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【高校編】分岐・山ノ内瑛
赤面
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「それでそんなかーいらしー格好しとるん?」
「うん、まぁ」
そうなる、のかな、なんて言いながら、私はスカートの裾を気にしてる。座ったら余計短く感じるんだもん。
まぁアキラくんからは見えてない。横に座ってるアキラくんは、私をきゅーきゅー抱きしめて「可愛い可愛い」と言うのに忙しいから。
「普段の華もめっちゃ可愛いけど、こういう華もめっちゃ可愛い」
「ほ、ほんとに?」
「でも外でしてほしくないわ」
アキラくんはふと身体を離して、まじまじと私を見る。
「ヤラシー目で見られるやろ」
「そ、そんなこともないと思うけど」
「や、ある。ほんまに」
ふとアキラくんが私の頬に触れた。
「な?」
「う、うん」
とりあえず頷く。
「爪もキレーやなぁ」
「男の人って、あんまネイルとか好きじゃないイメージあったけど」
アキラくんは「んー?」と私の指先に触れながら言う。
「ネイルが好きか嫌いかはともかく、華の指も爪も好き。綺麗にしてんなぁと思うわ」
「そう?」
「ん」
アキラくんは、そっと私の爪にキスを落とす。
「なぁ、華」
「ん?」
「右手、常盤がネイルしたんやろ?」
「うん」
私は微笑む。
「器用だよね、やっぱ」
海のような色合いのネイル。
「……他の男に手ェ触らせたんやな?」
「男、って」
私は苦笑する。
「圭くんだよ? 弟みたい、なっ……!?」
ぺろりと指を舐められる。
「あ、アキラくん!?」
「上書き」
「上書き!?」
「んー」
気だるいような表情で、アキラくんは私の指を口に入れた。
「ひゃう!?」
「ふっふ」
少し楽しげにアキラくんは笑う。私の指、吸い付いたり舐めあげたりしながら。
(なにこれなにこれなにこれ!?)
頭の芯がぽうっとなる。なにされてるの私!?
アキラくんは丁寧に丁寧に私の指を舐める。爪も。時折吸われて、私の身体はびくりと揺れた。
「華」
「な、なに?」
「どうしたん?」
「え、」
私はとろけそうになりながら、首をかしげる。アキラくんの楽しげな瞳と目があった。
「気持ちよくなっちゃったん?」
「へ!? ひゃっ」
アキラくんは、指から口を離して、それから私の耳を甘噛みする。そのまま、耳のそばで低い声で言った。
「指なんか、全然ヤラシーとこちゃうやん? それやのに、舐められて華、とろけそうなカオしてんで」
「……!」
私の頬に熱が集まる。
「指やのに。全然やぁらしくないのに」
「だ、だってっ」
「だって何? 指やで?」
「だって、」
頭がうまく回らない。私は涙目でアキラくんを見上げる。
アキラくんは少し笑って、それから私を優しく抱きしめた。
「ごめんな、意地悪やったな?」
「意地悪だよっ」
「ワザとや」
「もー」
いつものアキラくんだ、って気を抜いた瞬間に、視界が回転した。あれれ? 車の天井が見える。てか、アキラくんの整ったカオが目の前で、短めの金髪が揺れて……って、押し倒されてる?
「華は悪い子やなぁ」
「へ!? な、なんでっ」
アキラくんは笑うだけで、私のふとももにやわやわと触れた。
「ひゃ、あ、アキラくんっ」
「なんもせぇへんて」
「し、してる! してるって!」
「……ほんま、かぁいらしいな華は」
ふと視界からアキラくんのカオが消えてーーふとももを、生温いなにかが這う。
「ひゃ!?」
すぐにそれはピリっとした痛みに変わって、それからすぐにアキラくんは私を覗き込んで来た。すっごい楽しそう。
「足、開いたらキスマーク見えるからな?」
「な、なにそれっ」
「おしとやかにしときやー」
アキラくんはそう言いながら、私を抱きおこす。
「大股広げて歩いてたら見えんで」
「う、ううっ」
スカートの裾をできるだけひっぱる。もう! もう!
