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ランボー四行詩
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ハナ「(風呂場から)なあ、ケンちゃん、あんたもヤクザに脅かされとらん?心の中で」
ケン「え?心の中で?ヤクザに?…うーん、そんなふうに見えるかな、俺が」
ハナ「店であんた見とって、八方美人みたいにしとるけど、結局こわいんやろ?人も世間も。誰も信用ならんて、顔にそう書いとっとよ。心のヤクザに脅されて、自信持てんがと(自信が持てないぶんだけ)そげんしよるばい。違う?」
ケン「八方美人か…」
ハナ「そうったい。ショバ替えしようにも今度はでけんでしょ。自分の心から逃げられんとよ。どげんするの?」
ケン「どげんするって、それこそどげんもこげんも…」
ハナ「(笑う)博多弁上手…だから加勢したるっちゃ。ケンちゃんえずがり、臆病ばってんうちに頼みんしゃいや、な?」
ケン「ああ、えずがりって臆病か…そうね、そう云われても仕方ないな」
ハナ、風呂場で短時間身体を洗ったあと戻って来てケンの傍らに座る。
ハナ「ほら、ケンちゃんの目丸うして。風呂うめたついでに身体少し洗うて、あっぱっぱになったったい。黒のシュミーズ一枚っきりや。どう?やっぱりこわい?うちも」
ケン「(うわずった声で)なんの、こわいもんか…しかし心の中のヤクザって…意味深だなあ。確かに俺を否定する、もう一人の俺を時々感じるよ…何て云うか、黒い霧のような」
ハナ「あれしたらいけん、これしたらいけん、そもそもそげんこつできる男じゃなかって、その黒い霧の云いよらん?」
ケン「そうそう!そんな感じ。昔っからさ。おまえは根暗で、人に不快を与えるだけの存在だ。人と交流するなんてもっての他だ。そんなことをしても傷つくだけだぞって…そう云うんだ、心の中で。そして返す刀でこんどは人を、世間を悪く云う。自分勝手で、見栄っ張りで、中身のない連中なんて相手にするなって」
ハナ「禁足やね、結局。最後は憑りつかれるったい。そげんきちゃなか‘ヒモ’、はよ切らんと。なあケンちゃん、その黒い霧、ヤクザの前でうちを奪ってみんしゃい。なんが交流するなかかあ!交流どころか、女ばものにしたるばい!って、云いくらかさんと。この前は恥ずかしがって逃げたけど…なあ、ケンちゃん。自分から…して。な?」
ケン「…しかしハナさん、何で俺なんかに…」
ハナ「何でって…うちが面食いだからにしといて」
ケン「面食いね…(軽笑)でもハナさん、いいよ。おなさけでなぐさめてくれなくたって。俺なんか弱虫で、最低の男さ。あとでハナさんが後悔するに決まってる…」
ハナ「…うーん、まったく!ほらケンちゃん、下向いとらんと、うちの顔ば見ない!うちにはな、表によう出れんと、心の中で小そうなっとる、まことのケンちゃんが見えとるんよ。檻にほたらかされて、いじけたままのケンちゃんが。そのままにしとくんか、一生。云いたいことも、したいこともようさせんと…なんがおなさけね、なんが最低の男ね。それこそ心の中のヤクザの云いぐさったい。ケンちゃんの言葉じゃなかよ。運命(さだめ)を越えんと!二人して…どげんするとや、ケンちゃんの気持ちひとつでっしょ!」
ケン「…そうだ。その通りだ」
ハナ「うん、だから…まったく。こげん荒けなか女子(おなご)がおうじょうしてこさえた色気、どげんしてくれるの?(艶笑)」
ケン「ハナさん、詩をひとつ読むよ…星は、きみの耳殻に落ちて…」
ハナ「(艶笑)うちの耳つまみんしゃって…」
ケン「バラ色にすすり泣き…きみの首筋から腰にかけて…無限がその白さを転がした…きみの乳房は…あこやだま色に照りはえてゆらめき…男は、その妙なる横腹に…黒い血を流した!」
ハナ「ケンちゃん…」
ケン「ハナさん!俺は何をしていたんだろう?自分から逃げまくって…わからなかった。戦わなかった。心のヤクザと。ハナ、おまえをもらうぞ!」
