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第1章 芥川龍之介
関東大震災と芥川
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いや、そうは思わない。芥川は羅生門で、生きんが為に庶民が見せる鬼気迫る姿を描いてみせたし、また地獄変では主題に合った、生きた絵を描く為に、自分の娘を焼死させる場に絵師を立ち会わせるという、あっと驚く設定をもしてみせた。人とはこういうもの、あるいは人の世の凄惨さに限りはないとする確信を、彼は心の中で元々抱いていたのだろうし、すれば関東大震災の凄惨な被災現場を彼が見たく思い、また実際に見もして、それに心を躍らさない分けはないのだ。心象を強くしたということであり、どうかすれば地獄変の絵師の如き観があったのかも知れない。が、ともかく、それが世間一般からの顰蹙を買ったことに違いはなかろう。
かえらまに(反対にの意)自警団云々は社会・世間を慮る、こちらも芥川の嘘のない一面であって、小説『馬の脚』で主人公の忍野が国体や家族(妻の常子)を慮ってみせた姿と重なるまでのことである。そしてさらにこれとはかえらまに(変な言い回しだな…😅)家族を置いてのいち早い地震からの避難であるが、咄嗟の瞬間には(そうでなくとも)諸氏におかれてもこれがないだろうか?先の東北大震災の際横浜紅葉坂図書館内に居た筆者などは誰より先に建物の外に飛び出したものだった。往時脳梗塞の症状があって右半身が不自由だったのを引きずって…である。真に見っともない…あとから大いに恥じたことだったが、しかし人と云うものは命の危急時には往々にしてこれが出るのだ。それは親知らず・子知らずの伝説や満州における家族を置いての逃避行など、枚挙に暇のないことなのである。
さても、以上なのだが要は、この蛇足考で云いたかったことは、先に記した道徳的・社会的自己と芸術的自己との葛藤に於て、また生命体的自己と人間の本性に還った自己との差異に於て、さらには皮肉しがちな、冷笑的な自己を越えることに於て、芥川に於ては生涯を掛けた、崇高な戦いがあったということを述べたかったのである。
かえらまに(反対にの意)自警団云々は社会・世間を慮る、こちらも芥川の嘘のない一面であって、小説『馬の脚』で主人公の忍野が国体や家族(妻の常子)を慮ってみせた姿と重なるまでのことである。そしてさらにこれとはかえらまに(変な言い回しだな…😅)家族を置いてのいち早い地震からの避難であるが、咄嗟の瞬間には(そうでなくとも)諸氏におかれてもこれがないだろうか?先の東北大震災の際横浜紅葉坂図書館内に居た筆者などは誰より先に建物の外に飛び出したものだった。往時脳梗塞の症状があって右半身が不自由だったのを引きずって…である。真に見っともない…あとから大いに恥じたことだったが、しかし人と云うものは命の危急時には往々にしてこれが出るのだ。それは親知らず・子知らずの伝説や満州における家族を置いての逃避行など、枚挙に暇のないことなのである。
さても、以上なのだが要は、この蛇足考で云いたかったことは、先に記した道徳的・社会的自己と芸術的自己との葛藤に於て、また生命体的自己と人間の本性に還った自己との差異に於て、さらには皮肉しがちな、冷笑的な自己を越えることに於て、芥川に於ては生涯を掛けた、崇高な戦いがあったということを述べたかったのである。
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