。ハナが借りるつもりなんて思ってない」
「でももったいなくない?」
ドレスなんか滅多に着ないし。てか何でもいいや、その場から浮いてなきゃ、なんて思っちゃう。
「これからは着る機会増えるとおもう」
「なんで?」
なんで、ばっかりだなぁ。
圭くんは私の鼻をつまんだ。
「そもそもハナがドレスなんか借りたら、鹿王院は許婚にドレスも買ってやらないのか、って言われちゃう」
「え」
そうなのか……。
私はぱちくりと圭くんを見つめた。
「それにハナ、そろそろイツキがお仕事で出かけてるパーティ、一緒にって誘われると思うよ。その、」
圭くんはほんの少し言い淀んだ。
「パートナーとして」
「……パートナー」
私は何度か瞬きをする。パートナー。将来の、伴侶。
(少なくとも、今の時点では、私はそう扱われるということ)
目を伏せた私に、圭くんは不思議そうに手を重ねた。
「ハナ?」
「あ、ごめん」
微笑んで圭くんを見あげた。…….そう、「見上げた」。圭くんは私の背を越してしまった。
(ほんと、一瞬だったよなぁ)
苦笑してしまう。可愛い可愛い弟だっていうのは変わらないんだけど。
「ねぇハナ、なにが不安なの?」
「なにが、って」
「イツキ、何か不安にさせてるの? ハナのこと?」
「そんなことないよ」
私はかぶりを振った。
「大事にされてるな、って思うよ」
「じゃあなんでそんな顔するの?」
「……、例えば」
私は口を開いた。
「例えば、樹くんに好きな人ができたらどうしよ、とかは思うかな。身の振り方とか」
「そんなこと心配してたの」
圭くんは呆れたように言った。
「そんなこと心配しなくて大丈夫、ハナ。ありえないから」
「そんなこと分からない」
私はむ、と口を尖らせた。
「ヒトの感情なんか一番分からない」
中でも恋なんか一瞬で落ちちゃうと思う。
「そうかも、だけど……でもハナ、仮に例えそうなったとしても、ハナが不安になることは何もないんだよ。ハナが思ってる以上に、ハナの立場は軽んじられるものじゃない」
圭くんは淡々と言う。
「それに、もしそうなったら」
「なったら?」
「……秘密」
まだね、と言って圭くんは微笑んだ。綺麗な翡翠の瞳。
私は首を傾げた。
しばらく圭くんが絵を描くのを眺めながらカリントウを食べた。銀座の老舗のカリントウ。最近のお気に入りです。銀座でしか買えないから買いだめしてしまう……。甘すぎないからいくらでも食べられちゃう。
「食べ過ぎじゃない?」
圭くんはスケッチ帳から目を離さずに言った。
「湿気たら美味しくないもーん」
言い訳と一緒に立ち上がった。怒られる前に退散だ。カリントウの袋を抱えて家に入る。部屋で宿題をしつつ、(カリントウも食べつつ)つい考えるのはドレスのこと。
(今月末の月曜かあ)
そんなに時間はない。
でも、樹くんが買ってくれようとくれまいと、どっちにしろレンタルはダメっぽい。周りから樹くんがそう見られるのはイヤだし。
(……なんでもいいって訳じゃないみたいだからなぁ)
セミアフタヌーンドレス準拠、らしい。厳密ではないみたいだけど、袖アリで、丈は膝からミモレくらい。
(私一人で決めるのは危険だなぁ)
レンタルならその中から選べば無難なのになぁ……。
(まぁゼータクな悩みだなぁ)
まぁ場から浮かなきゃいいよね。とりあえずデパートのお姉さんにでも聞けばいっか、と思っているとドアがノックされた。
「はい?」
「華」
樹くんの声がして、私は「どーぞ」と椅子から立ち上がった。朝から部活に行っていたけど、今日は半日練習だったみたいです。
「どうしたの?」
「今から大丈夫か?」
「なにが?」
「遅くなったがイースターのドレスをそろそろ買いにいこう」
樹くんは笑った。
「すまない、新学期と部活でバタバタしていてなかなか時間が」
「ええと、うん、大丈夫」
やっぱり買う前提だったのか、ていうか。
(パーティーのパートナーはもしかして、私、選んでもらえてるのでしょうか)
じっと樹くんを見上げた。樹くんは不思議そうに私を見た。
(うーん、もう決まってたりしたら恥ずかしいな、聞くの)
ダメ元だ。うん。
「樹くん、パーティーの、ね」
樹くんは不思議そうに瞬きをして、それから「はっ」という顔をした。
「済まない、その、」
(あ、他にいるんだ)
中等部から毎回ペアの子とかいるのかもだし。
「あ、いいの分かってる、単に一応聞こうかなって思っただけで」
「そうか」
樹くんは微笑んだ。
「華はダンスは」
「踊れるわけないじゃん」
見る専で行くつもり、っていうかこのままならサボる気満々だ。
「少し練習しよう」
「え、いいよう。私多分足踏むし」
