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丹沢行(2)守護・指導霊の出現?
最後の言葉…あなたに託す
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いささかでも幼かった中学時と違って自分を認識し把握する能力は遠にある。それからすればこうして現れた〝我以外の我〟を思いやるなら…俺は少なからず薄気味悪くさえなって来た。ところがその俺ならぬ俺はそれを直ちに認識したようだ(しかしその認識したことが分かるというのも、これもまた不思議である)。心配するなとばかりあるいは大我から小我への感作の妙など心得ているとばかり、安寧と従容を俺に与えるようだ。俺はミカに(と云うか3人に)言葉を継いだ。「でも俺、ふだんはまったくの一人ぼっちで…こうして他人といっしょに山登りするなんて、初めての経験で…まして女性が目の当たりで泣いたり、怒ったり、つかみ合ったりするなんて…もう、すごい体験なんです」「つかみ合う!」大伴さんが一瞬吹き出したがかまわず「い、いや、その、失礼。とにかく今は暗い洞窟から明るい表に出たようで、とても新鮮な気持ちがしています」と従容として伝える。さらに、ここが大我から小我への渡し場とばかり、またこの人にあとは託すとばかりに畏まって、俺は伝えるべき肝心の言葉を述べ始めたようだ。「あの、大伴さん。生意気なことを云うようですが、こうして違う人間同士がふれ合う、いっしょに行動する、何かをやりとげるっていうことに大事な意味があるんですよね?違う人間同士それぞれが〝こいつは自分と違う、嫌だ〟って避けてたら人間は誰も成長しないし社会もよくならない。似た者同士で固まってたらきっとそこは澱(よど)んでしまう。それに比べていまこうして異なる者同士が集って、互いに切磋琢磨をしている、我々のこの姿はどうでしょうか?それはなんて素晴らしいんでしょう!そしてまるでそれを表すような、い、いや、そんな我々を励まし祝福しているような、この沢の景色はどうでしょうか?!(改めてまわりを見まわしながら大きく息を吸う)ああ、なんて爽やかなんでしょう!自然はなんと調和されているんでしょう!」このオーバーゼスチャアとも云うべき俺のもの言いにカナは『こいつ完全にイカれてる』という目付きをしミカは先の『びっくりでげす』と目を丸くし続けてるようだ。他方大伴さんは、こちらは何とも不思議な目線を送ってくる。
【わが拙句「沢登りこの無上なる宮上り」のごとき、神々しい沢のこの光景。マドンナとの遭遇と云い、まさに天上の宮殿に上ったがごとき村田君ですね。写真はpinterestから】
【わが拙句「沢登りこの無上なる宮上り」のごとき、神々しい沢のこの光景。マドンナとの遭遇と云い、まさに天上の宮殿に上ったがごとき村田君ですね。写真はpinterestから】
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