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【高校編】分岐・黒田健
カツ丼
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「つーかさ、さっき。手続きしてる間になにしてたんだお前ら」
「? なにがっすか?」
「カツ丼だよ、カツ丼!」
仁が運転しながら口を尖らせる。
「どっから出てきたんだカツ丼」
「だって警察といえばカツ丼でしょ?」
大人の皆様がバタバタしてる間に、スマホで近くの出前してるお店検索して注文してみたのです。
「いやまあ、……そーだなあ」
思わず頷く仁に、黒田くんは「なんでっすか」のツッコミ。
「なんだかんだで、俺、そういうシーン見たことねぇんすよね」
ドラマとかでも、と黒田くん。
「え、お前ドラマなんか見んの」
仁の言葉に、黒田くんは肩をすくめた。
「まぁ、あんまり」
「だよなー。何か趣味あんの、お前。空手以外で」
「たまに釣りくらいっすかね」
「オッサンかよ」
うるせーっすね、って少し不服げな黒田くんに、仁はケタケタ笑った。
「まー、でもうまそーだったな。どうだった華、取調室でカツ丼」
「んー? 美味しかったよ」
そう返事をしながら、思う。
美味しかったけど……うん。
「でも多分、ちゃんとお店とかで食べた方が美味しいよ」
「? あんまり旨くねー店だったってことか?」
「ううん、違って。あんなホコリっぽい、殺風景な部屋で食べてもあんまりだなって感想!」
「あっは、そりゃそーだ」
そんな、あんな事件の後にしてはのんびりした会話をしながら、車は黒田くんの家の前に。
お礼を言って家に入ると、(お父さんはまだ白井さんの取調してるから当たり前なんだけど)黒田くんのお母さんの姿もない。
「急な仕事っぽいな」
黒田くんはスマホを見ながらそう言う。無事に終わった連絡を受けたから、出勤したのだろうと思う。
「あー、しかしウチ、久しぶりだわ」
「どう? 寮生活」
リビングのソファに座る黒田くんの、その横にちょこんと腰掛けた。
「んー? 悪くない、かな。朝から晩まで部活に集中できるし」
「えぇ~」
私は思い切り頬を膨らませた。
「私は寂しいのに」
青花が逮捕(逮捕なのかな? 黒田くんはそんな感じのこと言ってるけど)されるまで、このまま、黒田くんは寮生活なのかなぁ。
……まぁ、あの子に黒田くんがピンピンしてるの見つかっちゃったら、元も子もないんだけれど、さ。
「俺だって寂しい」
珍しく、黒田くんがそんなことを言う。
「普通に」
「……ほんと?」
「当たり前だっつの」
おでこを軽く、はたかれた。
それから、ゆっくり唇を重ねる。
「お前に触れられねーの、キツい」
「……ん」
ぎゅ、と抱きしめられながら、私は小さく頷く。昔より、ずっとずうっと大きくなった身体に抱きしめられて、胸があったかくなる。あー、黒田くんだ。
ぎゅうとその身体に手を回して、抱きしめ返す。
「すき」
「俺も」
ぐ、と顔を見上げた。
「おれも、じゃダメ。ちゃんと言って?」
「……好きだよ、設楽」
「うん」
「愛してる」
「……っ、そ、そこまで言えとは言ってないよ!?」
すっごいすっごいレアな「愛してる」に、すっかり私は真っ赤になって、黒田くんの胸に顔を埋めた。
「設楽」
「んー」
少し強引に、顔を上げさせられて、キスを落とされた。
やがて、そのキスは少しずつ深くなってーー黒田くんの舌が、私の口の中で私をとろけさせる。
「ん、ぁ」
離れた唇に、ぽおっと黒田くんを見上げた。頬が熱い。
「……その顔、ズルイ」
「!? ずるくないよ」
「ずるいっつの」
黒田くんの膝に乗せられて、向き合う形で、もう一度唇を重ねて。