ハナ「ケンちゃん、あたきの、よか男…」
ケン「え?心の中で?ヤクザに?…うーん、そんなふうに見えるかな、俺が」
ハナ「店であんた見とって、八方美人みたいにしとるけど、結局こわいんやろ?人も世間も。誰も信用ならんて、顔にそう書いとっとよ。心のヤクザに脅されて、自信持てんがと(自信が持てないぶんだけ)そげんしよるばい。違う?」
ケン「八方美人か…」
ハナ「そうったい。ショバ替えしようにも今度はでけんでしょ。自分の心から逃げられんとよ。どげんするの?」
ケン「どげんするって、それこそどげんもこげんも…」
ハナ「(笑う)博多弁上手…だから加勢したるっちゃ。ケンちゃんえずがり、臆病ばってんうちに頼みんしゃいや、な?」
ケン「ああ、えずがりって臆病か…そうね、そう云われても仕方ないな」
ハナ、風呂場で短時間身体を洗ったあと戻って来てケンの傍らに座る。
ハナ「ほら、ケンちゃんの目丸うして。風呂うめたついでに身体少し洗うて、あっぱっぱになったったい。黒のシュミーズ一枚っきりや。どう?やっぱりこわい?うちも」
ケン「(うわずった声で)なんの、こわいもんか…しかし心の中のヤクザって…意味深だなあ。確かに俺を否定する、もう一人の俺を時々感じるよ…何て云うか、黒い霧のような」
ハナ「あれしたらいけん、これしたらいけん、そもそもそげんこつできる男じゃなかって、その黒い霧の云いよらん?」
ケン「そうそう!そんな感じ。昔っからさ。おまえは根暗で、人に不快を与えるだけの存在だ。人と交流するなんてもっての他だ。そんなことをしても傷つくだけだぞって…そう云うんだ、心の中で。そして返す刀でこんどは人を、世間を悪く云う。自分勝手で、見栄っ張りで、中身のない連中なんて相手にするなって」
ハナ「禁足やね、結局。最後は憑りつかれるったい。そげんきちゃなか‘ヒモ’、はよ切らんと。なあケンちゃん、その黒い霧、ヤクザの前でうちを奪ってみんしゃい。なんが交流するなかかあ!交流どころか、女ばものにしたるばい!って、云いくらかさんと。この前は恥ずかしがって逃げたけど…なあ、ケンちゃん。自分から…して。な?」
ケン「…しかしハナさん、何で俺なんかに…」
ハナ「何でって…うちが面食いだからにしといて」
ケン「面食いね…(軽笑)でもハナさん、いいよ。おなさけでなぐさめてくれなくたって。俺なんか弱虫で、最低の男さ。あとでハナさんが後悔するに決まってる…」
ハナ「…うーん、まったく!ほらケンちゃん、下向いとらんと、うちの顔ば見ない!うちにはな、表によう出れんと、心の中で小そうなっとる、まことのケンちゃんが見えとるんよ。檻にほたらかされて、いじけたままのケンちゃんが。そのままにしとくんか、一生。云いたいことも、したいこともようさせんと…なんがおなさけね、なんが最低の男ね。それこそ心の中のヤクザの云いぐさったい。ケンちゃんの言葉じゃなかよ。運命(さだめ)を越えんと!二人して…どげんするとや、ケンちゃんの気持ちひとつでっしょ!」
ケン「…そうだ。その通りだ」
ハナ「うん、だから…まったく。こげん荒けなか女子(おなご)がおうじょうしてこさえた色気、どげんしてくれるの?(艶笑)」
ケン「ハナさん、詩をひとつ読むよ…星は、きみの耳殻に落ちて…」
ハナ「(艶笑)うちの耳つまみんしゃって…」
ケン「バラ色にすすり泣き…きみの首筋から腰にかけて…無限がその白さを転がした…きみの乳房は…あこやだま色に照りはえてゆらめき…男は、その妙なる横腹に…黒い血を流した!」
ハナ「ケンちゃん…」
ケン「ハナさん!俺は何をしていたんだろう?自分から逃げまくって…わからなかった。戦わなかった。心のヤクザと。ハナ、おまえをもらうぞ!」
ハナ「ケンちゃん、あたきの、よか男…」
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