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二章 後輩冒険者

神龍対フーロ

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フーロのスキル、神々の賽子の解説を少しすると、出た目に設定した能力が発動するという完全な博打なのだが、フーロの運はsss最高数値だ。したがって出る目はその状況の最適解になる。相手のスキルがわからなくてもサイコロの出目によってだいたいどんな敵かわかる。
今同時に振れるサイコロは7個、
発動する能力は
1に筋力強化
2に素早さ強化
3に体力強化
4に防御力強化
5に魔力強化
6に回復魔法だ

ちなみに一度に召喚できる数が限られてるのは、魔力の最大値によって一度に召喚できる量がきまるかららしい。
どの能力かはサイコロが発動した瞬間に違う色の光を放つのでなんとなくわかる。
1から赤、緑、黄色、青、紫、白といった感じだ。
でさっきは赤6個と緑が1個だった。青が出てないってことはてことはあの神龍の攻撃はフーロに当たらないか傷を負わせることができない。寧ろフーロの攻撃が通らない可能性があるため、赤がたくさん出て筋力が強化されたと考えていい。
だいたい相手を倒すためにどの能力も足りてる時は魔力か素早さが上がる。
素早さが最後に投げたやつで出たので能力的にはフーロに負けはないのだろう。

フーロの初竜種戦ということで、みんな心配するかと思いきやフォローにならいつでも入れるとのことで、応援を始めた。アタフタしてるのはアミルくらいだ。その反応が普通なんだけどな。
天狗達にフーロはなんかめちゃくちゃ可愛がられてるんだよなぁ。
コウマ曰く美味しいご飯作ってくれるかららしい。

神龍は自分の相手が小娘1人で十分と言いたい様なこちらの態度に怒って咆哮をあげる。
そんな事をしてる間にフーロは神龍に駆け寄り攻撃を始める。
フーロは走って切り込んでいくときも、サイコロの召喚をしていく。
目は全部素早さ強化、フーロはどんどん加速していく。
度肝を抜かれた神龍は防御の体制をとる。
すでに神龍を仕留めることができる攻撃力に強化されたとフーロには無意味だった。
ガードの上から刻まれていく神龍、防御の意味のな様を悟り今度は上昇して距離話を取ろうとする。
フーロはそれに気づきとっさに神龍に飛びついた。
振り払おうと暴れる神龍に思っ切り神樹の剣を突き刺す。
刺した場所は翼の付け根で片翼の制御が効かなくなり、神龍は落下した。
フーロはすかさず無傷の方の翼を攻撃して飛べなくした。
神龍は身体に電撃を流し、フーロを無理やり引き剥がした。
深追いは絶対にするなと口酸っぱく言っていた為、しっかり回避をしてくれて安心した。たとえ子供の竜だとしても人基準の能力評価ならSとか平気で出すからな、食らっていいものじゃない。
神龍は電気を纏うのをやめると今度は水ブレスを放つ。
高圧で切り裂くようなものでは無くて俺らの周りに水を撒き散らすように放たれた。何か狙ってるな。
一瞬燃える水とか言うものかと思ったが、特有の匂いがしない。
様子を伺っていると、今度は瓶のようなもののを取り出しフーロに投げつけてくる。
フーロはそれを難なく交わしたが、瓶は水溜りに突っ込み割れた。
続けざまに神龍は水溜りに電撃を流した。水がみるみる無くなっていく、おそらく瓶の中は電気の通りやすい水だったのだろう。
だとしたらかなりまずい、おそらくフーロは次どうなるかわかってない。
俺は猛ダッシュでフーロの元へ走り出した。
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