民間軍事警備会社 防人

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基地警備

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民間軍事警備会社 防人 基地
 東京都と埼玉県の県境に位置するのが、防人の本社兼基地だ。
 とある事件後、巨大な空き地となったため、そこを買い上げた。
 施設等については国家機密よりも重い、世界的な機密事項だ。勿論、衛星から見ればバレてしまうが、それも分からないような構造となっている。例えば、ダミーの建築物や車両がある。仮に、テロ組織の攻撃、どこかしらの国家が攻撃しようとも、災害が発生しても機能不全にならないようになっている。
 基地には、司令部や宿舎、車両やヘリ等の整備工場、格納庫、武器庫、弾薬庫、レーダーサイト、管制塔、ヘリポート、滑走路等がある。簡単に言えば、自衛隊の陸上自衛隊駐屯地、海上自衛隊や航空自衛隊の基地のような機能が備わっているということだ。
 世界的にも重要な組織であり、重要な施設に、多くの重要な情報回線等が繋がっているこの基地だ。しかも、巨大な面積の基地である。
 基地の警備。
 これは当たり前だが、とても重要である。敵の侵入を許せば、どんな目的であろうと危険なものばかりある。基地にあるのは、全て多くの国家から供与されているものだ。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、韓国、ロシア、中国等。西側、東側と呼ばれているような国際社会だが関係なく、多くを防人に供与してきた。
 つまり、もし基地に敵が侵入し、これらを奪われれば、どうなるだろうか。
 そのため防人基地周辺には警視庁機動隊の警備が敷かれている。また、基地にはドローンが飛行しており司令部で操作、管理され繋がっている。オペレーターが確認しており、侵入者の警戒や対処をしている。警備隊も設置しており、基地の出入り口となるゲートや基地を囲むように監視塔や警備所を設置。警備隊が警戒警備を行っている。対ドローンジャミング装置や、対ミサイル防衛用の対空兵器、NBC兵器への備えもある。
 いつ、どのように侵入されても対処できるようになっている。
 いや、侵入しても無駄だと、見せびらかしている。
 自分の身は自分で守らなければならない。狙っている敵という存在がいるのであれば。
 平和を維持したいのであれば。


0715
防人基地 ヘリポート
 俺達はJ国の特殊作戦を終え、海上自衛隊護衛艦いずもよりヘリにて帰還した。
 依頼は成功。アメリカ政府と日本政府からは多大な感謝の恩賞を得たという。
 銃器や装備品を持ってヘリから降りる。
 久々の帰還に心が踊る。久しくあの居酒屋に行きたい。
「海千、あの居酒屋に行かないか?」
 M249をぶら下げて近づいてくる。作戦中に美郷に......まぁ上官に暴言的なことを言った奴だ。
 名前は、山内光輝。チームでもとにかく明るい(過ぎる)、ムードメーカー。
 
 海千榛名が指揮する部隊、桜(サクラ)。
 陸上自衛隊の特殊作戦群や、警察の特殊急襲部隊のような名称はない。ただ、桜という名前の部隊だ。
 (先の作戦でモミジを使ったのは、オーバーロードからの指示だった。一時的に使用していたのだ。)
 指揮官は、俺、海千榛名。
 ゴツい体型で、モヒカン頭なのが副指揮官の佐藤実。
 鍛え上げられた体で、ムードメーカーな性格と言っても分かるようなのが、山内光輝。機関銃手。
 眼鏡をかけ、佐藤と変わらないような体格の鎌木祐一。衛生兵。
 細身に見えるが、鍛え上げられている体を持つ通信士の前田響。
 高身長でボーイッシュな雰囲気であるスナイパーの森下奈々。
 逆に低身長であり、ロングヘアーなスポッター、白川雪。
 体はゴツく、目は細めであり、とても強面な印象の手塚翔太。
 ポニーテールで髪を結んでいるのが特徴的で、まぁスタイルも良いのが羽前咲。
 肩に髪がかかるくらいの長さであり、小柄な感じだが力持ちの浅井優奈。
 自衛隊にいそうな髪の長さで、笑顔が特徴的である、神月優雅。
 気難しそうな顔をしているが、根は優しい折原彰。
 以上、合計12名の隊員で構成されている分隊だ。

