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【高校編】分岐・鹿王院樹
秋は人恋しく
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「あーんにゅい」
私は家の広縁で足の爪を切っていた樹くんの背中にくっつく。
ぱちん、ぱちん、というリズミカルな音。樹くんはサッカーをしているから、こまめに爪を切る。伸びてると、ボールを蹴った時とかに割れてしまうらしい。
「どうした」
樹くんは爪切りを床に置いて振り返る。
「アンニュイなの、秋だから」
「腹が減っているのではないか?」
樹くんはにやりと笑って言った。
「私だって年がら年中、お腹すかせてる訳ではないんでーす」
頬を膨らませて言うと、こちらに向き直った樹くんは私の頬を片手で潰した。
「何か甘いものでも食べに行くか」
「……賛成」
結局私は食欲には勝てない。気がついたら、駅前のカフェでサツマイモタルトかかぼちゃタルトかでうんうんと唸ってしまっていた。
「両方食べたらいいじゃないか」
「そ、そう言うわけにも」
太る。最近、なにやら肉付きが良くなってきてしまっている感があるのだ。特に胸とお尻。
(お胸のサイズが……)
いい加減、胸ばっか見られるのは慣れてきたけど(嫌だけど)太って見えるのでイヤなのだ……ほんとうに太ってるわけではないと信じたい。うん。
「では半分ずつ食べよう」
「いいの!?」
思わず目を輝かせると、樹くんは嬉しそうに笑った。……私を太らせるのが楽しいとかじゃないよね?
注文を済ませて、他愛ない話をする。
じきにタルトがふたつ、運ばれてきた。美味しそう!
にこにこと口に運んでいると、樹くんと目があった。
「……なに?」
「いや、幸せそうに食べるなと」
「幸せだもん」
私はサツマイモタルトを一口大、フォークに刺して樹くんに差し出した。あーんして、だ。樹くんはちょっと驚いた顔をする。
「ふふ、食べて」
「……甘そうだ」
樹くんは少し眉を寄せた。む、照れてるな? かわいい奴め。
思わずにっこりしてしまう。樹くんの眉間のシワはまた深くなった。照れ屋さんだ。
「はい、あーん」
いつまでも食べない樹くんにしびれをきらせて、私は樹くんの口に無理やりタルトを押し込んだ。
「む、」
「おいしい?」
自分が作ったわけでもないのに、私は首を傾げて尋ねた。樹くんは「美味しい」と真剣に返してきた。
「ふふ、ここの美味しいよねぇ」
「華が」
樹くんは真剣な顔のまま言う。
「華が食べさせてくれたからかもしれない」
「あは、なにそれ」
私はかぼちゃタルトも一口大にする。
「じゃあこっちも」
今度は観念したのか、素直に口を開けた。歯並びがいいなぁ、なんて思う。
「……うまい」
「それも私が食べさせたから?」
からかうように聞くと、樹くんは重々しく頷いた。
「うむ」
「なにそれ」
ふふふ、と笑う。
「自分でも食べてみてよ、変わらないから」
「変わる」
「変わらないって」
「いや、変わる」
なんでしょ、この押し問答。
その時、からん、とカフェのドアベルが鳴った。
「いらっしゃいませー」
店員さんがそう言って、動きを止める。
「?」
私は不思議に思って扉をみやるけどーー納得だ。ていうか、さすが私と千晶ちゃんの最高傑作(?)。
「……生物の、野宮先生だな」
「だねぇ」
うふふ、と私は笑いをこらえる。野宮藤司、先生。両手に重そうな紙袋を持っている。
夏に"前世の記憶"があることが判明してからこっち、うまいこと言いくるめてビジュアルだけでも"ゲーム"のトージ先生に近づけようと、あの手この手で改造してきたのだ。
美容院に連行して、ボサボサだった髪を切ってもらいトリートメントしてもらい(費用は私と千晶ちゃんで)、服装を整えさせて清潔感を出し、メガネをデザインが綺麗なやつに変えてもらった。あとは姿勢が気になるけど、それは一朝一夕ではどうにもならない。会うたびに「ぴしっとして!」と言っている気がする……。
けれど、それだけでトージ先生はとんでもないイケメンに変身した。
正直、学内の女子の手のひら返しは凄かった。くるっくるだ。休み時間や放課後は「質問」に来る女生徒が後を絶たない。
先生も根が真面目なものだから、きっちりきっちり答えていて、それがまた高評価を生んでいた。
(てか、ふつーにいいヒトなんだよな)
生徒を蔑ろにしないし。相変わらず、黒板向いて授業してる感はあるけど。
ただ、本人曰く女子人気は「困る」らしかった。
「だって、きゅきゅたん本描く時間がないんですよ!?」
だ、そうで……。結局きゅきゅたんは草の根運動でファンを増やすことにしたらしい。SNSや同人誌即売会でイラストや漫画をあげていっているようだ。
(さすがは千晶ちゃん、真さんの妹……)
うまいこと丸め込みましたね。
そんなことを思い出していると、トージ先生はこちらに気づいた。
「やぁ設楽さん」
「こんにちは野宮先生」
にこり、と笑うと、先生は隣のテーブルにどさり! と紙袋を置いた。
「今日はきゅきゅたんの資料集めだったんですがね」
「はぁ」
「見てくださいこれ」
先生が出した薄い本が視界に入った瞬間、私は立ち上がり、向かいに座る樹くんの目を塞いだ。
「!? 華?」
「オコサマは見てはなりません」
「いや華も見てはいけない感じだったぞ!?」
明らかに18禁な表紙の薄い本。何描こうとしてんだこのヒト!
