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私小説
いざ、南征へ!
しおりを挟むしかし、これ以上「じゅん散歩」のことを云々するのはやめにしたい。他人の土俵で相撲をとっているようなものであるから。私は私の足取りをここに書いてゆかないといけないし、この小説は全百回しかないのである。
百回といえば、多いとも言えるが、この世の中に些事はもっと多い。それをいちいち書いていったら、百回であってもすぐになくなってしまう。しかしながら、「新井薬師」「中野坂上」「沼袋」なんて楽しみであるが……特に「沼袋」なんてマニアックすぎて素敵である。録画しておこう。
新宿東西線沿線ということになるが、そこにも思い出があって、友人の家に泊まり、千葉に帰るときに、よく頭のおかしな人と遭遇したのである。お母さんと子供がいて、子供が股間を撫でて「お母さん、ここ、気持ちいいよ」というのを「やめなさい」とはたいている母もいた。あるいは、一人で喋っている人もよくいた。
一人で喋っている人は何を喋っているのであろうか……。なんてことを考え出すと、またキリがない。ほら、こうして、この話の半分くらいが雑談に終わってしまった。私は、そんなことを思いながら、南征に出るのだ。
前回の東征において、私は行き来で五時間歩いて、足の関節がヤバくなっていた。それでも一日たったら平気であったが、今度もしんどいかもしれない。しかし、身体にはそういう負荷を与えた方が健康になるのだろう。それは、老年になってピンピンしている高田純次が証明しているではないか。
私はアパートから出て、ヘコヘコ歩くのであるが、靴がベコベコしている。そろそろ、買い替えないといけないみたいだ。それから、歩くと色々な想念が湧いてくる。それが面白くもある。特に、私は小説のアイデアを練るのが楽しい。しかし、結局、大したアイデアもなくて、歩いていることそれ自体を題材にするしかないのであるが。
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