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再会
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なんだか嫌な予感がする。
目先の道路でゆっくり歩いている老人が危なっかしくて、もう倒れそうだった。
それはおじいさんだった。
どうしてか、俺は彼を認識した。
いかにもみすぼらしいボロボロの服で、見ていて恐怖すら感じた。
と、その刹那、それを咎めるように、その老人はバタンと顔から前に倒れた。
心の中で、老人に詫びたが、さて大丈夫か。杖でも持っていれば何とかなっただろうに。なんて思った。
そこに道行く人はいない。
しばらくしても立ち上がろうともしないので、俺の背中はさあっと凍えた。
助けるか。逃げるか。
助けるか。逃げるか。
助けるか。逃げるか。
助けるか。逃げるか。
助けるか。逃げるか。
…ゆっくりと立ち上がり、何事もないように、しかし早足で、彼のところに向かった。
「あの。」
話しかけても反応がない。
息苦しそうだった。
異臭でまた吐きそうだった。えずき癖ってどういう体のサインなんだ。
彼女だったら、助けるだろうと、頭に閃光が走り決めた。
男に触るのは絶対に嫌だったのに。
胸骨圧迫、人工呼吸。
何回か繰り返すと、おぼろげに目を開き始めた。
近くに公衆電話がないか見渡した。救急車を呼ばないと。
あった!急いで立ち上がろうとすると、足をつかまれた。
「救急車呼びますから待っててください!」
「置いてきませんから!」
老人の握力は微々たるもので、彼のためにも、これは振り切ってしまおうと思った。
しかし、そう思うと体が嘘みたいに動かなくなった。
正しくは、千匹の像に縛り付けられた感覚、そんなイメージが浮かんだ。
すると像たちは大きな翼を広げて、おじいさんごと俺を上に引っ張り上げた。
おじいさんから真っ白な光が放たれて、目を開けるとそこには彼女が立っていた。
「ありがとう。またあえたね。」
妙に納得できたので、
「君だったのか。」
そう言って額を見つめた。
さすがに眼を見たらくっついてしまうと思った。
「あの時は置いて行ってごめん。」
彼女に詫びると、
「すべては必然なんだ。っていってたじゃない。」と笑う。
「お芝居の話だけど。」と、俺は頭をかいた。
「でも、それを何度もやったのよね。」
「それを見てもう本当に私の心に刺さったの。」
「だからありがとう。そして、あなたは生きてるだけでいいから。まだ消えないで。」
恍惚な時間は過ぎ、俺は目を覚ました。
見える世界は今までと全く違い、世界の光のトーンが少しだけあがった。
それでもそれでも三日もしたら、それもなかったことになった。
目先の道路でゆっくり歩いている老人が危なっかしくて、もう倒れそうだった。
それはおじいさんだった。
どうしてか、俺は彼を認識した。
いかにもみすぼらしいボロボロの服で、見ていて恐怖すら感じた。
と、その刹那、それを咎めるように、その老人はバタンと顔から前に倒れた。
心の中で、老人に詫びたが、さて大丈夫か。杖でも持っていれば何とかなっただろうに。なんて思った。
そこに道行く人はいない。
しばらくしても立ち上がろうともしないので、俺の背中はさあっと凍えた。
助けるか。逃げるか。
助けるか。逃げるか。
助けるか。逃げるか。
助けるか。逃げるか。
助けるか。逃げるか。
…ゆっくりと立ち上がり、何事もないように、しかし早足で、彼のところに向かった。
「あの。」
話しかけても反応がない。
息苦しそうだった。
異臭でまた吐きそうだった。えずき癖ってどういう体のサインなんだ。
彼女だったら、助けるだろうと、頭に閃光が走り決めた。
男に触るのは絶対に嫌だったのに。
胸骨圧迫、人工呼吸。
何回か繰り返すと、おぼろげに目を開き始めた。
近くに公衆電話がないか見渡した。救急車を呼ばないと。
あった!急いで立ち上がろうとすると、足をつかまれた。
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「置いてきませんから!」
老人の握力は微々たるもので、彼のためにも、これは振り切ってしまおうと思った。
しかし、そう思うと体が嘘みたいに動かなくなった。
正しくは、千匹の像に縛り付けられた感覚、そんなイメージが浮かんだ。
すると像たちは大きな翼を広げて、おじいさんごと俺を上に引っ張り上げた。
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「ありがとう。またあえたね。」
妙に納得できたので、
「君だったのか。」
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「でも、それを何度もやったのよね。」
「それを見てもう本当に私の心に刺さったの。」
「だからありがとう。そして、あなたは生きてるだけでいいから。まだ消えないで。」
恍惚な時間は過ぎ、俺は目を覚ました。
見える世界は今までと全く違い、世界の光のトーンが少しだけあがった。
それでもそれでも三日もしたら、それもなかったことになった。
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