私の太ももに触れる、その主張してる固いのに、私はぴくりと身体を動かす。
「あ、すまん」
「いいの。ねえ、まだダメ?」
できるだけ甘えるような声で、私は黒田くんに言う……っていうか、迫る。
しよ? って言外に、たっぷり込めて。
黒田くんはお見通しって顔で笑う。
「まだ責任とれねーからな」
「じゃあいつ?」
黒田くんの首筋に、唇を這わせながら私は拗ねて言う。
「……就職、したら」
「お巡りさんになったら、してくれるの?」
「……ん」
黒田くんは、なんだか真面目にうなずいた。
「してくれるっつか、させてください」
「なんで敬語!?」
「俺にもわかんねー」
ケタケタしばらく笑い合って、それから軽くキスを交わす。
「いっぱい、しよーね。黒田くん」
「……そういう理性が飛びそうな言葉を言うんじゃねー」
「飛べばいいと思ってるから」
「アホ」
ぺしりと頭を叩かれた。ちぇ。
「はやくしよーね? これでも前世はオトナだったんだよ、色々とおねぇさんが教えてあげよう」
「……あのな、それ」
黒田くんが私を見る。強い目、で。
「結構嫉妬するぞバカ」
「……この体はキヨラカだよ?」
「そういう問題じゃねーっつの」
少し怒った声で、黒田くんは私の腰を左手で支えたまま、右手でしゅるりと制服のリボンを解いた。
「わ、黒田くん!?」
「これくらいで真っ赤になるくせに」
からかう口調で、そう言われて。
器用にいくつか外された、ブラウスのボタン。
「わ、なに、なに!?」
「なにがおねぇさんだ、ボケ」
鎖骨に落とされたキス。ぺろりと舐められて、私はあられもない声をあげて黒田くんにしがみつく。
「どうした設楽、教えてくれんじゃねーの?」
「……うう、意地悪」
私の言葉に、黒田くんは少し笑ってから、唇を私の首筋に這わせてーーどうやら私は、黒田くんに色々教えられるほどオトナじゃないみたいってことを、黒田くんに蕩けさせられながら、思い知ったのでした。
……最後までは、してくれなかったけどね!
「? なにがっすか?」
「カツ丼だよ、カツ丼!」
仁が運転しながら口を尖らせる。
「どっから出てきたんだカツ丼」
「だって警察といえばカツ丼でしょ?」
大人の皆様がバタバタしてる間に、スマホで近くの出前してるお店検索して注文してみたのです。
「いやまあ、……そーだなあ」
思わず頷く仁に、黒田くんは「なんでっすか」のツッコミ。
「なんだかんだで、俺、そういうシーン見たことねぇんすよね」
ドラマとかでも、と黒田くん。
「え、お前ドラマなんか見んの」
仁の言葉に、黒田くんは肩をすくめた。
「まぁ、あんまり」
「だよなー。何か趣味あんの、お前。空手以外で」
「たまに釣りくらいっすかね」
「オッサンかよ」
うるせーっすね、って少し不服げな黒田くんに、仁はケタケタ笑った。
「まー、でもうまそーだったな。どうだった華、取調室でカツ丼」
「んー? 美味しかったよ」
そう返事をしながら、思う。
美味しかったけど……うん。
「でも多分、ちゃんとお店とかで食べた方が美味しいよ」
「? あんまり旨くねー店だったってことか?」
「ううん、違って。あんなホコリっぽい、殺風景な部屋で食べてもあんまりだなって感想!」
「あっは、そりゃそーだ」
そんな、あんな事件の後にしてはのんびりした会話をしながら、車は黒田くんの家の前に。
お礼を言って家に入ると、(お父さんはまだ白井さんの取調してるから当たり前なんだけど)黒田くんのお母さんの姿もない。
「急な仕事っぽいな」
黒田くんはスマホを見ながらそう言う。無事に終わった連絡を受けたから、出勤したのだろうと思う。
「あー、しかしウチ、久しぶりだわ」
「どう? 寮生活」
リビングのソファに座る黒田くんの、その横にちょこんと腰掛けた。
