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小説返歌

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―小説返歌―

まず恋いてそよ想いつつ書き出でんかみのまにまに物語せん

字(あざ)尽くしピュグマリオンの女(め)をつくる絵筆(ふで)には負けぬわがペン先を見よ

※「返歌」とは古来わが国では長歌という歌形式がありまして、五七を延々とつらねて最後は七七で結ぶものです。高橋虫麻呂の「筑波山に登る歌」などが有名ですが、その一編の長歌を和歌一首で表すような、長歌の内容を表すような和歌を末尾に独立して置いてみせるのです。その形式に習ってここでも長歌ならぬ小説に対しての返歌を二首詠んでみました。私は小説家であるとともに歌人でもありますので、今後ともこの小説に限らず、私の小説に適時この形式を踏もうかと考えております。小説ともどもご贔屓のほどをよろしくお願い申し上げます。作者、多谷昇太より。

          【A子とB子。大の親友のイメージ】
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