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【高校編】分岐・鹿王院樹
ゴールゴールゴールゴールゴール!
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「あ、ほら千晶ちゃん、あの子」
「ほんとに有名な人だったのね」
ピッチに入場してきたフランス代表の男の子を、私は指差した。リュカ・メフシィ、金髪碧眼な男の子。樹くんの友達で、私がピンチな時に助けてくれた恩人だ。
「全然記憶ないけど、幼稚園が一緒だったんだって」
「へえ、数奇なかんじ」
「ねー」
そう返事をしながら、私は背番号12の樹くんをじっと見た。あんまり調子が良くないらしい背番号1の代わりに、グループリーグ2戦目からスタメン出場している。
(が、頑張って)
ふと、目があった気がする。気のせいかもなんだけど、でもどきりとした。
(? なんだか、うん、精悍)
いつもより気合いが入ってる感じもするなぁ、なんて思った。
……まぁぶっちゃけ、かっこいい。世界中に叫びたい、私の恋人はこんなにかっこいいんですよ、なんて。
(実際はそんな勇気ないんだけどね)
心の中で、そっとため息をつく。だって私、未だに自分が樹くんに相応しいなんて思えないしさ。釣り合ってないよね。ちぇ。
試合展開はサッカーど素人の私でもわかるくらい、均衡したものだった。
「おー、リュカくん、上手なんだね」
千晶ちゃんが感心したように言った。
「ねー」
全然知らなかったけれど。でも今のところ無失点! 失点イコール、キーパーのミスではないけれど(キッカーの方が有利だよね、そりゃ)無失点なのは安心する。
試合は後半になっても0ー0のまま。
ぽたり、と、頬に触れた水分に、ふと空を見上げた。
「あー、降ってきちゃったね」
「ね」
予報は出ていたのだ。雨になるらしい、とは。私たちは持参していたレインコートを着る。
「中止とかにはならないのかな」
「どうなんだろう?」
結構降ってきてるし、ボールも蹴りにくそうだと思う。滑るだろうし。
そんな最中、日本はファールを取られた。直接FKを取られるーー距離はあるけれど。樹くんが集中してるのがわかった。応援の声もかけられず、ただ祈る。
「あ、あの子蹴るんだ」
「リュカくん」
リュカくんともう一人の選手が、FKを蹴る準備をしている。雨はどんどん強くなる。ざあざあと言う音。
審判の笛がなる。
ボールを蹴ったのはリュカくんで、ボールは壁を超えて正確にゴール右隅へーーでも樹くんの手が届いた。弾かれたボールはピッチの外へ。
「……華ちゃん!?」
千晶ちゃんの声で、私ははふうと息を吐いた。緊張して息を止めてしまっていた。はぁはぁと息を吸い込む。
「セルフ窒息死するとこだった……」
「もう、息くらいちゃんとしてよ!」
危ないなあ、と背中をさすられた。いやはや、ご迷惑おかけして……。
そのまま、延長戦が終わっても、スコアは変わらず。
「えーと、もうトーナメントだからPK戦になるのかな」
「みたいだね」
どきどきしながら、それを見守る。
5人が蹴る。それ以降はサドンデス方式で、日本は後攻みたいだった。
「PKってキッカー有利なんだよね」
「もちろん駆け引きはあるんだろうけどね……」
成功率は75パーセント、らしい。つまり25パーセントは止められる。
私は返事をしながらただ祈る。
「ち、直視できない……」
心臓がどきどきして落ち着かない。
当の樹くんは落ち着いているように見えた。軽く目を閉じて、ふう、と大きく呼吸するのが見える。ゆっくりと目を開く。眼光がすごい。
「かっこいいね」
千晶ちゃんが言う。私はうんうんと頷くけど声が出ない。緊張しすぎてる!
「え、息してる?」
またもうんうんと無言で頷くと、千晶ちゃんが笑った。
ひとりめ。思わず目を閉じそうになるのを耐えて目を見開く。
「ひゃあ、」
ボールがネットを揺らす。樹くんは少し悔しそうにしたけれど、落ち着いて交代した。
後攻の日本側もきっちり決めて、2人目、3人目も同じように続いていく。
「やば、変な汗出てる……、って華ちゃん、息! 息!」
言われて、慌てて息をし直した。
そして4人め。
笛がなり響き、キッカーがボールを蹴る。きれいなインステップキック。
横っ飛びに、樹くんがボールを弾いた。歓声が上がる。日の丸が揺れた。
「やったあっ」
私は叫んで、千晶ちゃんと手を叩きあう。雨なんか気にならない。顔が濡れてるけれど、涙かもしれないし雨かもしれない。
けれど、後攻のこちらのボールも止められてしまう。
次が5人め。もし同点ならサドンデス突入だ。
樹くんはふうっと息を吐いた。
雨がざあざあと降り続く。
(からだ、冷えてないかな)
冷えてるよね、と思う。でも樹くんはそんなそぶりを見せず、ただしっかりとゴール前に立った。
ボールはゴールを大きく外れた。雨で滑ったのかもしれない。
「うう、決めてー……」
私たちは祈る。ピッチの樹くんたちも、肩を組んでキッカーを見守る。
けれど、ボールは止められてしまった。落胆のような声が周りからもれる。
(サドンデス、か)
樹くんが止めて、日本が決めたらそこで勝利。でも、逆ならそこで試合終了ーー。
緊張がすごい。心臓が口から飛び出そうだ。きゅう、と千晶ちゃんの手を握った。
雨の中、樹くんはちらりとこちらを一瞬見た、ような気がした。それからすっと正面を向く。
6人めのキッカーは、リュカくんだ。なにかを微笑んで、樹くんに言っているようだった。樹くんも挑戦的に笑い返す。遠くてなにも聞こえないけれど。
審判が笛を吹いて、ボールが蹴られる。樹くんはインパクトと同時に動いて、そしてボールをきっちりと弾いた。
上がる歓声。
樹くんは手を挙げて応えた。うう、かっこいいよー。
そして6人めの日本のキッカーは、なんと樹くんだった。
「え!? 樹くん!?」
私は千晶ちゃんにしがみつく。樹くんなの!? 蹴るの!?