アキラくんは肩を揺らして笑っていた。ぺちりと腕を叩く。
「や、ほんまにゴメン。けどなぁ、なんかいつもと雰囲気ちゃうのんとか、コーフンするやん」
「す、するの!?」
「まぁ、実際こないだの振袖とかもヤバかったもんな」
「ヤバかったの!?」
「おう」
アキラくんはなぜか堂々と言う。
「いっつも制服やからなー。制服の華も可愛いんやけど、可愛いのベクトルがまたちゃうねんな」
「そ、そうなの……?」
たまには、なんて考えた。
(たまには髪とかいじってみようかな)
シュリちゃんほど器用にはできないだろうけれど。
(可愛いって言われるの、嬉しいんだもんなー)
まぁ、会うたび言われてるけどっ。それはそれでね!
「まぁそんでやな、いま親父と華のばーさんがここのレストランで話し合いしとるんや」
「唐突に戻るのね」
「や、そろそろコムズカシイ話せえへんと、もっと色々してまうから」
うん、と真剣な顔でアキラくんは言う。
「しましょ! コムズカシイお話しましょ!」
私はワタワタと言う。色々、だなんて! されたいような、怖いような!
「されたい?」
意地悪な顔で言われて、私はぶんぶんと首を振った。
「されたいようなカオしてるけど?」
「してない、してないっ」
近づいてくるアキラくんの楽しそうなカオ! ほんとにどうしちゃったの今日はっ!?
その時、がん! と音がした。車を蹴られたような? っていうか、蹴ったんだろう。車の窓越しに怒鳴り声がした。
「おいこら、アキラ! 何してんねん!」
アキラくんのお父さんが窓越しにめちゃくちゃ怒った顔をしていた。
(ぎゃー!)
1人慌てる私と裏腹に、アキラくんはニヤリと笑って「さっきのん見られんで良かったな?」なんて囁いてきた。
私は赤面する。
ほんとにもう!
「うん、まぁ」
そうなる、のかな、なんて言いながら、私はスカートの裾を気にしてる。座ったら余計短く感じるんだもん。
まぁアキラくんからは見えてない。横に座ってるアキラくんは、私をきゅーきゅー抱きしめて「可愛い可愛い」と言うのに忙しいから。
「普段の華もめっちゃ可愛いけど、こういう華もめっちゃ可愛い」
「ほ、ほんとに?」
「でも外でしてほしくないわ」
アキラくんはふと身体を離して、まじまじと私を見る。
「ヤラシー目で見られるやろ」
「そ、そんなこともないと思うけど」
「や、ある。ほんまに」
ふとアキラくんが私の頬に触れた。
「な?」
「う、うん」
とりあえず頷く。
「爪もキレーやなぁ」
「男の人って、あんまネイルとか好きじゃないイメージあったけど」
アキラくんは「んー?」と私の指先に触れながら言う。
「ネイルが好きか嫌いかはともかく、華の指も爪も好き。綺麗にしてんなぁと思うわ」
「そう?」
「ん」
アキラくんは、そっと私の爪にキスを落とす。
「なぁ、華」
「ん?」
「右手、常盤がネイルしたんやろ?」
「うん」
私は微笑む。
「器用だよね、やっぱ」
海のような色合いのネイル。
「……他の男に手ェ触らせたんやな?」
「男、って」
私は苦笑する。
「圭くんだよ? 弟みたい、なっ……!?」
ぺろりと指を舐められる。
「あ、アキラくん!?」
「上書き」
「上書き!?」
「んー」
気だるいような表情で、アキラくんは私の指を口に入れた。
「ひゃう!?」
「ふっふ」
少し楽しげにアキラくんは笑う。私の指、吸い付いたり舐めあげたりしながら。
(なにこれなにこれなにこれ!?)
頭の芯がぽうっとなる。なにされてるの私!?
