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しおりを挟む「翠!やっと見つけた。」
振り返るとそこには今まで忘れることはなかった想い人が。
相手が一歩踏み出せば僕は一歩下がる。
どうしよう。どうしよう。
この場から逃げ出したい。
僕の気持ちが伝わったのか、それ以上近づこうとはしなかった。
「俺はここから動かないから、お願いだ。逃げないでくれ。
何も言わずにいなくなるのはやめてくれ。」
心臓の音がさっきよりも更に大きく鳴る。
あの日から発情期らしいものはきていなかった。
なのに今になって自分に起きているこの状態がわかる。
僕は発情期になりかけている。
貴方が欲しい。ほしい。ホシイ。
「お……お、おかあしゃん?
どしたの?おなかいたい、いたいなの?」
匡の声にハッと自我を取り戻した。
ここには人が多すぎる。
発情なんてしたら大騒ぎだ。
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