ペナルティマークに置かれたボール。樹くんは数歩下がって、背筋を伸ばした。
まっすぐの弾道ーー。
ぱさりとネットを揺らした。割れるような歓声、チームメイトに揉みくちゃにされる樹くん。
揉みくちゃにされながら、樹くんは左手の薬指に口付けて私の方をイタズラっぽく見て笑う。
(あ! これか!)
出国する前に言ってたやつ。"試合ちゃんと見ておけよ"
(うわぁあ)
頬に熱が集まる。嬉しい、恥ずかしい、嬉しい! さっきと違うドキドキで思わず身を縮めた。
「あらー、らぶらぶね」
からかうように千晶ちゃんが笑った。
「まだ17だろ、鹿王院、ませてんな」
「しかしよく決めたなー」
前の席のひとたちが楽しげに笑う。
「ゆりかごダンスも近かったりして」
「あはは」
初めて聞いた単語で、首を傾げた。
(ゆりかごダンス?)
千晶ちゃんがクスクス笑った。
「赤ちゃん産まれてすぐのゴールで、お祝いにするパフォーマンスみたいだよ」
「あ、赤ちゃ」
私は一人で赤くなる。
「楽しみにしてるね」
「やめてよう」
からかう千晶ちゃんの声に、ピッチで手を振る樹くんの顔がまともに見られない。
からかわれて気恥ずかしってだけじゃなくて、うん、だって、雨でべしょべしょの樹くんが、いつも以上にかっこよく見えるんだもん!
「ほんとに有名な人だったのね」
ピッチに入場してきたフランス代表の男の子を、私は指差した。リュカ・メフシィ、金髪碧眼な男の子。樹くんの友達で、私がピンチな時に助けてくれた恩人だ。
「全然記憶ないけど、幼稚園が一緒だったんだって」
「へえ、数奇なかんじ」
「ねー」
そう返事をしながら、私は背番号12の樹くんをじっと見た。あんまり調子が良くないらしい背番号1の代わりに、グループリーグ2戦目からスタメン出場している。
(が、頑張って)
ふと、目があった気がする。気のせいかもなんだけど、でもどきりとした。
(? なんだか、うん、精悍)
いつもより気合いが入ってる感じもするなぁ、なんて思った。
……まぁぶっちゃけ、かっこいい。世界中に叫びたい、私の恋人はこんなにかっこいいんですよ、なんて。
(実際はそんな勇気ないんだけどね)
心の中で、そっとため息をつく。だって私、未だに自分が樹くんに相応しいなんて思えないしさ。釣り合ってないよね。ちぇ。
試合展開はサッカーど素人の私でもわかるくらい、均衡したものだった。
「おー、リュカくん、上手なんだね」
千晶ちゃんが感心したように言った。
「ねー」
全然知らなかったけれど。でも今のところ無失点! 失点イコール、キーパーのミスではないけれど(キッカーの方が有利だよね、そりゃ)無失点なのは安心する。
試合は後半になっても0ー0のまま。
ぽたり、と、頬に触れた水分に、ふと空を見上げた。
「あー、降ってきちゃったね」
「ね」
予報は出ていたのだ。雨になるらしい、とは。私たちは持参していたレインコートを着る。
「中止とかにはならないのかな」
「どうなんだろう?」
結構降ってきてるし、ボールも蹴りにくそうだと思う。滑るだろうし。
そんな最中、日本はファールを取られた。直接FKを取られるーー距離はあるけれど。樹くんが集中してるのがわかった。応援の声もかけられず、ただ祈る。
「あ、あの子蹴るんだ」
「リュカくん」
リュカくんともう一人の選手が、FKを蹴る準備をしている。雨はどんどん強くなる。ざあざあと言う音。
審判の笛がなる。
ボールを蹴ったのはリュカくんで、ボールは壁を超えて正確にゴール右隅へーーでも樹くんの手が届いた。弾かれたボールはピッチの外へ。
「……華ちゃん!?」
千晶ちゃんの声で、私ははふうと息を吐いた。緊張して息を止めてしまっていた。はぁはぁと息を吸い込む。
「セルフ窒息死するとこだった……」
「もう、息くらいちゃんとしてよ!」
危ないなあ、と背中をさすられた。いやはや、ご迷惑おかけして……。
そのまま、延長戦が終わっても、スコアは変わらず。
「えーと、もうトーナメントだからPK戦になるのかな」
「みたいだね」
どきどきしながら、それを見守る。
5人が蹴る。それ以降はサドンデス方式で、日本は後攻みたいだった。
「PKってキッカー有利なんだよね」
「もちろん駆け引きはあるんだろうけどね……」
成功率は75パーセント、らしい。つまり25パーセントは止められる。
私は返事をしながらただ祈る。
「ち、直視できない……」
心臓がどきどきして落ち着かない。
当の樹くんは落ち着いているように見えた。軽く目を閉じて、ふう、と大きく呼吸するのが見える。ゆっくりと目を開く。眼光がすごい。
「かっこいいね」
千晶ちゃんが言う。私はうんうんと頷くけど声が出ない。緊張しすぎてる!
