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1章 奴隷の育成

契約の更新と新たに奴隷

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次に俺は奴隷商館に来ていた。少女達の顔が心なしか暗い。
「いらっしゃいませ、コウタ様ですか。今日も奴隷の引き渡しですか?おや、そうですか彼は殺されましたか。」
「こいつらの元主人と知り合いか?」
「はい、彼は貴族には珍しく、奴隷の面倒を最後まで責任持って見てくださるので個人的には惜しい人を亡くしました。」奴隷商人だって誰彼構わず売っているわけではない。少なくともこの商人は相手を見極めて奴隷が買われた後も幸せでいられるように努めている。彼はそれを売る側の責任だと行っていたが。
「そんなやつなら俺も会ってみたかったが、残念だ。それで今日はこいつらの契約を更新しに来た。」
「おや、珍しいですね。一目惚れですか?」
「バカを言え、おっさんが一目惚れして、若い奴隷を買ったところで悲しい結末は見えてる。」
「コウタ様なら、そんなこともないと思いますが、わかりました。では更新の儀を行いましょう。こちらへどうぞ」
俺達は商人に連れられて奥の部屋に向かう。

部屋の中には大きな魔法陣が床に書かれていた。
「ではコウタ様こちらに、貴方達は1人ずつ魔法陣に入ってください。」
俺と1番年上そうな子が魔法陣に入る。
「そういや君名前は?」
「アリスです。よろしくお願いします、ご主人様。」
「改めて、俺は鷹森宏太、コウタでいいよ。これからよろしく。」
商人が名前すら聞いてなかったのかと呆れた顔でこっちを見てる。タイミングなかったんなもん仕方ないよな。
「言いたいこともありますが、とりあえずこの紙の魔法陣の中心に2人の血を垂らしてください」
言われた通りに垂らす。それを持ち商人が呪文を唱え、魔法陣が光りだす。
「あぁっ」アリスの方に少し電気が走っているのか、少し辛そうだ。
光が止みこれで契約終了だそうだ。
次に白髪の兎耳の少女がやってくる。
「ミロです。よろしくお願いします、ご主人様」
「こちらこそよろしく」これで2人目も終える。
3人目は赤毛の姉妹の姉の方だ
「ご主人様、姉のレイナです妹共々よろしくお願いします。」
3人目を終えたところで商人の魔力が切れて少し休憩、ポーションを取りに行って戻って来て再開、4人目は妹の方だ。
「レイカです、よろしくお願いします。」
「あぁよろしく」
流石に1度に5人は大変だな、座ってるだけの俺もだれてくる。5人目の猫耳の少女がやって来た。
「ノンです。ご主人様よろしくお願いします。」
こうして俺らは契約を終えた。
今は最初にいた部屋に戻って来ている。
「おつかれ、これ一応更新と立会人料ってことで、あとマナポーションさっきのよりいいやつだから飲んどけ」
「こんなにって言いたいところですが、流石に1度に5人でしたのでいただきます。マナポーションもありがとうございます。あと実はコウタ様にご相談があって近々伺おうと思っていたのですよ。」
「相談って何」
「契約を更新したばかりで、大変申し訳にくいのですが、ご紹介したい奴隷がございまして」
「俺に紹介ってことはやばいスキル持ちか?それとも幼くして心が死んだ奴か?」
「両方ですな、実は神々のスキル持ちなのですが、それを悪用しようとした奴らが目の前で悉く死んだので、悪魔の子とか言われてたらい回しにされ来たのですよ。うちに来て一月になりますが何も起きてないのでおそらくスキルの悪用による罰だったのかと思います。しかし、目の前で何十人も死なれていますので、本当に自分が悪魔だと思い込んでいるのか、人間不信気味でして。」
「それでスキルがスキルだから俺のところに来たと、まぁ1人増えたところで変わらんだろう。とりあえず合わせてくれ」
それを聞くと商人が手を叩き、それを聞いた使用人が首輪のついた、金髪の少女を連れて来た。
「彼女らよりは年上ですが、なかなか可愛いもんでしょう。主人達は悪用したそばから即刻死んだので、彼女も処女です。スキルのこともありますので、格安でお売りいたします。」
と商人が値段を見せてくる。一般の奴隷と同じくらいの値段だ。本来強力なスキル持ちは一般の奴隷の10倍から20倍のレートで取引される。
「その前に確認させてくれ、君のスキルを詳しくは知らないけど、うまく使えば幸せになれる。君を育てて一人前になる頃には、おそらく君を買ったお金分の働きをしていると思うから、解放してあげることもできる。生きる意志はあるか?」
「あります。」彼女は真剣な眼差しだ。おそらく商人からも断られれば一生人間らしい生活を送れないとでも言われてるのだろう。たとえ悪用したのは死んだ彼女の元主人達とはいえ、だいぶ死んでるからな。
「いいだろう、商人いつもの口座に請求しといてくれ。あと君の名前は?」
「フーロです。よろしくお願いします、ご主人様」
こうしてまた奴隷が増えた。
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