ドクタースイサイド

多谷昇太

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雲の上の錐最戸医院

救いの女神

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林「あ、いえ、とんでもない!誰があなたのような方を嫌い、敬遠しますか?あなたがそんな連中の範疇に属するとは決して思いません。しっかりと自己を確立していらっしゃる方だとお見受けします」
荒木田「あら、お会いしてからたった5分くらいの間に、そんなことがわかりますの?もしかしたら私もあなたのおっしゃる、その輩(うから)かも知れませんよ(軽笑)」
林「断じてない!私は嗅覚のようなものが発達しているんです。もっぱら群れ指向で、イジメの的をつくってはひとつに固まるような連中。自分が的になることをひたすら恐れて、強い者に付き、そいつの意向のもとに無難に日々を過ごしさえすればいい、そんな連中はそもそも身体から毒のオーラが出ているんです。あなたからはそれは皆無です」
荒木田「まあ、それはどうも。何かあなたがここにいらっしゃったわけが分かるような気もしますが……そういったことは先生の方におっしゃってください。いま問診表を先生にお渡しして来ますからね」
林「あ、そのまま!動かないで!」
荒木田「どうなさいました?」
林「その組んだ脚を解こうとする、あなたの今のそのポーズ。ひたすら心が癒されます。しばしフリーズ……を、お願いできないでしょうか」
荒木田「んまあ、なんということを。そういったことは今日日セクハラですよ。私をバーのカウンターにいるホステスと間違わないでくださいね」

         【救いの女神、荒木田看護婦の脚…?】

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