42 / 49
二章 後輩冒険者
勇者の願い
しおりを挟む「魔物を倒して魔力を奪い取り強くなるという方法もあるが、修行して鍛えた事を実践で使って行った方がはるかに強くなる。正直な話わざわざ命を取りに行く理由もないだろ」
俺は思った事をそのまま口にする。事実だし問題はない。
殺した生き物から魔力を取り込むのは人間の魔力還元率が他の生物より低いので効率が悪い。
だから、魔物例えばオーク(豚が魔物化したものなのだが)とか日常的に食べる人いるんだけど、その人の魔力が飛躍的に上がったと言う話はない。
寧ろ最大限まで魔法やスキルを使い、魔力の自然回復量と最大値アップと魔力の操作に慣れてった方が早く成長する。
「だろ?俺はいつも神龍を使って空から偵察をさせられるわけだ。偵察して安全な道を教えても、魔物を全滅させなければとか言い出してわざわざ危険な道を進む。そして失敗すれば俺の責任だ。危険な道を俺が進めたってな、結局誰が道を選んだんだってんだよ」
彼の悔しがる姿から、かなりの人数捕まったのだろうな、賢者もゴブリンに対して無害な奴をむやみに苗床にするのは気がひけるって言ってたし、しないと思うけど。
「んでよ、捕まった奴は無理矢理犯されて子供を産まされるって、聞いたらしくて救出作戦が決行されたんだ。」少し勇者がニヤッとした。
「助けに行ったらさ、捕まった奴のほとんどは牢に入れられてただけでな、ほら、あんたが捕まえた奴にもいたろ?勇者だから何してもいいと思ってるような奴。そんな奴らばっかりお腹パンパンにしててそれを見て、あぁ賢治もこいつらにはムカついたんだなって思ったな。」そいつらは仲間にもひどい態度を取っていたのかもしれない。心なしか勇者が嬉しそうだ。
まぁ因果応報だな。
「救出した後、犯されなかった奴らを仲間を売った裏切り者として非難を始めたんだ。犯されて女達の肩を持ち徹底的に糾弾した。そしてせっかく無傷で助かった彼女らは部屋から出てこなくなった。」
今度はどんどん暗い表情になっていって勇者は泣きそうだ。
まぁせっかく助けたのにそれはないよなぁ。
この勇者は自分より実力が上の神龍が負けそうで勝てる見込みもないのに仲間のピンチに助けに来る、義理堅い奴だ。自分の努力が無駄になったことより、助けた仲間を完璧に救えなかった事を悔やんでるのだろう。
「俺は彼女らも助けてあげたいんだ。元はと言えば救出した俺の責任もあるし。」
勇者は真剣な表情で俺に想いを伝えてくる。
「んー、理不尽を被ってる子を助ける事は反対できないんだけど、俺らもゴブリンの賢者を救出して護送するって仕事があるからなぁ、女神が何仕掛けてくるかわからないし、できればあの国からはすぐ出てきたいんだよね。」
もしかしたら、勇者に次ぐ戦力を女神が投入してくるかもしれない。
まだ勇者達はその地域の人々に迷惑をかける程度の害獣だが、天使とか投入されたら、それこそ全面戦争になってしまう。
ゴブリン達と合流する前にそれをされると厄介だ。この戦争は世界中の空で戦うことになる。ゴブリン達は数による物資輸送などのバックアップは必須だ。
魔法での転送は妨害されるのが関の山だからな。
よって彼女らをゴブリン達より優先する事は世界の代表達から派遣されている俺にはできない。
「まぁもしかしたら思わぬ援軍が来てて、そっちに人を回せる様になるなら救出しよう。」
クイーンの事があるからなあながちないとは言えない。
「で今勇者は何をしているんだ?」
結局聞きたいのはそこだ。結構な数国から出てそうだが、ゴブリン虐殺は飽きたのだろうか。
「今勇者達はゴブリンの賢者が伝説の杖を持っている事を知って躍起になって奪おうとしている。」
「このままいけばかち合いそうだな、どうする先に女神官のいる所に送ることもできるが?」
「いや、付いていくよ。もしかしたら他の勇者とかち合うかもしれないけど、もし援軍がいて、城にいる彼女達を助けに行けるようになっても、こっち側で彼女らを連れ出せるのは現状俺だけだからな。」
という事で、神龍と勇者もゴブリンの賢者のところまでついていくことになった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる