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44話 「人の形のクリーチャーの正体」

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…ようやく終わった修行。数時間かかっただけでみんな無事に終わることができた

短時間の修行でみんな見違えるような顔つきになっていた。恵たち一行はそう思っていた

恵はひとりひとりに話しかける

「杏、どうだった?」

恵が言うと杏は喜んで言う

「ええ!余裕だったわ!しかも聖なる炎がより強化されて更に血漿族を燃やすことができるようになったわ!」

なんとも嬉しそうだ。次にウェナとコルス

「ウェナとコルスは?」

「ああ。ずいぶんと楽だった。風を任せて力を手に入れた。これで血漿族をより倒せるだろう」

「へへへ。アタシの力がますます強力になりました。血漿族なんぞズタズタにしてあげますぜ」

2人とも次の戦いに期待がこめそうだ

「サンダースは?」

「ああ。雷の力が更に強くなった。血漿族を吹き飛ばす、そんな力を手に入れたよ」

腕を組みながら言う。きっと強くなったのだろう

「ロザリーはどうだった?」

「はい。またあの時のようにヴァルキリー様が来て物理攻撃もできる力を備わりました。光だけではないです」

その杖で今度ぼこすのか。それも期待できる

「…で、リリアナとリミットは?」

「気の力が増幅した。これで波動がより強くなったね」

「ボクはもっと力が強くなった!だから大丈夫だよ!」

リリアナとリミットは喜んで言う

そうか。ならこの修行はきっとみんな良いものを手に入れたのだろう。恵はどこか嬉しい気持ちになった

「良かった。みんなご苦労さま。じゃあもう帰りましょうか…」

すると門のほうから声が飛んだ

「大変だ!血漿族が…血漿族が現れた!」

…!人間の大敵が現れた。9人は門のほうを見た

確かに群れで襲いかかってる。街は安全だと思うがそうでもなさそうだ

「みんな!修行の成果、早速あの馬鹿どもにぶつけてあげましょう!」

8人はうなずいた。血漿族へと立ち向かう

魔法都市の門まで来た。たしかに血漿族がウロウロいる。これでは魔法でも十分には戦えないだろう

しかし9人は違った。修行をしたからだ。その効果は発揮せんとする人たちがいるかららだ

血漿族はたくさんいる。相変わらずの四足歩行と樹木のクリーチャー。小さいのもいた

恵たち一行はすぐに臨戦態勢をとる。まずは小さいクリーチャーだ。杏は炎を両手でまとわせて攻撃する

「あたしの炎よ!燃えてしまええええ!」

ぼおおおお!その力は絶大だった。小さいクリーチャーはあっという間に片付いた。チリひとつ残さず

次は四足歩行。ウェナとコルスが前に出て攻撃する

「コルス!風を使い撃破するぞ!」

「おいっす!」

コルスは風を使って真空波でズタズタにする。ウェナは風を利用して華麗にクリーチャーをえぐる

ざくざく!ずかっ!真空波の力は凄まじく吹っ飛びながらクリーチャーは跡形もなく撃破。ウェナの力は血漿族を倒した

まだまだいる。ロザリーが一歩前に出て杖を光らす。これで肉弾戦に挑もうとした

「私だって戦えます!くらいなさい!ホーリーエンハンス!」

ドコン!ぼこん!

ロザリーは杖で叩きながらクリーチャーたちをやっつける。その威力は絶大である程度のクリーチャーを片付けた

「すごい!ロザリーそんな力を持ったのね!」

ある程度血漿族をやっつけた。すると、血漿族が来たところからあるクリーチャーが登場した。それが…

「…!あの人型クリーチャーだわ!」

フードを被り、待ち伏せをして、村を滅ぼした、元凶のクリーチャーが登場だ。恵はすぐに向かった

「あんたの悪行、ここまでよ」

恵は拳をがちっとしてここでけりをつける形となりそうだ

「…俺はあくまでも貴様らのことを恨んでいる。俺を倒すことは不可能だ」

そのクリーチャーは両手からニョキニョキと枝を出した。攻撃するサインだ

両手から枝を恵に向かって襲う!しかし恵はすぐに反応して右の枝を手刀で斬る。そしてまた瞬時に手刀で左を斬った

「…こんなもんで満足するな」

枝を出すのは止めて直接腕からなにか触手のようなものを出した。これがこのクリーチャーの正体か?

触手は恵の手をからもうとする。だが恵は恵だ。瞬時に避けて本体を狙おうとする

「…!」

恵はクリーチャーの体を思いっきり足で蹴りを一発狙った!

…するとどうだろう。服から人間の体が現れたではないか。これは?クリーチャーではないのか?

「な…人間の体…!」

「…ふん。バレたなら仕方ない」

そのクリーチャーは服を脱いだ。するとクリーチャーとは呼べないほど本当の人間の体が現れた

筋肉質。顔はイケメンで紫の瞳。黒いショートヘア。これはクリーチャーではない!?

「あ、あんた…人間…だったの!」

「ここで自己紹介しよう。俺は暗堂無作(あんどうむさく)この世界を血漿族の世界にするため再び行動をしている」

筋肉質で相変わらず両手には触手がうじゃうじゃしている

「俺は血漿族のことを強く信用している。そして貴様らという邪魔が入った。だからまずは貴様らから滅ぼさないといけない」

思わず戦闘体制を崩してしまった恵。しかしそれが命取りだった。触手が瞬時に恵の体を巻き付いた!

「あっ!しまった…!」

「まずはとても邪魔な貴様から排除しよう。死ね!!」

このままでは恵がやられてしまう!リミットとリリアナはすぐに反応する

「お姉ちゃん!それっ!」

気力に満ちたリミットは触手を一発で斬った!

「何っ!」

リリアナは気力を溜めて波動の力を使おうとした。今だ!リリアナは波動砲を発射した!

「直射波動砲!!」

ぼーーーーーー!すると暗堂の体が波動砲で貫通してトンネルを開いた。思わずそのダメージで暗堂はよろける

「くっ…貴様ぁ!!」

暗堂の恵をつかんだ体制が終わる。そして暗堂は貫通したお腹あたりを手で支えていた。するとすぐに貫通した体が元通りとなる

「…ふん!やはり貴様らまとめて退治しないといけないな。今は引こう。次に会ったときは容赦しない!」

脱いだ服を持って翼を出す。そして空へ上がり、暗堂と呼ばれるクリーチャーはそのままどこかへと消えていった

カロフトは見てたが港街の方向へ。そして海を渡った気がする。もしかして向こうへ行くのか?

「あっちは海側…いったいどこへ行くんだ…?」

もう血漿族の姿も見えない。まずは絡まれた恵の体は心配だ。全員で恵の側まで行く

「大丈夫お姉ちゃん!?」

「恵!しっかりしろ」

リミットとサンダースは声をかける。どうやら心配しなくてもよかったらしい

「うん。大丈夫。何もなかったわ」

座っていた恵は立つ。そして目の前に血漿族の地帯があった。恵は近くに行き、そして地帯の浄化をした

「はぁ!」

恵の浄化で地帯は消え、元通りの草原に戻った

「お疲れ様です恵」

「ううん。みんながいたから私、平気だったのよ」

そう言うとカロフトが近くに行き言う

「暗堂とか言うやつ、海の方向に向かったよ」

「まあ、そうだったの。でもあっちには何かあるのかしら?」

恵が疑問の顔をしているとリリアナは言う

「大陸あるよ!こことは違う場所が多くてね。…もしかしてあの暗堂は次なる血漿族の地帯を作っているのかな」

…次の目的が決まった。あの人型のクリーチャー、暗堂の行方を追うために

「暗堂…やはり追わないとだめみたい。きっと、別の大陸で悪事を働くわ」

恵はみんなに向けて言う

「みんな。あの暗堂の行方を追いましょう。じゃないと別の大陸がまずいことになる」

恵が言うとみんなが反応する

「そうですね。私、どこまでも恵に付いてきますよ」

「暗堂とかいう男に一回炎をぶっ放したいのよね」

「ボクはずっと恵お姉ちゃんと行きたい!」

ロザリー、杏、リミットは言う

「アタイも行かないとだめだね。せっかく買ってきた矢を無駄にしたくないし」

「君に付いて行く。そう決めたからさ」

「そっか別大陸行くんだね。親に言っておかないと」

カロフト、サンダース、リリアナは言う

「へっへっへ…いつでも出発していいっすよ」

「貴様との旅。これからも続けたい」

コルス、ウェナも言う

一人の運命の浄化者。そして選ばれし者8人。もう覚悟は決まっている。次の場所へ行くために



暗堂の野望

食い止める方法は恵たちであった



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