ていうか、エスカレーター組は皆踊れるらしいので驚愕だ。
「スローワルツくらいなら大丈夫」
「えー」
「10くらいステップ覚えたらなんとか」
「じゅうっ!」
無理だー。いや、できるかもなんだけど(悪役令嬢スペック)やる気がない。だってダンスパーティーなんか参加して、樹くんが別の人とキャッキャしてるの見てどうすんの私。
暗い顔をしたのが気になったのか、樹くんは私の頬に手を当てた。
「華?」
「私、サボる」
「む」
「相手もいないし」
「?」
「? どうしたの?」
「華は俺のパートナーだろう」
「ん?」
首を傾げた。どっかから話がズレてたっぽいぞ、どうやら。
「ごめん樹くん、樹くん私とパートナー?」
「そのつもりだ、最初から」
不思議そうな樹くん。
「や、ごめん、その」
私は赤面しちゃうのを感じた。
「……樹くん、他にダンスのパートナーの人、いるのかなって」
樹くんはほんの少し眉を寄せて、それから「ふう、」と息をついた。
(あ、呆れられた?)
私は俯いた。許婚だから当然なのかな、一緒なの。
「華」
樹くんが両手で私の頬を包み込む。
「すまない、俺は本当に言葉が足りない」
「樹くん」
「配慮も足りない」
「や、ごめん、私」
「はっきり言おう。俺は華と参加したい。最初に謝ったのも、誘っていなかったことに、初めて気づいただけで」
樹くんは「華がパートナーなのは、当たり前だと思っていたから」とほんの少し小さい声で言う。ちょっと申し訳なさそう。
「それに、さっきのため息も自分に対して呆れているだけだ」
「?」
「俺は本当に成長しないなぁ」
「そんなこと、」
「華」
樹くんは片膝をついて、私の手を取った。
「俺のパートナーで参加してもらえないだろうか」
「え、と、その」
「俺と踊ってください」
私は取られた手を赤くなりながら見つめる。なんだろこの展開!
「は、い」
樹くんはじっと私を見つめて、何も言わず立ち上がった。それから少しためらった後に、私を抱きしめた。
「不安にさせて、済まなかった」
「……うん」
「久々にちゃんと参加するからな、楽しみだ」
「久々?」
私は樹くんを見上げた。
「うむ。中等部は全部サボった」
部活のやつらと、と樹くんは淡々と言う。
「え、さぼり?」
「幼稚園から毎年やっているからな、卵探し」
卵探して。言い方。
「さすがに飽きた」
「今年はいいの?」
樹くんは、ふ、と笑う。
「華と一緒だから」
「え」
「楽しみになってきた」
さらり、と髪を梳かれた。
「そもそもあれはなぁ、中等部まではともかく、一昔前まで高等部では半分お見合いの要素があったんだ」
「お見合いぃ?」
「今でこそその色は薄まったがな、昔の話だ」
樹くんはそう言って私の手を取った。
「何色のドレスがいい、華」
どんな色でもデザインでも似合うだろうが、なんて言って微笑んでくれる。
「ええと」
私は答えに詰まった。
(どうしよう)
急に楽しみになってきてしまった。自分でも単純だなぁと思うけど、急に色々迷いが出てくる。
(釣り合ってない、って周りの人に思われるのも嫌だし)
いや、もちろん釣り合ってないんだけどね。それでも、少しでもちゃんとしてみせたいってこと。
でもそれより何より、だ。
(私、樹くんに綺麗だなって思ってもらいたい)
うん、恋する乙女(?)はいつだってバカみたいなんです。
10
あなたにおすすめの小説
傷物令嬢は魔法使いの力を借りて婚約者を幸せにしたい
棗
恋愛
ローゼライト=シーラデンの額には傷がある。幼い頃、幼馴染のラルスに負わされた傷で責任を取る為に婚約が結ばれた。
しかしローゼライトは知っている。ラルスには他に愛する人がいると。この婚約はローゼライトの額に傷を負わせてしまったが為の婚約で、ラルスの気持ちが自分にはないと。
そこで、子供の時から交流のある魔法使いダヴィデにラルスとの婚約解消をしたいと依頼をするのであった。
ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する
ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。
皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。
ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。
なんとか成敗してみたい。
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる