喜劇・魔切の渡し

多谷昇太

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第一場 魔切の渡し場

石跳ね遊び

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〔登場人物〕
和子(23・OL)、ゴン太(11・小学5年生)、雅男(11・小学5年生)、天使(60位)、悪魔(55位)
 
【一場】魔切の渡し場(※その背景は緞帳・どん帳でよい)
夏の宵の河岸、男の子2人が平たい石を捜している。

ゴン太「おい、雅男。じゃやってみな。この前教えた石撥ね。水の上で何回撥ねるか……」
雅男「へへ、まかせとけって。2回は撥ねるぜ。いいか……(川面に石を投げる)」
ゴン太「やーい、雅男、下手糞でやんの。たったの1回じゃねえか」
雅男「うるせえ、今のはまだ練習だ。こんど見てろ(また投げる)」
ゴン太「ヘへ、同じ」
雅夫「ちきしょう……じゃあゴン太、こんどおまえやってみろよ」
ゴン太「ああ、見てろ……こうやるんだ(投げる)!(手をかざして)3回だ」
雅男「すげえ……」
ゴン太「ヘヘへ」

上手から勤め帰りの和子登場。下手の2人に呼びかける。

和子「こらあ、ゴンに雅夫、いつまで遊んでる?!もう6時だぞ。早く帰らないとお母さんに叱られるよ」
ゴン太「おかえり、和子姉ちゃん」
和子「石撥ねして遊んでたのか?うまくできたか?」
ゴン太「俺はできたけど、こいつはてんで……」
雅男「だっておまえは和子姉ちゃんに教わったんだろ。インチキだい」
和子「フフフ、そうか。雅男にもこんど教えてやるよ。しかしおまえたちはなかなか見込みがあるぞ。年がら年中塾ばかり行って、青っ白(ちろ)い顔してるより、表で遊んでるほうがよほどいい」
ゴン太「へへへ、そうだろ。俺もそう思って……」
雅男「(小声でゴンに)おい、ゴン、団子2本だぞ……」
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