「はっはっは、鹿王院くん、このヒトの中身は大概BBAですよ」
「失礼なっ、てか閉まってくださいっ」
先生は「本当のことでしょうに」とブツブツ言いながらそれをしまった。
私は樹くんから手を離す。
「で、なんでそんなモン女子高生に急に見せてきたんですか、セクハラです」
「女子高生?」
「女子高生!」
べえっと舌を出して言い返す。
「てか大人相手でもダメ!」
「いや単にこれを見て欲しかったんですよ」
先生は表紙をコソコソ隠しながら、あとがきのページだけ開いた。
「ほら、きゅきゅたん」
「"最近ハマってる絵師さんのキャラ"……え、すごいじゃないですか!」
あとがきにちらっと描いてるだけだけど。
「ふふふ、この本は大手さんですからね。あっという間に広がりますよう!」
「よ、良かったですね……」
ハイテンションのトージ先生は、運ばれてきたホットコーヒーをガブガブ飲むと(ホットコーヒーなんて熱そうなもの、よくもまぁあんなにガブガブ飲める……)爽やかなんだか爽やかじゃないんだかよく分からない笑顔を残して店を出ていった。
「……未だにきゅきゅたんが良く分からないのだが」
「心配しないで、私もわかんないから」
ぱくり、とタルトを食べてにっこりと笑う。
「華」
「なぁに」
「なぜ中身がオトナなどと言われる」
BBAをオトナに言い換えてくれていた。樹くんやさしい。
「……さぁ?」
はぐらかすように笑うと、樹くんはほんの少し、照れるのとは違う眉のひそめ方をした。
「仲がいいんだな」
「そういう訳じゃないけど」
(なんだろ)
ヤキモチ、だったりして。
(違うか)
すぐに自分の考えを打ち消した。単に急にあんな本見せてくる教師と"許婚"が親しそうなのが心配になったんだろう。
「トージ先生、普段からあんなことしてくる訳じゃないよ」
「普段から」
樹くんはそう繰り返して、少し怖い目つきで私を見た。
私は家の広縁で足の爪を切っていた樹くんの背中にくっつく。
ぱちん、ぱちん、というリズミカルな音。樹くんはサッカーをしているから、こまめに爪を切る。伸びてると、ボールを蹴った時とかに割れてしまうらしい。
「どうした」
樹くんは爪切りを床に置いて振り返る。
「アンニュイなの、秋だから」
「腹が減っているのではないか?」
樹くんはにやりと笑って言った。
「私だって年がら年中、お腹すかせてる訳ではないんでーす」
頬を膨らませて言うと、こちらに向き直った樹くんは私の頬を片手で潰した。
「何か甘いものでも食べに行くか」
「……賛成」
結局私は食欲には勝てない。気がついたら、駅前のカフェでサツマイモタルトかかぼちゃタルトかでうんうんと唸ってしまっていた。
「両方食べたらいいじゃないか」
「そ、そう言うわけにも」
太る。最近、なにやら肉付きが良くなってきてしまっている感があるのだ。特に胸とお尻。
(お胸のサイズが……)
いい加減、胸ばっか見られるのは慣れてきたけど(嫌だけど)太って見えるのでイヤなのだ……ほんとうに太ってるわけではないと信じたい。うん。
「では半分ずつ食べよう」
「いいの!?」
思わず目を輝かせると、樹くんは嬉しそうに笑った。……私を太らせるのが楽しいとかじゃないよね?
注文を済ませて、他愛ない話をする。
じきにタルトがふたつ、運ばれてきた。美味しそう!