アキラくんは丁寧に丁寧に私の指を舐める。爪も。時折吸われて、私の身体はびくりと揺れた。
「華」
「な、なに?」
「どうしたん?」
「え、」
私はとろけそうになりながら、首をかしげる。アキラくんの楽しげな瞳と目があった。
「気持ちよくなっちゃったん?」
「へ!? ひゃっ」
アキラくんは、指から口を離して、それから私の耳を甘噛みする。そのまま、耳のそばで低い声で言った。
「指なんか、全然ヤラシーとこちゃうやん? それやのに、舐められて華、とろけそうなカオしてんで」
「……!」
私の頬に熱が集まる。
「指やのに。全然やぁらしくないのに」
「だ、だってっ」
「だって何? 指やで?」
「だって、」
頭がうまく回らない。私は涙目でアキラくんを見上げる。
アキラくんは少し笑って、それから私を優しく抱きしめた。
「ごめんな、意地悪やったな?」
「意地悪だよっ」
「ワザとや」
「もー」
いつものアキラくんだ、って気を抜いた瞬間に、視界が回転した。あれれ? 車の天井が見える。てか、アキラくんの整ったカオが目の前で、短めの金髪が揺れて……って、押し倒されてる?
「華は悪い子やなぁ」
「へ!? な、なんでっ」
アキラくんは笑うだけで、私のふとももにやわやわと触れた。
「ひゃ、あ、アキラくんっ」
「なんもせぇへんて」
「し、してる! してるって!」
「……ほんま、かぁいらしいな華は」
ふと視界からアキラくんのカオが消えてーーふとももを、生温いなにかが這う。
「ひゃ!?」
すぐにそれはピリっとした痛みに変わって、それからすぐにアキラくんは私を覗き込んで来た。すっごい楽しそう。
「足、開いたらキスマーク見えるからな?」
「な、なにそれっ」
「おしとやかにしときやー」
アキラくんはそう言いながら、私を抱きおこす。
「大股広げて歩いてたら見えんで」
「う、ううっ」
スカートの裾をできるだけひっぱる。もう! もう!
アキラくんは肩を揺らして笑っていた。ぺちりと腕を叩く。
「や、ほんまにゴメン。けどなぁ、なんかいつもと雰囲気ちゃうのんとか、コーフンするやん」
「す、するの!?」
「まぁ、実際こないだの振袖とかもヤバかったもんな」
「ヤバかったの!?」
「おう」
アキラくんはなぜか堂々と言う。
「いっつも制服やからなー。制服の華も可愛いんやけど、可愛いのベクトルがまたちゃうねんな」
「そ、そうなの……?」
たまには、なんて考えた。
(たまには髪とかいじってみようかな)
シュリちゃんほど器用にはできないだろうけれど。
(可愛いって言われるの、嬉しいんだもんなー)
まぁ、会うたび言われてるけどっ。それはそれでね!
「まぁそんでやな、いま親父と華のばーさんがここのレストランで話し合いしとるんや」
「唐突に戻るのね」
「や、そろそろコムズカシイ話せえへんと、もっと色々してまうから」
うん、と真剣な顔でアキラくんは言う。
「しましょ! コムズカシイお話しましょ!」
私はワタワタと言う。色々、だなんて! されたいような、怖いような!
「されたい?」
意地悪な顔で言われて、私はぶんぶんと首を振った。
「されたいようなカオしてるけど?」
「してない、してないっ」
近づいてくるアキラくんの楽しそうなカオ! ほんとにどうしちゃったの今日はっ!?
その時、がん! と音がした。車を蹴られたような? っていうか、蹴ったんだろう。車の窓越しに怒鳴り声がした。
「おいこら、アキラ! 何してんねん!」
アキラくんのお父さんが窓越しにめちゃくちゃ怒った顔をしていた。
(ぎゃー!)
1人慌てる私と裏腹に、アキラくんはニヤリと笑って「さっきのん見られんで良かったな?」なんて囁いてきた。
私は赤面する。
ほんとにもう!
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