もうダメだ。俺の人生詰んでいる。

静馬⭐︎GTR

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機動兵士 4

艦隊決戦 (中編)

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 月面宙域XP2345。
 地球の周回軌道をうまく使い、月に向かって進み、月の周回軌道にしばらく入ってから、関口昭之は、デブリ帯を見つけ、ここに対陣することを主張した。

「まずは、我々が先制できます」

   と関口は断言する。それから、頭を掻いて

「後は、チャーリー閣下と、静馬さんの腕の見せ所です」

  と呟いた。  

「そうか。君がそう言うのなら信じよう」

   チャーリー・パイナップルは、数々の戦場をくぐり抜けた歴戦の戦士である。少なくとも人を見抜く目は誰よりも鋭かった。逆に言えば、鋭くなかったら大統領どころか、生き残ることもできなかったであろう。

 戦況は、確かに関口の目論見通りに動いた。日本軍は、第一艦隊を右翼デブリ帯に配置して、第二艦隊を中央、第三艦隊を左翼に布陣する。
 そこに襲いかかってきた反乱軍は、第一艦隊のある右翼に主力を傾ける。一方、待ち構える右翼の方はデブリ帯を利用して、敵の猛攻を撹乱していた。
 中央陣の方では、二番目に強い、第二艦隊が反乱軍を圧倒しつつある。そして、左翼の方では、攻撃力に優れる最強の艦隊、第三艦隊が反乱軍を総崩れにしていた。
 どうしてこう言うことになるかというと、簡単な原理である。
 右翼  自軍 小 敵軍 大
 中央  自軍 中 敵軍 小
 左翼  自軍 大 敵軍 中
 このように戦陣を組めば、三つの内、二つの領域では必ず勝てる。そして、自軍が負けるはずの左翼は、デブリ帯で勝負がつきにくい場所の戦いなのだ。

「今だ!やれえええ!!」

  破竹の勢いで第三艦隊、岩原真太郎提督は、宇宙戦車部隊を率いて自ら先陣に立って、プラズマ砲をぶち込む。この勢いに、敵軍は呑まれて後退して、どんどん、日本軍が包囲する形になった。

「お膳立てとしては最高でしょう!」

  いよいよ、最後の仕上げとして、チャーリーと私が機動歩兵に乗り込む時であるが、その時、旗艦のディスプレイに、信じられない人物が直立して映し出されたのである。

「四条夏生……生きていたのか!」

    私は思わず叫んでしまった。

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