「え、息してる?」
またもうんうんと無言で頷くと、千晶ちゃんが笑った。
ひとりめ。思わず目を閉じそうになるのを耐えて目を見開く。
「ひゃあ、」
ボールがネットを揺らす。樹くんは少し悔しそうにしたけれど、落ち着いて交代した。
後攻の日本側もきっちり決めて、2人目、3人目も同じように続いていく。
「やば、変な汗出てる……、って華ちゃん、息! 息!」
言われて、慌てて息をし直した。
そして4人め。
笛がなり響き、キッカーがボールを蹴る。きれいなインステップキック。
横っ飛びに、樹くんがボールを弾いた。歓声が上がる。日の丸が揺れた。
「やったあっ」
私は叫んで、千晶ちゃんと手を叩きあう。雨なんか気にならない。顔が濡れてるけれど、涙かもしれないし雨かもしれない。
けれど、後攻のこちらのボールも止められてしまう。
次が5人め。もし同点ならサドンデス突入だ。
樹くんはふうっと息を吐いた。
雨がざあざあと降り続く。
(からだ、冷えてないかな)
冷えてるよね、と思う。でも樹くんはそんなそぶりを見せず、ただしっかりとゴール前に立った。
ボールはゴールを大きく外れた。雨で滑ったのかもしれない。
「うう、決めてー……」
私たちは祈る。ピッチの樹くんたちも、肩を組んでキッカーを見守る。
けれど、ボールは止められてしまった。落胆のような声が周りからもれる。
(サドンデス、か)
樹くんが止めて、日本が決めたらそこで勝利。でも、逆ならそこで試合終了ーー。
緊張がすごい。心臓が口から飛び出そうだ。きゅう、と千晶ちゃんの手を握った。
雨の中、樹くんはちらりとこちらを一瞬見た、ような気がした。それからすっと正面を向く。
6人めのキッカーは、リュカくんだ。なにかを微笑んで、樹くんに言っているようだった。樹くんも挑戦的に笑い返す。遠くてなにも聞こえないけれど。
審判が笛を吹いて、ボールが蹴られる。樹くんはインパクトと同時に動いて、そしてボールをきっちりと弾いた。
上がる歓声。
樹くんは手を挙げて応えた。うう、かっこいいよー。
そして6人めの日本のキッカーは、なんと樹くんだった。
「え!? 樹くん!?」
私は千晶ちゃんにしがみつく。樹くんなの!? 蹴るの!?
ペナルティマークに置かれたボール。樹くんは数歩下がって、背筋を伸ばした。
まっすぐの弾道ーー。
ぱさりとネットを揺らした。割れるような歓声、チームメイトに揉みくちゃにされる樹くん。
揉みくちゃにされながら、樹くんは左手の薬指に口付けて私の方をイタズラっぽく見て笑う。
(あ! これか!)
出国する前に言ってたやつ。"試合ちゃんと見ておけよ"
(うわぁあ)
頬に熱が集まる。嬉しい、恥ずかしい、嬉しい! さっきと違うドキドキで思わず身を縮めた。
「あらー、らぶらぶね」
からかうように千晶ちゃんが笑った。
「まだ17だろ、鹿王院、ませてんな」
「しかしよく決めたなー」
前の席のひとたちが楽しげに笑う。
「ゆりかごダンスも近かったりして」
「あはは」
初めて聞いた単語で、首を傾げた。
(ゆりかごダンス?)
千晶ちゃんがクスクス笑った。
「赤ちゃん産まれてすぐのゴールで、お祝いにするパフォーマンスみたいだよ」
「あ、赤ちゃ」
私は一人で赤くなる。
「楽しみにしてるね」
「やめてよう」
からかう千晶ちゃんの声に、ピッチで手を振る樹くんの顔がまともに見られない。
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