 宿舎に行き、銃器や装備を置き椅子に座る。
 因みに、宿舎は男女別だが、軍隊のようなしっかりとした宿舎よりかは和風のホテルに似ているかもしれない。修学旅行の大部屋のような形であるため、隊員間はコミュニケーション出来るようになっており、出撃時には一度に連携できる。桜部隊以外の部隊とも連携できるような施設になっている。男女別になっているが、共同スペースもあり、娯楽もあるので日頃からコミュニケーションを取り、仲を深められる。
「疲れたな。」
 一人用のソファに座り、上を見上げる。
 天井。当たり前だが、一面に広がる天井を見る。
 疲労がどっと溢れてくる。
 とりあえず着替えて、風呂行って、飯行こ......。
「そう言えば、黒豹隊はどこに行ったんだ?」
「あぁ、彼らなら基地警備隊と訓練してるって。」
「訓練? 基地警備と防衛か?」
 コクリと頷きながら通信機器を置く響。
 黒豹隊は、市街地における任務が専門だ。対NBC兵器の影響化でも作戦が可能な能力を保有している。(勿論、無理な状況であれば厳しいが。)市街地における戦闘は野戦とはまた違う難しさがある。例えば、民間人/非戦闘員の存在や、建築物が多い中での行動であるので自由には動きづらい。
 まぁ、想像はしやすいだろう。
 

0800
防人基地 正門付近
正門確認。予定時刻まで5分。
「にしても、俺達黒豹隊が敵役とはねぇ。」
 黒豹隊は防人基地の警備訓練において、敵=侵入者役になった。
 基地警備訓練の内容はシンプル。巧みに侵入してくる黒豹隊を基地警備隊の第1、2警備隊が対応し、重要施設の一つである司令部に到達することを防げれば防衛成功となるが、到達を許せば防衛失敗となる。
 基地警備隊は通常警戒の状況でこちらの侵入を対応する。訓練は午前7時以降だが、いつ、どこから、どのようにやるかは詳細には決まっていない。また基地警備隊もいつから始まるかは知らないので、実戦さながらの対応を求められる。
 因みに。訓練における評価や調査等のために、司令部、訓練評価担当の隊員、MQ-9 リーパーと呼ばれるドローンや小型ドローンが訓練を監視、訓練後評価してくれる。本来の基地警備は、第3、4、5警備隊、ドローンや車両が警備をしている。
 黒豹隊は総勢30名。4グループに分かれて侵入する。内訳はこうである。4、6、10、10名のチームだ。
 4名のチーム、アルファがダミーの輸送隊として先に侵入。後ろから俺達、6名のチーム、ブラボー。残りはチャーリーとデルタだ。
「さて、予定通りだ。ダミーのトラックが到着したぞ。」
 アルファチームの運転する輸送トラック2台が正門に向かった。
 門が開き、もう一つの巨大な門の前で停車。基地警備隊の隊員がアルファの隊員とトラック、その荷台といった調べていない場所はないようにチェックしていく。しかし、トラックの中身は重要装備品で開封はここでは出来ないとしてある。
 すると、トラックが基地内に入る。
『アルファより総員へ。基地内侵入、基地警備隊の案内によって移動する。場所は、倉庫付近。』
「ブラボー、これより行動開始。」
 ほぼ同時にドライバーが運転を始め、門に侵入。チェックを受け始める。
 防人内では全員顔知っているため、フェイスマスクやサングラスなどで顔を隠している。それに、現在、顔による敵味方識別装置は黒豹隊全員を訓練用の敵として認識される。少し謎だがアルファチームの場合は運なのかよく分からないが侵入ができた。正直、侵入できるとは思っていなかったのだ。基地警備隊ならミスもないだろうし......罠? それでも、やる。
 誘導に従って停車。
 ドライバー側の窓を開けるように指示され、警備隊の隊員が降りるように指示する。
 横に置いていたM240を持つ。
「総員へ派手にやるぞ。チャーリー、デルタは行動を開始しろ。」
 車内のメンバーと顔を合わせ、頷く。
 ドアを蹴り上げて開けると同時に射撃を始める。近場の敵を無力化し、すぐに警備所を制圧していく。
 リロードをしておき、門を開け車両ごと侵入する。
 乗ってきたピックアップトラックの荷台に乗り込み、屋根を叩き合図して前進させる。
「前進だ、ゴーゴー!」
 とにかく暴れながら司令部に目指す。俺達は敵役であり、最終目標が司令部だが道中における戦闘も評価になる。基地警備隊は俺達が道中における行動をいかに防ぐかが重要になってくるだろう。
 M240を撃っていると、基地警備隊からのメインディッシュが到着した。
 基地警備隊のM2ブラッドレー歩兵戦闘車IFVだ。M242 87口径25mm機関砲に、TOW対戦車ミサイルを搭載している。また、兵員を6名乗せることもできる。
 後方ハッチから隊員が下車。その中にカールグスタフを持っている隊員がいる。
 だからといってこっちもやられるわけにはいかない。
 荷台に置いているRPGを構え、ブラッドレーに向けて撃つ。
 


