15 / 34
第二場 和子の自宅
良夫帰宅
しおりを挟む
悪魔と天使、和子宅に上がり風呂の右側に壁を背にして並んで立つ。為子は台所で茶碗や皿を並べている。舞台奥から良夫が現れる。玄関前、涼み台の上に将棋の駒を見つけて拾う。
良夫「ん?なんじゃこりゃ?……あ、わかった。あの爺どもがまたここで将棋やってやがったな。ったく……(家に入って)ただいま」
為子「お帰りぃ。お勤め、ご苦労さんね。暑かったでしょ?あんたのお陰でこうして毎日暮して行けるわ。ね?さあさ、着替えて、風呂に入って。汗流しなさいよ」
良夫「和子は?」
為子「もう帰ってるわ。あんたが入るまで風呂待たせてんの。早く入ってあげて」
悪魔「そうそう早く入って。俺も入りたいんだから」
天使「んだ。お願いしますだ。(口を手で押さえて小声で)はくしょん」
良夫「(居間に入って背広を脱ぎながら)母さん、涼み台にこんなの落ちてたよ。これ、金(きん)って、もっと金稼ってぇ当てつけ?」
為子「(居間に行って駒を受け取りながら)ああ……違うわよ。あたしがそんなことする分けないでしょ?これでも感謝してんのよ、あんたに。これはきっと布袋と寿老の爺さんたちが落として行ったのよ。あとで返しておくわ」
良夫「いいよ。そもそも使わせんなよ、涼み台を。だいたい何でわざわざここに来て将棋なんかしやがるんだ?あのハゲとヒゲ。ったく……」
為子「ハゲって、あんただってハゲてんじゃない」
良夫「俺のはまだ毛が何本か生えてるよ」
為子「似たようなもんよ。とにかくだめよ。あの人たちは町の顔役なんだから。涼み台くらい使ったってどうってことないわよ。さ、風呂入って」
【良夫のイメージ 「PIXTA」さんから拝借しました】
良夫「ん?なんじゃこりゃ?……あ、わかった。あの爺どもがまたここで将棋やってやがったな。ったく……(家に入って)ただいま」
為子「お帰りぃ。お勤め、ご苦労さんね。暑かったでしょ?あんたのお陰でこうして毎日暮して行けるわ。ね?さあさ、着替えて、風呂に入って。汗流しなさいよ」
良夫「和子は?」
為子「もう帰ってるわ。あんたが入るまで風呂待たせてんの。早く入ってあげて」
悪魔「そうそう早く入って。俺も入りたいんだから」
天使「んだ。お願いしますだ。(口を手で押さえて小声で)はくしょん」
良夫「(居間に入って背広を脱ぎながら)母さん、涼み台にこんなの落ちてたよ。これ、金(きん)って、もっと金稼ってぇ当てつけ?」
為子「(居間に行って駒を受け取りながら)ああ……違うわよ。あたしがそんなことする分けないでしょ?これでも感謝してんのよ、あんたに。これはきっと布袋と寿老の爺さんたちが落として行ったのよ。あとで返しておくわ」
良夫「いいよ。そもそも使わせんなよ、涼み台を。だいたい何でわざわざここに来て将棋なんかしやがるんだ?あのハゲとヒゲ。ったく……」
為子「ハゲって、あんただってハゲてんじゃない」
良夫「俺のはまだ毛が何本か生えてるよ」
為子「似たようなもんよ。とにかくだめよ。あの人たちは町の顔役なんだから。涼み台くらい使ったってどうってことないわよ。さ、風呂入って」
【良夫のイメージ 「PIXTA」さんから拝借しました】
0
あなたにおすすめの小説
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
先生の秘密はワインレッド
伊咲 汐恩
恋愛
大学4年生のみのりは高校の同窓会に参加した。目的は、想いを寄せていた担任の久保田先生に会う為。当時はフラれてしまったが、恋心は未だにあの時のまま。だが、ふとしたきっかけで先生の想いを知ってしまい…。
教師と生徒のドラマチックラブストーリー。
執筆開始 2025/5/28
完結 2025/5/30
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
放課後の保健室
一条凛子
恋愛
はじめまして。
数ある中から、この保健室を見つけてくださって、本当にありがとうございます。
わたくし、ここの主(あるじ)であり、夜間専門のカウンセラー、**一条 凛子(いちじょう りんこ)**と申します。
ここは、昼間の喧騒から逃れてきた、頑張り屋の大人たちのためだけの秘密の聖域(サンクチュアリ)。
あなたが、ようやく重たい鎧を脱いで、ありのままの姿で羽を休めることができる——夜だけ開く、特別な保健室です。
マグカップ
高本 顕杜
大衆娯楽
マグカップが割れた――それは、亡くなった妻からのプレゼントだった 。
龍造は、マグカップを床に落として割ってしまった。そのマグカップは、病気で亡くなった妻の倫子が、いつかのプレゼントでくれた物だった。しかし、伸ばされた手は破片に触れることなく止まった。
――いや、もういいか……捨てよう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
