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丹沢行(3)new birthへの旅
懸命の村田君
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「村田君、あんたも少しは反論していいのよ。云われっぱなしじゃくやしいでしょ?カナの云い分にも少しは理があるんだからね。ただ黙ってりゃいいってもんじゃない」さきほどの〝晴れがましくなった気分〟はどこへやら。見る間に心が小さくなって行くのを感じる俺だった。マドンナがマドンナでなくなり小鼻を膨らませた傲慢な女性とさえ感じてしまう。こんな一言でさえそうなるのに、もしカナへの云い方を俺が受けたらいったいどうなるんだろう?ひょっとしてマドンナが鬼女に見えるかも?間違いないのはもしそうなったら一目散で〝相棒〟のもとへ逃げ帰るだろうということだ。例の、花田一派から被った辱めのあと『いいか?お前は他人との交誼など出来ない人間なんだ。そもそもだ、あんな連中と交わる必要があるのか?ああやってつるんでは人をいじめたり、小馬鹿にする連中なんぞ〝お前は〟相手にするな!一人でいればいい!』と語りかけて来た心中の黒い霧のもとへと、である。俺はそれが嫌だった。だからこそこうして丹沢に来たのだし、結果更生への試練の場を与えられているのだ。俺はつばをひとつ呑み込んでから「あ、あのカナさん…」と些かでも物申そうとするが「なんだよ?!」だけで縮こまる。しかし『ここだ。今だ。ここで逃げては…』と懸命になって「あの、お、俺は…俺は…」と必死に言葉をつなぐ。カナの青筋がぴくぴくと動いている。
「俺はその…一人でも生きて行けるというその、こ、根性のことなんだけど…実は俺、その見本みたいな人間なんだ。その根性…かどうか知らないけど、普段の、が、学校生活ではいつも一人でね。それでも俺…」
「俺はその…一人でも生きて行けるというその、こ、根性のことなんだけど…実は俺、その見本みたいな人間なんだ。その根性…かどうか知らないけど、普段の、が、学校生活ではいつも一人でね。それでも俺…」
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