 それで、どうなったと思う?
 まぁ簡単に言えば、俺の撃ったRPGはブラッドレーには命中したけども、装甲で防がれて車長用の機銃が壊れるという小破の判定。そして俺達、ブラボーチームは全員死亡判定。因みに、アルファチームが侵入できたのは基地警備隊の罠だったようだ。荷台にチャーリーとデルタが乗っていたということもばれていたようだ。俺達のようにブラッドレーで一網打尽だったという。後々、ブラッドレーや基地警備隊の隊員のカメラ映像を見させてもらったが、まぁオーバーキルだったな。

1200
防人基地 食堂
 黒豹隊指揮官、山添龍。
 彼は訓練で敗北判定をもらい、言わいるヤケ食いをしている。
 

1200
防人基地 司令部会議室
新井美郷
「うん、報告は受け取ったよ。まぁ、すぐに察したよ、顔にあったよ、美郷。」
 私の隣には防人の社長/司令官の、白河千智がいる。コーヒーを持ちながら基地警備と防衛の訓練結果の報告書を読んでいる。千智は楽しみながら、目を通している。
 この人の髪型は短い。高身長で整った体つき。モデルさんのようだ。それほど綺麗なのだ。羨ましっ!!
 訓練は全て基地警備隊の防衛成功で勝利だった。やはりブラッドレーといった装甲車があるということもあるが、練度がピカ一であることが一番であろう。数名の死傷者は基地警備隊にも出しているが、それでも侵入者の敵役チームは全滅している判定だ。
「やっぱり、基地警備隊は優秀だけど分かったこととすれば、やっぱり対ドローンとミサイル、サイバーが怖いね。どんなにVLSやCIWSといった防空兵器、強力なサイバー対策があっても予想を超える攻撃がもしも起こったら、対処は難しいでしょうね。」
「一番最悪なのは、敵地上部隊に、ドローン、ミサイル、サイバー攻撃が一度に襲来することね。」
「私達がこんなに頭を抱えるくらい難しいのに、自衛隊は大丈夫なのかな。」
 千智が呟いたことには共感する。まぁ、自衛隊以外のどの国の軍隊でも言えることではあるだろう。やり方によって、状況によって、対処の方法が変わってくる。そして、その後の影響も。
「訓練では大量に死亡判定が出ても取り返しはつく。でも、実戦ではそうはならない。実戦で死んでしまったら死んだ人は生き返らない。今回の訓練は、訓練になったのかしら? オーバーロード?」
「っ!」
 背筋が凍るような声と雰囲気。有無も言わせないような、なんとも言えない圧がこの私と千智しかいない会議室を凍らせた。
「あ、あったと思うよ。正直、訓練参加の各部隊からも反省点も分かって、早速修正をしているみたいだから。」
「ふふん、なら大丈夫そうだね。まぁ見てたけど大丈夫そうだったしね。」
 この千智ととは長い付き合いで、友人だけど。やっぱ雰囲気が変わるのは慣れない。何より怖いのは、笑顔で怒っている時だ。笑顔なのに怒っている。一番恐ろしく感じる。
 千智は書類をまとめ、立ち上がる。
 そして、無邪気な笑顔で言ってきた。
「お昼行こうよ、美郷!」
「え? えぇ、行きましょう。」
 本当に、恐ろしいと感じてしまう。
 でも、それでこそ民間軍事警備会社社長で、司令官だと言えるのだと思う。

 余談。食堂において
 社長と作戦運用指揮官の白河と新井が優雅な雰囲気で食事していた。
 一方で、
 黒豹隊指揮官の山添のヤケ食いとなんとも言えない雰囲気を出している黒豹隊メンバーらという、全く別の雰囲気が流れていたそうだ。
 
 
12月29日
1600
防人基地 司令部
 司令部には各部隊を運用/調整といったことを担うオペレーターがいる。作戦における部隊への連絡や航空機の運用をも担っているので、とても重要な役割が任されている。また、要請等の連絡、衛星等における情報収集等も担うのも司令部である。
 司令部の構造は大学の講義を行う講義室を思い浮かべて欲しい。教授がいる場所に大きなモニターがあり、段々と上がるに連れてオペレーターやブースがあり、一番上に司令官らが座る場所となっている。
 ある自衛隊関係者は、中央指揮所のような陸上総隊司令部のようなものとは異なり、アニメに出てきそうな司令部の構造であることに驚いたとか。
「あー。何か要請来ました。」
 送られてきた内容を見ると......。 
 送り主は自衛隊だった。
「えっと?  演習対抗要請です。」 
「これは、まだ優しい仕事だな。司令官と、航空運用長に連絡しておこっか。 メールで送っておいて。」
 オペレーターがコーヒーを飲みながら問いかける。
 「危機管理とかに携わる人間と同じで、俺達にも休みという終わりはないんだろうな。まぁ、流石に休暇はあるけども。」
そうですねぇ。
 そう言いながらのんびりとコーヒーを飲めるようなこの時間が、一番幸せなのかもしれないね。


 
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