にこにこと口に運んでいると、樹くんと目があった。
「……なに?」
「いや、幸せそうに食べるなと」
「幸せだもん」
私はサツマイモタルトを一口大、フォークに刺して樹くんに差し出した。あーんして、だ。樹くんはちょっと驚いた顔をする。
「ふふ、食べて」
「……甘そうだ」
樹くんは少し眉を寄せた。む、照れてるな? かわいい奴め。
思わずにっこりしてしまう。樹くんの眉間のシワはまた深くなった。照れ屋さんだ。
「はい、あーん」
いつまでも食べない樹くんにしびれをきらせて、私は樹くんの口に無理やりタルトを押し込んだ。
「む、」
「おいしい?」
自分が作ったわけでもないのに、私は首を傾げて尋ねた。樹くんは「美味しい」と真剣に返してきた。
「ふふ、ここの美味しいよねぇ」
「華が」
樹くんは真剣な顔のまま言う。
「華が食べさせてくれたからかもしれない」
「あは、なにそれ」
私はかぼちゃタルトも一口大にする。
「じゃあこっちも」
今度は観念したのか、素直に口を開けた。歯並びがいいなぁ、なんて思う。
「……うまい」
「それも私が食べさせたから?」
からかうように聞くと、樹くんは重々しく頷いた。
「うむ」
「なにそれ」
ふふふ、と笑う。
「自分でも食べてみてよ、変わらないから」
「変わる」
「変わらないって」
「いや、変わる」
なんでしょ、この押し問答。
その時、からん、とカフェのドアベルが鳴った。
「いらっしゃいませー」
店員さんがそう言って、動きを止める。
「?」
私は不思議に思って扉をみやるけどーー納得だ。ていうか、さすが私と千晶ちゃんの最高傑作(?)。
「……生物の、野宮先生だな」
「だねぇ」
うふふ、と私は笑いをこらえる。野宮藤司、先生。両手に重そうな紙袋を持っている。
夏に"前世の記憶"があることが判明してからこっち、うまいこと言いくるめてビジュアルだけでも"ゲーム"のトージ先生に近づけようと、あの手この手で改造してきたのだ。
美容院に連行して、ボサボサだった髪を切ってもらいトリートメントしてもらい(費用は私と千晶ちゃんで)、服装を整えさせて清潔感を出し、メガネをデザインが綺麗なやつに変えてもらった。あとは姿勢が気になるけど、それは一朝一夕ではどうにもならない。会うたびに「ぴしっとして!」と言っている気がする……。
けれど、それだけでトージ先生はとんでもないイケメンに変身した。
正直、学内の女子の手のひら返しは凄かった。くるっくるだ。休み時間や放課後は「質問」に来る女生徒が後を絶たない。
先生も根が真面目なものだから、きっちりきっちり答えていて、それがまた高評価を生んでいた。
(てか、ふつーにいいヒトなんだよな)
生徒を蔑ろにしないし。相変わらず、黒板向いて授業してる感はあるけど。
ただ、本人曰く女子人気は「困る」らしかった。
「だって、きゅきゅたん本描く時間がないんですよ!?」
だ、そうで……。結局きゅきゅたんは草の根運動でファンを増やすことにしたらしい。SNSや同人誌即売会でイラストや漫画をあげていっているようだ。
(さすがは千晶ちゃん、真さんの妹……)
うまいこと丸め込みましたね。
そんなことを思い出していると、トージ先生はこちらに気づいた。
「やぁ設楽さん」
「こんにちは野宮先生」
にこり、と笑うと、先生は隣のテーブルにどさり! と紙袋を置いた。
「今日はきゅきゅたんの資料集めだったんですがね」
「はぁ」
「見てくださいこれ」
先生が出した薄い本が視界に入った瞬間、私は立ち上がり、向かいに座る樹くんの目を塞いだ。
「!? 華?」
「オコサマは見てはなりません」
「いや華も見てはいけない感じだったぞ!?」
明らかに18禁な表紙の薄い本。何描こうとしてんだこのヒト!
「はっはっは、鹿王院くん、このヒトの中身は大概BBAですよ」
「失礼なっ、てか閉まってくださいっ」
先生は「本当のことでしょうに」とブツブツ言いながらそれをしまった。
私は樹くんから手を離す。
「で、なんでそんなモン女子高生に急に見せてきたんですか、セクハラです」
「女子高生?」
「女子高生!」
べえっと舌を出して言い返す。
「てか大人相手でもダメ!」
「いや単にこれを見て欲しかったんですよ」
先生は表紙をコソコソ隠しながら、あとがきのページだけ開いた。
「ほら、きゅきゅたん」
「"最近ハマってる絵師さんのキャラ"……え、すごいじゃないですか!」
あとがきにちらっと描いてるだけだけど。
「ふふふ、この本は大手さんですからね。あっという間に広がりますよう!」
「よ、良かったですね……」
ハイテンションのトージ先生は、運ばれてきたホットコーヒーをガブガブ飲むと(ホットコーヒーなんて熱そうなもの、よくもまぁあんなにガブガブ飲める……)爽やかなんだか爽やかじゃないんだかよく分からない笑顔を残して店を出ていった。
「……未だにきゅきゅたんが良く分からないのだが」
「心配しないで、私もわかんないから」
ぱくり、とタルトを食べてにっこりと笑う。
「華」
「なぁに」
「なぜ中身がオトナなどと言われる」
BBAをオトナに言い換えてくれていた。樹くんやさしい。
「……さぁ?」
はぐらかすように笑うと、樹くんはほんの少し、照れるのとは違う眉のひそめ方をした。
「仲がいいんだな」
「そういう訳じゃないけど」
(なんだろ)
ヤキモチ、だったりして。
(違うか)
すぐに自分の考えを打ち消した。単に急にあんな本見せてくる教師と"許婚"が親しそうなのが心配になったんだろう。
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