「んー? 悪くない、かな。朝から晩まで部活に集中できるし」
「えぇ~」
私は思い切り頬を膨らませた。
「私は寂しいのに」
青花が逮捕(逮捕なのかな? 黒田くんはそんな感じのこと言ってるけど)されるまで、このまま、黒田くんは寮生活なのかなぁ。
……まぁ、あの子に黒田くんがピンピンしてるの見つかっちゃったら、元も子もないんだけれど、さ。
「俺だって寂しい」
珍しく、黒田くんがそんなことを言う。
「普通に」
「……ほんと?」
「当たり前だっつの」
おでこを軽く、はたかれた。
それから、ゆっくり唇を重ねる。
「お前に触れられねーの、キツい」
「……ん」
ぎゅ、と抱きしめられながら、私は小さく頷く。昔より、ずっとずうっと大きくなった身体に抱きしめられて、胸があったかくなる。あー、黒田くんだ。
ぎゅうとその身体に手を回して、抱きしめ返す。
「すき」
「俺も」
ぐ、と顔を見上げた。
「おれも、じゃダメ。ちゃんと言って?」
「……好きだよ、設楽」
「うん」
「愛してる」
「……っ、そ、そこまで言えとは言ってないよ!?」
すっごいすっごいレアな「愛してる」に、すっかり私は真っ赤になって、黒田くんの胸に顔を埋めた。
「設楽」
「んー」
少し強引に、顔を上げさせられて、キスを落とされた。
やがて、そのキスは少しずつ深くなってーー黒田くんの舌が、私の口の中で私をとろけさせる。
「ん、ぁ」
離れた唇に、ぽおっと黒田くんを見上げた。頬が熱い。
「……その顔、ズルイ」
「!? ずるくないよ」
「ずるいっつの」
黒田くんの膝に乗せられて、向き合う形で、もう一度唇を重ねて。
私の太ももに触れる、その主張してる固いのに、私はぴくりと身体を動かす。
「あ、すまん」
「いいの。ねえ、まだダメ?」
できるだけ甘えるような声で、私は黒田くんに言う……っていうか、迫る。
しよ? って言外に、たっぷり込めて。
黒田くんはお見通しって顔で笑う。
「まだ責任とれねーからな」
「じゃあいつ?」
黒田くんの首筋に、唇を這わせながら私は拗ねて言う。
「……就職、したら」
「お巡りさんになったら、してくれるの?」
「……ん」
黒田くんは、なんだか真面目にうなずいた。
「してくれるっつか、させてください」
「なんで敬語!?」
「俺にもわかんねー」
ケタケタしばらく笑い合って、それから軽くキスを交わす。
「いっぱい、しよーね。黒田くん」
「……そういう理性が飛びそうな言葉を言うんじゃねー」
「飛べばいいと思ってるから」
「アホ」
ぺしりと頭を叩かれた。ちぇ。
「はやくしよーね? これでも前世はオトナだったんだよ、色々とおねぇさんが教えてあげよう」
「……あのな、それ」
黒田くんが私を見る。強い目、で。
「結構嫉妬するぞバカ」
「……この体はキヨラカだよ?」
「そういう問題じゃねーっつの」
少し怒った声で、黒田くんは私の腰を左手で支えたまま、右手でしゅるりと制服のリボンを解いた。
「わ、黒田くん!?」
「これくらいで真っ赤になるくせに」
からかう口調で、そう言われて。
器用にいくつか外された、ブラウスのボタン。
「わ、なに、なに!?」
「なにがおねぇさんだ、ボケ」
鎖骨に落とされたキス。ぺろりと舐められて、私はあられもない声をあげて黒田くんにしがみつく。
「どうした設楽、教えてくれんじゃねーの?」
「……うう、意地悪」
私の言葉に、黒田くんは少し笑ってから、唇を私の首筋に這わせてーーどうやら私は、黒田くんに色々教えられるほどオトナじゃないみたいってことを、黒田くんに蕩けさせられながら、思い知ったのでした。
……最後までは、してくれなかったけどね!
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