永遠に咲き誇る悪の華 ~悪役令嬢は死にたくないので錬金術で不老不死を目指す!~

凪崎凪

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 アルヤ・ハーパライネン。 王都から少し離れたライネン村出身の平民。
彼女が王宮に引き取られたのはわたくしが16の時で、当時は100年ぶりの聖女誕生に王都は沸き立っていました。
最初に引き合わされた時はたしか彼女が引き取られて2ヶ月ほどしてからだったかしら?
その時はなんの変哲もない女だなとしか思わなかった。
けれども彼は、王太子殿下はそうじゃなかったのね。
彼はアルヤに、私に向けないような甘い瞳で見つめていた。 そして彼女も。
僅か2カ月でそんな仲になっているなんて、考えたら王太子殿下は婚約者がいる前でそんな態度を取るという貴族、王族としてあり得ない態度であったと今なら言えますが、当時は湧き上がってくる感情、多分嫉妬に心が染まっていました。
その後は、更に冷たい態度になった婚約者に悲しみ、こうなったのはあの女の所為だと思い、王妃教育を受けるために王宮へ上がるたびに彼女につらく当たりました。
それでもアルヤは毅然きぜんとした態度で私に対応していました。
王太子殿下はさらに私につらく当たり彼女を庇うようになりました。
まるで泥沼にはまったかのような、なにをしても彼の心を取り戻せない状況。
そして最後にはアルヤを殺そうと毒を飲ませた。
しかし、アルヤの聖女の力は本物で、その毒すら解毒してしまった。
どんな解毒薬すら効かない”死毒”であったのに。
その後は聖女を殺そうとしたと王太子殿下の独断で私は死刑となりました。
これが1回目の人生。 齢18の時でした。

2回目の人生は、最初なにがおこったのか分かりませんでした。
死刑で首を切られた後、目が覚めたら10歳の頃に戻っているのですもの。
状況が理解出来てからは必死でしたわ。
王太子殿下に好かれるように立ちまわったり、アルヤと仲良くなろうとしたり。
まあそれで分かった事は王太子殿下がクズであるという事でしたね。
私に対しては王命による意に染まぬ婚約をされたとこちらに歩み寄ろうとせず、なんなら私が父にねだって婚約を結ばさせたと思いこんでいましたわ。
1回目の時は知らなかったのですが、私達の婚約はタサヴァルタ王国と隣国スヴェーリエ王国の更なる同盟の結束力を強めるためでした。
それというのも東の大国、ルーシ帝国の干渉が強まってきたため帝国に対抗するため血の結束を求めたためです。
スヴェーリエの姫の血を引く私と、タサヴァルタの王族である王太子の結びつき。
これらが急速に必要だったのです。
なにせ我が父上下僕は母を顧みないことは有名だったのですから。
ああ、思えば父と王太子殿下はさすが血縁だけあって似てらっしゃいますね。
地位に対する義務に無関心な所とか。
まあ、正妃腹の父でなく側妃様のお子である現陛下が王位を継いだのは当然の帰結きけつだったと思います。
結局2回目はなにも変わらぬまま、訳も分からず殺されました。 同じような理由で。
そして再び巻き戻り、3回目にしてなぜ私が殺されるのかが分かったのです。
まず、王太子殿下があのような性格になったのか?
王太子教育をきちんと受けていらしたはずですのに疑問に思った私は探りを入れました。
すると、彼の教育係がルーシ帝国の息のかかった者だったのです。 さらには彼の乳母と乳兄弟もです。
すべて調べ終わる時私は17になっておりました。
その事をつまびらかにしようとした時、私は捕らえられ帝国のスパイとして処刑されてしまいました。
気付けば4回目の人生が始まっておりました。
その時思ったのです。 こんなにやって殺されてしまうなら殺されるのが私の運命なのだと。
そしてこう思ったのです。

殺されたくないなら死なない身体になればいいじゃない! と……

4回目はただひたすら不死、もしくは不老不死の方法を探す人生でした。
王太子殿下とは最低限の関係となり、干渉しなくなり、というか不老不死の研究に忙しくて興味もなかったのですが。
4回目は王命である婚約、それをおろそかにしたとして再び処刑されました。
しかしもうそんなこと気にしてられません。
4回目で錬金術を知り、私はその魅力に憑りつかれてしまっていました。
5回目は錬金術の研鑽と並行しつつ、私が有用な存在だと思わしめるために蓄えた知識と錬金術で様々な技術や政策を打ち出しました。
そして、あの王太子殿下はそんな私に嫉妬して冤罪で私を処刑したのですが。
6回目からは程々にして、不老不死の研究にまい進する日々でした。
このころには期限は18の時までなどと思い寝る間を惜しんでいました。
死が怖くて不老不死を求めているのに死を受け入れているなんて、もうこのころには私は気が触れてしまっていたのかもしれません。 いえ、最初に死刑になった時はすでに…… でしょうか?
7回目、8回目は思うように研究が進まず、孤児や違法奴隷に手を出し人体実験を繰り返していました。
7、8回目はそれが理由で処刑されたのですがね。
そして、9回目あの方と出会ったのです。 いえ最初から出会ってはいたのですが、心を通わせるようになったのは9回目の時でした。
そして、不老不死の手がかりを見つけたのもこの時でした。




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