サマネイ

多谷昇太

文字の大きさ
上 下
58 / 73
第四章 得度式と鏡僧侶

散文詩「ブルー・スパニッシュアイズ」(6)

しおりを挟む
※このような詩だったのですが、さあ果してどうでしょうか?こうして自らをいっさい縛ることなく、自らの自然なる命に、性に、女性への喜び等に素直になることが、人間としての真の姿なのでしょうか?それとも…鏡師の説く「諸々の欲望を戒め、自戒し、反省し、自律を旨とし、やがて仏性に至る」ことこそが人間としての本分なのでしょうか?自分を規定して縛りまくる私をブルースパニッシュ・アイが笑います。他方で放埓で意志薄弱、未熟な、気弱い私を鏡師が責めます。サマネイとは見習い僧のこと。ある意味ですべての人間がサマネイ、見習いの存在なのではないでしょうか。ブルースパニッシュ・アイの責めも鏡師の責めも、ともに正しいのだと今ではよく分かります。左右に偏らず、中庸を射った生活こそが大事なのでしょう。とにかく、今はまだサマネイの修行が続きます…。

            【ブルースパニッシュ・アイ】
しおりを挟む

処理中です...